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第1話 風邪・・・?

「ふぃ、ふぃ、ふぃくしゅん!!」

大きなくしゃみをしてるのは、中庭のベンチに座っている少女。

この少女の名前は、ニャルガ。

ニャルガ・ミュウ・ラビネス。

今年で13歳。

見た目には、8,9歳くらいにしか見えなくて、ニャルガの悩みのひとつだ。

髪の色は、「銀」色。自分の体の中で、唯一気に入っている場所といってもよかった。

瞳は、青と緑の色違い。半分しか開いていないけど・・・。


ニャルガの今いる場所は、レイニール学園という魔法学校。

ここの学園長は、トム・アルベルト。年齢不詳。昔、ものすごく強いドラゴンを封印したとかしてないとか。

この学園は、小等部から中等部、高等部まであって、一学年あがるには、毎回試験を受けなければならない。

そのため、何年も留学する生徒もいるわけで。

だから、クラスの年齢差がかなりあって、ひどい時には、老人と若者が一緒に授業、なんていうときもある。


この学園は、かなり人気があって、入るのは、かなり困難だ。


人気のある一番の理由は、やはりこの学園が、有名な魔法使いを育ててきている、というものだろう。




「はぅぅ〜〜〜〜〜。誰かウワサでもしてんのかなぁ・・・・。」

鼻をすすりながら、桜の花びらが振ってくる空を見上げた。

「もうこの学校に入学してから、3年、か・・・・。」

ニャルガは、春を教えてくれる桜の木を見て、そうつぶやいた。

『ちょっとニャルガ〜。今日、進学してから、初めての授業ですよぅ〜。早く行かないと、新学期早々、遅刻しちゃいますよっ!』

高い、女の子の声がした。


ニャルガの頭の中で。


『あぁ〜。そうだった〜。ありがとー、ミロ。』

その声に、頭の中で言葉を返す。

コレは、テレパシーという、魔法の一種。

『急いでくださいよぅ!遅れちゃいますよぅ!』

ニャルガの足元で、慌てているのは、真っ白なきつね

この狐が、ミロ。

ニャルガとテレパシーで会話していた狐。

だが、もちろん、ただの狐ではない。

『ハイハイ。・・・・・まったく、几帳面な妖精だな・・・・はぁ。』

後半はかなり小さな声で言ったのだが、テレパシーなので、ミロに聞こえた。

『ちょっと!なに言ってんですか!?ニャルガが私を呼び出したんでしょう!?』

ミロは、妖精なのだ。狐の姿は、妖精の姿でいると目立つから、ということで変身している。

妖精は、魔法を使えて、しゃべれたりする種類もいるので、使い魔として人気が高い。

そんな妖精は普段、妖精界にいて、魔法使いに呼び出されると、そこから出てくるのだ。


つまり、ニャルガがミロの主人なのだが、正直言って、2人は対等の立場といってもおかしくない。


『分かってるって・・・。ありゃ?教室ってどこだっけ?』

ベンチから立ち上がり、読んでいた本を、腰につけているウエストポーチにしまう。

『中等部の3−1!・・・・まったく、自分のクラスくらい覚えておいてよ・・・。』

見ての通り、ニャルガはかなりめんどくさがりのうえ、物事をすぐ忘れる。

だから、ミロはかなり大変な思いをしてきた。

『あはは〜。ごめんごめん。クラス発表の時、寝てた。』

『あっさりいうなぁ〜!・・・・・って、ニャルガそのまんまの格好で教室に行く気?』

ニャルガの今の格好は黒いローブに長ズボン、ブーツ、手袋。そして白いウエストポーチ。

『え?特に問題ないと思うけど・・・』

『そこじゃなくて、髪の色とか・・・。』

ミロに言われて、「あぁ」という顔になる。

髪の毛は銀色、そして色違いの目。はっきりいうと、

――――――――超目立つ。

『はぁ・・・。この髪の色、好きなのに・・・。』

ブツブツ文句を言いながらも、ウエストポーチの中から、銀色の指輪を取り出す。

真ん中に、赤い石が入っていて、すごい高そう。



この指輪は魔具。

魔具というのは、魔法がかかっているものや、魔法使いが作ったもの、そして魔法使いが使うものの事だ。

『まぁ、そーゆー事言わないで。』

ハァ、と溜息ためいきをつきながら、指輪を右手の中指にはめる。



その瞬間。



ニャルガの体が光り輝いた。


「銀」色の髪の毛が根元から黒色に変わり、後ろで、ちょこっとしか結べてなかった髪の毛が腰の辺りまで伸びていく。色違いの目が、深紅に変わってく。

そして、ニャルガの13歳の体が、17,18歳あたりの体格になっていく。


『ふぅ。このローブ、体に合う大きさになるようにつくっといて良かった〜』

その声は、さっきまでのニャルガの声ではなく、もっと、威厳のある、低めの声だった。

―――――――ニャルガのしゃべり方で台無しだが。


ニャルガの身に付けているローブも指輪と同じく魔具。

『うん。やっぱり、元の姿のほうが好きだけど、やっぱお母さんの姿もいいねぇ。』

あの魔具の指輪はニャルガのお母さんの物。

あの指輪をつけると、お母さんの姿になれるのだ。

(しかも、いつの歳にでもなれるから変装にもってこいなんだよね〜。)

っていうのがニャルガの言い分。

『はぁ〜。今年から、変装やめたらいいのに。別に、飛び級がいけないわけじゃないんでしょう?』

ニャルガは飛び級して、中等部に入っているのだ。

普通、ニャルガの歳だったら、小等部の3年くらいだ。

小等部は、7学年まであるから、6年ほど飛び級したことになる。

だから、クラスの人達と、かなりの年齢差がある。

『だって、目立つのヤダしぃ〜』

(いや、もうすでに目立ってるんだよ?ニャルガって、にぶいなぁ・・・。)

ミロの思っていることは正しい。

ニャルガは、大抵の授業は、ボーッとしてるし、本人は気づいていないかもしれないが、休み時間の時は全身から、「近づいて来るなオーラ」が出てる。

したがって、友達は一人もいない。

友達がいないのはいいとしても、授業中がやばい。

先生に、授業であてられると、教科書を丸暗記してるから、百発百中だし、実戦の魔法の授業でも軽々とやってのける。

裏でひそかに〔黒のロボット〕なんて呼ばれてたりする。

なんで黒なのかというと、ニャルガがこの姿の時、着ている服は100%といっていいほど黒色だからだ。

(まぁ、本人が気づいてないならいいんだけどね・・・。)

『さ〜て!ミロ、案内してよ。』

ニコッと、ニャルガは笑った。

『ハイハイ。こっちですよ。』


――――――――――まったく、ニャルガといると、気苦労するよ・・・・。



そして、ニャルガの、新しい学校生活が始まったのだ。


ども。銀風です。

2話書けてよかったです。

あと、読んでくれてる人、ありがとうございます!

未熟だと思いますが、よろしくお願いします!


誤字脱字あったら、教えてくださるとありがたいです。

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