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1話 死んでいて、転生したら、ただの種


20✖✖年 〇月 △日 AM8:45

自分は今、勤め先の会社にダッシュで急いでいた。

「遅刻だああああああああああ!!!」

そう、今まさに↑の文章のごとく文字通りの遅刻をしてしまったのだ。

因みに遅刻の理由は、ただの寝坊である。(しかも朝食は食べてない)

だが、この遅刻が今まさにありがちな展開=物語の始まりになろうとは、

そう、なんの変哲もへったくれもないごく普通の27歳男性会社員の自分も、

何もかもが、予想してはいなかった。

そう、自分は青信号でちゃんと左右確認して横断歩道を渡っていたはずだった。

もちろんのこと自分は、交通安全のルールを守る律儀な男だ。

なのに、横断歩道を渡っている自分に、2t級トラックが猛スピードで突っ込んできたのである。

バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!

そこから、自分の視界はブラックアウトした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?

どれくらい眠っていたのだろうか?

風が身体を撫でて目を覚ました。

ここは、どこだろう・・・?

森のようだが、明るいな・・・それに水気がする、周りを見渡すとここは湖畔だ。

おや?目線が低いような気がする・・・それに、動けない?

なにか嫌な予感がするのは気のせいか?

ん、自分のいる位置は湖畔の岸辺か、ちょっと水面を見てみよう。

・・・んっ!?

驚きのあまり、声は出さなかったが水面に映ったのは小さな植物の種だった。

えーと、まずはこれを言おう・・・すぅー・・・・・・・。

(なんじゃこりゃああああああああああああ!!!??)

と↑の台詞を言いたかったのが口がないから喋れないので心で叫ぶことにした。

これはアニメや、漫画でよく見かける転生物だよね?

というか、なぜか転生したら、ただの植物の種だよ!

種だから自力で動けないよ!根ぇ張ることしかできないよ!!

よくあるRPGじゃ食べられるだけのドーピングアイテムだよ!勇者の餌だよ!!

どうしてこうなった!!詰んだ!!人生オワタ\(^0^)/

そう、自分が悲観しているその時だった。

「うーん、今すんごい叫び声が聞こえたような・・・気のせいかなぁ??」

むむっ!!聞こえたぞ!!あれは間違いない!!人の声だ!!!

でもなぜだろう、どうして自分の心の声が聞こえたのか?

それに自分は、植物の種で喋ることができないのにどうやって聞こえたんだ??

そして声の主はそもそも人なのか?モンスターなら、ってああ恐ろしい、想像したくないよ(;・_・)。

と、考えている内にその疑問は解けた。

なんと、声の主は人間の男性であった。

ほっよかった、出会ったのが人間で・・・あ、でも性格は大丈夫かな?とりま、容姿だけでも見ておこう。

頑丈な西洋の鎧を着ている、顔は・・・おおっ凛々しくそして美しい!!

「ここから声が聞こえたけど、どこにいるのかな?きっと困っているに違いない!」

自分の心の声が聞こえたのならもしかしたら自分はテレパシーという超能力を使えるかもしれない!!

ようし、やるぞ・・・(助けてぇぇぇぇぇっっっっっ!!!!!!!)

「むっ!!聞こえたぞ!!先ほどのすんごい叫び声だ!!どこだ!!どこにいるんだ!?」

いいぞ!(ここだよー!!湖畔のほとりにいまあああああああああああす!!!!)

鎧の人は、自分の声が聞こえてきた湖畔のほとりをくまなく探した。

そして、1分半ほどにして自分は、その人に見つけられた。

「声の主は君か、植物の種なのに意思もあるし、念話ができるなんて凄い種だよ!」

鎧の人はそう言った、おそらくその人の世界でテレパシーは念話というらしい。

(あっどうも自分の心の声が聞こえているなんて助かります。)

「いえいえ、でも君みたいな種がどうしてモンスターがいる危険な所にいたの?」

(ああ、そういえばそうでしたね実は・・・)

自分はこれまでの経緯を鎧の人さんに話した。

「気がついたらここにいたねえ・・・にわか信じ難い話だな・・・」

(でしょう、それにあなたはちょっと前にモンスターがいるって話しましたよね・・・?)

「ああそうだよ、この湖畔はモンスターたちの水浴び場なんだ、でも君運がいいねこの時間はその水浴びの時間じゃないから見つかってよかったよ。」

(本当に助かりました、そうだ貴方はこの後、どうしますか?どこかに行くなら、できれば自分も連れていって欲しいですけど・・・)

「いいよ、この後森を抜けた近くの村に寄っていくつもりだったんだ」

(ありがとうございます。)

「どういたしまして、おっと自己紹介がまだだったね、僕は旅の騎士のラインハルトよろしくね」

(こちらこそ自分は・・・まあ植物の種だけに、単に種ちゃんと呼んでもいいよ)

こうしてなぜか植物の種に転生した自分の旅が今始まったのであった。

登場人物

種ちゃん:現実世界のごく普通の会社員が不幸な事故で命を落とし、

     何かの植物の種になった姿。

     とりあえず本名はあるがあえて植物の種だけに種ちゃんと名乗る。

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