親父が再婚したから俺はその連れ子と結婚した。
高校を無事卒業し、その卒業式も終わって大学が始まるまで暇な日が続くことになる春休みの始め。
家でソファで寝ころびながらのんびりしていると親父が帰ってきて、俺の目の前にドスンと胡坐をかいて座ったかと思うと真剣な表情で、実は再婚するんだと俺に報告してきた。
「えっ? 再婚? 親父が?」
「おう、とびっきりの美人だ。後子連れでな。たしか十六の女の子で、なかなかかわいかったぞ。よかったなあ隆、かわいい妹ができるんだぞ」
隆、それは俺の名前であるがそれは今どうでもいいことだ。
何の前触れもなく突然親父に再婚宣言された俺は、驚きで固まってしまった。
再婚……つまりどういうことだ?
親父が美人な女性(親父談)と結婚するということだ。
つまりその美人な女性(親父談)が俺の母親になるということだ。
それにより俺の日常に何か重大な変化があるだろうか?
……ないな。
そうだ。親父が再婚したところで俺の生活が崩れるわけじゃない。
ちょっとどぎまぎしてしまうかもしれないがそれだけだろう。
その美人の女性(親父談)と十六の女の子が一緒に生活することになってもうちの家計はなんら響くことは無い。
生活自体は中の上程度のものだがその気になれば今日からでも仕事を辞めて一生遊んで暮らしても十分に遺産が残るほどの額を親父は稼いでいる。
なんでも豪邸だとか豪勢な料理だとか趣味じゃないとかで豪勢な生活をしていないだけらしいが、俺もそんな生活はなんとなく嫌だと感じてたから不満はなかった。
だから一人二人家族が増えたところで少なくとも経済的には何も問題がない。
仮にだ。
仮にであるが、その再婚相手の家族と俺が相性が合わず仲良くなれなかったとして、それを見た親父が再婚相手を重視して俺を追い出したとする。
いや、この親父なら間違いなくそうなった場合俺を追い出すだろう。
だが、問題ない。
高校生になってからすぐにバイトを始め、そのお金をドブに捨てる気分でゴミ株に全て投資していった。
当時は特に欲しいものもなく、親父からお金を貰うのではなく自分の手でお金を稼ぎたくてバイトしていただけだったからだ。
二年かけて投資したそれは全部で250万円ほどだったが今から半年前にその会社が立て直したばかりか新しく売り出した商品が大ヒットして一気に盛り上がった。
テレビでも大きく取り上げられ多くの人の目に触れ、その盛り上がりは人々を動かすのに十分だった。
それにより平均一株100円で買った株式が一株4000円に化けた、つまりは40倍になったわけだ。
しかもまだまだ買い手は増えているようでその後も上がり続けていた。
まだまだ伸びそうではあったが嫌な予感がしたので俺は40倍になったところで売りにだした。
世間が盛り上がってる中の売りであったため即座にそれは買われたようで翌日無事、一株4000円で売れたことを知らせるメールがきてホッとした。
それからすぐに口座から金を降ろす手続きをして、降ろした後は4000万を親父の会社に投資し、残りの6000万の内5000万円を1000万に分けて5つの銀行に分けて預金しておいた。
そして残りの1000万円を俺は年越し超ジャイアント宝くじに全投入。
それがまさかの1等当選に加え前後賞も1つ当たって合計5億円手にすることになった。
それらもきっちり運用しているために追い出されたとしても何の不安もない。
ちなみにその株価が40倍以上まで跳ね上がった会社だが俺が売ってから一週間後には商品に重大な欠陥が見つかって大リコール祭りが開催され沈んでいった。
そこまで考えた俺は親父の再婚に文句を言ったり反対する必要性は全くないなと一人納得して我に返った。
長い間考え込んでいた気がしたが時計を見れば一分もたっていなかったのでそこまで変に思われてもいないはずだ。
それにしても親父の再婚話を聞いて真っ先に金の心配する俺ってどうなんだろうか。
まあ、それはいい。
まずは親父のことを祝福してやらねば!
「……親父、再婚おめでとう! ……でさその再婚相手の写真とかってないのか?」
「さすがは我が息子だ! 受け入れてくれると思ってたぞ! それでこれがお前の母となる人の写真だ」
豪快に笑いながらもそういった親父は懐から写真を取り出して俺に渡してきた。
その写真を見ればひとりの女性が噴水の前で笑っている写真だった。
おそらく撮ったのが親父でこの人がその再婚相手なのだろう。
黒い髪を腰まで伸ばしていておっとりとした印象を受ける目で優しく笑うその姿はまるで聖母のようだ。
スタイルも細すぎず太すぎずといった具合で全体的には巨乳のお姉さんといったところだろうか。
なんとなく見覚えがあるきがするがそれよりも気になることがある。
「……なあ親父、この人……いくつ?」
「36らしいぞ」
「36!? まじかよ……20代、それこそ大学生って言われても信じられるぞ」
「俺も聞いたときはびっくりしたが惚れちまったもんはしょうがねえからな! で、どうだ感想は?」
「……グッジョブ」
「やらんぞ」
「そういうつもりはないから安心してくれ」
こんな美人な女性と一緒に暮らせるというのだから多少恥ずかしいかもしれないがそれを嫌という男はいないだろう。
それにこれだけ美人な女性の子供ならやはり相当にかわいい子に違いない。
そんなかわいい子が俺の妹に……妹……?
「まって。たしか女の子がいてそれが16歳だっけ?」
「ああ。母親に似てかわいい子がいるから安心していいぞ」
思春期真っ盛りの16歳。
俺の二つ下の母親似のかわいい女の子。つまりは美少女。
母親の意思を汲んで再婚することを容認してもやっぱり見知らぬ男と一つ屋根の下で暮らすことになるのはやはりストレスになり、突然できた兄にどうしていいかわからず「あんたなんて兄じゃない! 大っ嫌い」なんて言われて……。
「うわあ……」
「どうした?」
「いや、美少女に拒絶されて嫌われる想像したらちょっと……」
「お前な……」
親父は呆れているが俺にとっては大問題だ。
ぶっちゃけたところ相手がブスならばどうでもいい。
だが美少女に嫌われるというのはなかなか耐え難い苦痛である。
「まあ、多分そういうことにはならんから安心しろ」
「安心しろっていわれても……」
「うだうだ言うな。あ、それと一週間後に顔合わせするからな」
一週間後って結構急だよなあ。
まあ、この親父だから仕方ない。
「分かったよ……それまでに心落ち着けておくわ」
そして一週間後。
俺は親父と一緒に静かで雰囲気のいい喫茶店に来ていた。
ここで親父の再婚相手とその子供との待ち合わせとなっている。
「あー早くこないかなあ。どんな子だろうなあ」
「お前、一週間前とは別人になったな」
一週間のうちに俺は気持ちを落ち着かせ、最終的に秘儀、「開き直り」を発動した。
結果、俺は妹になる美少女らしい子に会うのが楽しみになっていた。
結局その子――春香という名前らしいその子の写真は無く、今日初めてその顔を見られるのだ。
もはや俺の中で春香ちゃんは美少女で固定されておりそんな美少女と出会えるこの日を待ち望んでいた。
秘儀を発動した俺に死角はなく、仮に不満な顔で見られたり明確に拒絶されたとしても俺は動じない。
その時は新たな扉を開けばいいだけのことだ。
そんなアホみたいな覚悟をしていると喫茶店の入り口の扉が開き、二人の人物が入ってきた。
一人はおっとりとした印象のお姉さんで、親父に見せてもらった写真の人だった。
その人が入ってきた時に隣で親父が背筋を伸ばしていたのでやはり間違いないだろう。
ということは一緒に入ってきた女の子が俺の中で話題になっている春香ちゃんのはずだ。
親父の再婚相手である女性――たしか名前は聖子さんだ――は親父を確認すると途端に笑顔になって手を振り、こちらに歩いてきた。
その後ろを春香ちゃんと思わしき人影が、ついてくるが聖子さんの後ろに隠れて見えない。
やがて俺たちが座ってる傍までくるとようやく春香ちゃんの姿を拝むことができた。
「すいません。お待たせしました」
「いやいや、時間ぴったりですよ」
親父と聖子さんが横で何か言っているがそれは俺の耳にほとんど入ってこなかった。
なぜなら俺は春香ちゃんに見惚れていたからだ。
母親と同じ黒い髪をセミロングに切っていて目はぱっちりとして母親よりも強い意志を感じさせる。
ほっぺもぷっくらとして柔らかそうで少し小さい口がとてもかわいらしい。
身長は俺の肩を少し越すぐらいだろうか。
黒と白を基調にしたコーディネートで下は短いスカートでちらりと見える太ももの肌色が何とも眩しい。
手足はすらっとしていて肌もとてもきれいで胸も16歳にしては大きい方だ。
それだけ見ていれば相手も視線に気付くだろう。
事実春香ちゃんは俺と目が合って少し驚いたようだったがすぐに表情を変えた。
どこか嬉しそうなものに。
とりあえず第一印象で嫌われることはなかったらしいとホッとしつつも俺は取りあえず挨拶をしなければと思い当り立ち上がって口を開く。
「俺と結婚していただけませんか?」
俺は真剣な表情で本気の思いを目にこめて春香ちゃんの目を見つめながらそういった。
世界が止まった気がした。
気がしただけで喫茶店の店員は各々の仕事をしているし他のお客さんも思い思いに寛いでいる。
止まっているのはこの喫茶店の中のこの空間だけだ。
親父も、聖子さんもそして春香ちゃんも驚愕の表情で俺を見ている。
俺は何を言った……?
挨拶をしなければと思って口からでた言葉はなんだったっけ?
何やら告白したような気がする。
気がすると言うか……。
「ふ……」
そんな中いち早く時を動かしたのは春香ちゃんだった。
小さく震えながら顔を赤くしている。
ふ?
ふざけるな! とかだろうか。
そう、だよな……。
やっちまったもんな、俺。
初対面でまず最初の言葉がプロポーズなんてな……。
顔にこそ出さなかったが俺は胸中そんなことを考えて一人落ち込んでいた。
「不束者ですが……」
「「えっ!?」」
その言葉に親父も聖子さんも再起動して春香ちゃんを凝視する。
俺はしばらく春香ちゃんを見ながら何も言えずにいた。
だって、耳に入ってきた言葉の意味がよく分からなかったら。
でもすぐに理解しはじめ頭が回ってくるとふつふつと喜びが湧き上がってきた。
「ほ、本当によろしいのでしょうか?」
「は、はい。ずっと……タカくんのこと好きだったから……」
沸き上がる喜びを抑え、確認してみれば間違いないらしい。
「ぜ……絶対に幸せにしてみせます! って……あれ、タカくん?」
今度は湧き上がる喜びのまま強く宣言してふと気付いた。
アホやってプロポーズしてなぜか成功したのはいいが春香ちゃんの言葉に俺は疑問符を頭に浮かべる。
タカくん?
ずっと好きだった?
「あれ……会ったことあるっけ?」
「ええと……その……十年前に」
十年前?
俺が8歳のころで春香ちゃんは6歳のころか。
えーっと確かちょうどそのころ俺は事故にあったんだっけか。
今じゃ記憶もだいぶ薄れてるけどとにかくめっちゃ痛かった覚えがある。
そういえばあの時、誰かを守っていたような――
「――あっ! ハル!」
「っ! うん、そうだよ!」
俺の言葉に嬉しそうに満面の笑みを浮かべて頷く春香に完全に思い出した。
小さい頃、よく遊んでいたのが春香であり、春香が車に轢かれそうになったのを庇って事故にあったのだ。
あの時は考えるよりも体が動いて気づいたときには空を見上げて体中が痛かった。
その時に涙を流して俺の手を握って呼びかけていた春香に俺は強がって泣くのを我慢してたっけ。
それからすぐに病院に運ばれて無事に終わったけど俺が入院中に春香が引っ越すことになったんだ。
それを伝えに来た春香はわんわん泣いてたな。
「そっか……ごめん。俺、今の今まで忘れてたよ」
「ううん、いいの。思い出してくれたならそれでいいんだ」
忘れてたことに対して文句を言うことなく春香は笑ってそう返してくれた。
お互いよくわからない気恥ずかしさで笑いつつも見つめ合う。
やがて互いの目に熱が宿り自然と体が近づいていく。
やがて春香の顔がすぐそこまで近づく――といったところで待ったの声がかかる。
「ストーップ!」
「春香も一旦落ち着きなさいよ」
互いの親にその体を取り押さえられて無理やり座らされてしまう。
その感覚に傍に親父や聖子さんがいたことを思い出した。
それは春香も同じだったようで顔を真っ赤にして縮こまっていた。
「かわいい」
「っ……」
その様子に思わず言葉を漏らしたらますます縮こまってしまって小動物を彷彿させる。
そんな春香を見てニヤニヤと頬が緩みそうになるところを親父の平手打ちによって防がれた。
「ったく、話がちっとも進まねえだろうが」
「宗司さんのお子さんも変わった子ですねえ。まあ、うちの春香も大概ですが」
親父は呆れたように、聖子さんは困ったようにそれぞれ言葉を零した。
それから親父が一つゴホンと咳払いをするとぽつぽつと今日ここに集まった本題について話し始める。
「あーなんかもう色々と持ってかれてしまったが俺と聖子さんは数か月前から交際しててな。ついに再婚しようってことになった。それでこれはその顔合わせってことなんだそのことについて何か言いたいことはあるだろうか?」
「いや、親父も一人で俺を育ててくれたわけだし再婚することに異論はないよ。綺麗なお母さんができることは嫌じゃないし」
「わ、私もお母さんが頑張ってることを知ってるから。そんなお母さんが好きになったのなら文句ないよ」
親父の言葉に俺は思ったままの言葉を言った。
春香も同じく親の再婚に異論はないらしかった。
「そういってくれるとうれしいわね」
「ああ、本当にな。やっぱり子供に否定されるんじゃないかと不安だったからなあ……と本当ならこれであとは軽く話して取りあえず終わりになるはずだったんだが……」
「まさかこんな展開になるだなんて思っても見なかったわねえ」
俺たちの言葉自体は嬉しいものだったらしく二人の表情もかなり柔らかくなったがそれもつかの間のこと。
親父は再び呆れたような視線で、聖子さんはもう何か楽しそうに笑ってそれぞれ俺と春香を見ていた。
「それで、俺と春香で結婚する許可を頂きたいのですがその辺いかがでしょうか?」
そんな様子をものともせずに俺は当然の要求をする。
「はあー……お前この空気でよくそれ言ったな」
「若いっていいですねえ」
思いっきりため息を吐いた親父は疲れたように、聖子さんはますます楽しそうな様子でそれぞれ反応する。
一方俺の発言に一瞬驚いてこちらを見ていた春香も思いは同じようで親父達の顔を真剣な表情で伺っていた。
「私は別にいいんじゃないかなあと思いますよ? 宗司さん」
「まあお前たちの人生はお前たちのものだからな。俺も反対しないがよ……もっとタイミングを考えろよ……なんでよりにもよって俺らの再婚に関する報告の時にプロポーズしてそれを即答で受けてんだよ」
どうやら親父も聖子さんも反対することは無く認めてくれるようだ。
とはいえ親父はどっと疲れたように椅子にもたれて天を仰いでいた。
「ドンマイ」
「げ、元気出してくださいお義父さん」
「お前らな……くそっこうなりゃもうヤケだ。 聖子さんちょっと耳を……」
「……なるほどなるほど。それもいいですねえ。面白そうです」
適当に親父を励まし、なぜかそれに春香も乗ってきて親父はぎろりと睨んできた。
それからすぐに何か悪戯を思いついたようにニヤリと笑って聖子さんと内緒話を始めた。
なにやら聖子さんも乗り気な様子だがその内容が分からないため少し怖く感じた。
五月一日。
世間一般にはゴールデンウィークと呼ばれる期間であり、学生のほとんどが休日であろう日だ。
それは俺も例外ではなく大学は全ての授業がない完全休校だったのだが俺は家でのんびりするわけでもなくやたらとでかい結婚式場へ来ていた。
会場にはおそらく親父の会社の関係者など多くのお偉いさん方が来ている事だろう。
俺の友達なんかは周囲の面々に自分が場違いではないのかと縮こまっていると思われるがドンマイとしか言えない。
会場の様子など別室待機の俺には窺い知ることもできないのでどうしようもないのだ。
「隆様、まもなくでございます」
そして及びの声がかかった。
その声に俺は椅子から立ち上がり最後に服装に乱れがないかを確認して案内の人の後ろについていった。
そして大きな扉の前で立ち止まる。
それと同時に式の開始を告げる声が聞こえ、すぐに「新郎の入場です」という声がした。
案内してくれた人が扉を開いてくれて俺はその扉の向こうへと歩き出す。
正面、俺が入った扉とは反対側の扉からはタキシード姿の親父が同じように歩いてくるのが分かった。
俺と親父はそれぞれ正面の左右から入る形で会場に入場し、親父は左側、俺は右側へ、それぞれ舞台の上に立ち、招待された客に向き直り一礼する。
会場の人はいったいどういうことなのかとどよめくがその気持ちはよくわかる。
なぜ新郎の入場で二人出てくるのかわけがわからないだろう。
俺の友達は片隅で縮こまりながらも何してんだあいつといったような表情を向けてきている。
「続いて後ろの扉から新婦の入場です」
司会がそう言うと後ろの扉が開き、ウェディングドレスを着た二人の女性が現れた。
二人はゆっくりとレッドカーペットの上を歩き、舞台へと近づいてくる。
やがて舞台に上がりきると二人は左右に分かれそれぞれ親父と俺の隣にやってきた。
ここまでくれば分かるだろうがこれが親父と聖子さんが企んだことだ。
つまり前代未聞のW結婚式である。
しかも当事者であるはずの俺たちは当日まで知らされなかった。
突然婚姻届を渡され記入させられたかと思えば会場まで拉致されてこの現状である。
どうやって突き止めたか俺の友達を全員招待していたりと用意周到だ。
その友達はようやく俺が舞台の上にいる意味が分かったようで口を大きく開けて固まっていた。
そんなことをつらつらと考えている間に司祭のありがたい言葉が終わっていて、永遠の愛を誓いますか?と尋ねられた。
俺も春香も迷いなくはいと答え、それでは誓いのキスをなどと言われる前にどちらからともなく顔を近づけて熱いキスを交わした。
それは親父たちも同じだったようで司会の人が数秒固まってしまっていた。
司会は固まったが会場の客はそれに大喜びらしく歓声が広がった。
そこからはもう無礼講である。
親父が堅苦しいの嫌ったからで会場内は飲んで食っての大騒ぎになった。
喧騒から巻き込まれないように新郎新婦の席で二人でのんびり座りつつやってくるお偉いさん方の挨拶を適当に受けながらも楽しんだ。
友達からも散々弄られたが変に照れる様子を見せずにべたべたといちゃつく様子を見せてやったら何かを吐きそうな顔をして退散していった。
中には殺意を抱いていた奴もいた気がするが気にしないことにする。
「春香……俺絶対君を幸せにするよ」
「タカくん、もう私幸せだよ」
もう何度言ったか分からない言葉を春香に伝え、俺たちはもう一度キスをした。