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第5話 感電死・・・?

「いやぁ〜。なんかすっきりしたわ〜♪」

爽快そうかいに笑っているのはもちろんミラ。

「相手弱すぎよねアレ。もっと手ごたえのある奴いないのかしら?」

「この学校には初級の魔法で敵を丸焦げにできる人はいないと思われます・・・。」

なぜか敬語のユウキ。

「ん〜。でもアイツほとんど抵抗してこないんだよ?ユウキだったらもうちょっと面白かったのに〜♪」

「・・・。それは俺のリアクションが面白いから、という風に受け取っていいのか?」

「あったりまえ♪」

軽く落ち込むユウキ。



・・・♪・・・



「ふぁ〜〜〜。眠いなぁ〜〜。」

大あくびをしているのはニャルガ。


次はニャルガの対戦なので体育館のど真ん中にいる。

「早く来ないかなぁ・・・対戦相手。」

ニャルガがこの場所に立ったのはつい1分前くらいなのだが、短気、というわけじゃなく

「めんどくさいからさっさと終わらせたいなぁ〜・・・。」

とか思ってるからであった。


「お待たせしましたぁ〜〜〜!!」

バンッ!


体育館の扉を大きな音を立てて開けて現れたのは、女の子。


茶色い髪を二つ結びにして活発そうな短いローブを着ている。

それとは裏腹に、たれ気味の緑の目が印象的だ。



・・・♪・・・



「あ。ニャルガの対戦相手はあの子かぁ〜。ユウキ知ってる?」

「あぁ、アイツは確かウィル・パマニーだよ。ってか去年同じクラスだったろ?」

「え?・・・・ア、アハハハハ〜♪」

目線を逸らすミラ。

「・・・。はぁ。ミラっていっつも人の顔おぼえないよな・・・。」

「うぐっ。」

こればっかりは言い返せないミラでした♪



・・・♪・・・



「ウィル・パマニーVSニャルガ・ミュウ・ラビネス!始めっ!」

ピーーーーッ!!

ホイッスルが体育館に鳴り響く。


「よろしく〜。」

呑気に挨拶するニャルガ。


「容赦しませんよっ!いにしえより吹く風よ!わが意のままに舞え!〔ウィンドカッター〕!」

ウィルの手のひらから見えないやいばが放たれる。

「んー。でい。」

気のない声でニャルガは手を前に突き出す。

それだけで、刃が相殺された。

「なっ!?無音魔法っ!?」


無音魔法とは、魔法の使い方の種類で、

通常は詠唱魔法で普通に呪文を唱える方法。

次に短縮魔法。これは難易度が高くて、呪文の『かぎ』となる部分を唱える、という物だ。ただし、呪文を省略する代わりに威力が三分の一になってしまう。


そして最後に無音魔法。

これは短縮魔法より難しくて、何も唱えずに魔法を発動させるというものだ。

もともと魔法というのは、イメージで発動させるものだから、呪文は要らないのだが、それは理論上の話。本当にやるにはすごい精神力がいるのだ。

実際にそれができるものは、この学校には1,2人くらいしかいないだろう。



「風の魔法かぁ〜。えっと、苦手なのは、地だっけ?う〜ん・・・。じゃあ、えいっ!」


ニャルガは人差し指をウィルの立っている地面に向けた。

そのとたん、ウィルは、その場から動けなくなった。

「なっ!?この魔法は上級魔法のはずよっ!?」


ニャルガの使った魔法は、地の上級魔法の〔マッドハンド〕というもので、そのまんま訳して、泥の手。

ニャルガの位置からは見えないが、おそらくウィルは泥の手に足をつかまれているのだろう。


「え〜と、相手が気絶または戦闘不能になったら試合終了だっけ?どーしよっかなコレ。」



・・・♪・・・



「あーもう!!どうなってんのか分かんないじゃないっ!」

「うーん・・・。おそらく地系の魔法で足止めしてるんじゃないか?」

「・・・・なんで分かるのよ・・・。」

なんかジト目でユウキを見てきたミラ。

「(顔怖いって・・・。)なんかウィル、地面に固定されてるみたいだ、と思ったからな。」

「地面に固定って・・・。この体育館、石でできてんのよ?」

そう。この体育館は石でできている。それも、ここへんでしか取れないダイヤモンド並みに硬い石で。

「だからこそだ。この石は特殊で、地の性質を持ってるんだぜ?前授業でやったと思うけど?」

「え。う、嘘そんなの全然・・・ハッ!い、いや知、知ってたわよっ!?」

・・・。はぁ、ミラあの授業寝てたな・・・。


ちなみに地の性質とは・・・。

物にはすべて性質があって、それは精霊の属性と同じく7種類。その物は、その物の属性に反応するようになって、例えば火の性質の物を燃やしたりすると普通の何倍もの燃え上がり方をする、といった感じ。

だからニャルガは地の属性魔法を石に向かって簡単に使えた、というわけ。


だけど普通は、石を泥に変えたりすると魔力の使いすぎで倒れるけど・・・。




・・・♪・・・



「ねぇ。ウィルさん。」

「何よっ?ってゆうか何捕まえてる相手に悠長に話しかけてんのよっ!」

・・・うわぁ〜この人苦手なタイプだぁ・・・。

「棄権してもらえません?」


「――――はぁ!?」

呆れた声を出すウィル。

「戦闘不能にするのは簡単ですけど・・・めんどいし?」

あなたはやっぱりそれですか?

「あきらめないわよっ私は!パーティって結構重要だし、何より・・・」


――――――――かっこいいところ見せるチャンスじゃないっ!


「・・・・。(ハァ・・・。この人見栄っ張りなのかな・・・?)」

とりあえず、あきらめる気が無いことだけは分かった。

「そういうことなら、手加減しないよ?」

スッと手を上げる。

「な、何する気よ!?」

「何って・・・」


――――――――殺す気?


「おぉぉぉーーい!?殺すなよっ!?」

遠いところから、ユウキのツッコミが聞こえた気がしないでもないが、無視する。

「手加減しなかったら殺すって、どんな思考回路よっ!?」

今度は、目の前からのツッコミ。

「えぇ〜。だって生かして倒すってキツイんだよ?」

知らねぇよ!

「んじゃ〜〜・・・生き埋めは?」

どっちにしろ死ぬだろッ!?

とか、天の声が聞こえたような気がしたが、やっぱ無視。

「じゃ、窒息死。」

もう名前に「死」ついてるから!死んじゃってるからっ!?

「えぇ〜?他は焼死と溺死くらいしか知らないなぁ〜」

結局殺す気なのっ!?

「あ。あと、感電死があったな〜♪」

や、やりかねんよこの人・・・。電気とおってないこの場所で感電死くらいやりそうだよ・・・!


「・・・棄権します・・・うぅ・・・。」


無表情、もしくは楽しそうな顔で自分の死に方について語られたら誰でも棄権するだろう。


「むぅ。途中で意志を曲げるのはよくないぞ。」

やや残念そうな声でニャルガがそういったのは言うまでも無い。



ちなみにウィルは精神科に1ヶ月ほど通うことになったとさ♪


作:ども。銀風です。

ユウキ(以下ユ):俺はユウキだ。

作:フッ、ユウキ君。君の事はいろいろ聞いてるよ?

ユ:どんな風に?

作:男の癖にミラに頭が上がらないとか・・・。

ユ:オイオイオイッ!?誰だよそんな事言ってたの?

作:・・・異世界の友達?

ユ:誰だよっ!?そんな奴いんのかよ!

  ってかそれニャルガの言い訳じゃねぇか!!

作:むぅ・・・。60点。

ユ:何がだよ!

作:ん〜・・・ツッコミ?

  私から言わせてもらえばもう少し短く・・・

ユ:言わんでいいわ!

作:む・・・。次はもっといいツッコミを頼むぞ。

  唯一のツッコミ君。

ユ:はぁ・・・。ものすごく疲れそうな予感が・・・。

作:では、また次のお話で会いましょ〜〜♪

ユ:え!?終わり!?なんか俺作者にもいじられ・・・!?

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