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管理人なった理由と挑戦者

お待たせしました。

「え~と、買い残しはないな」

 俺は買い物レシピを確認しながらスーパーを出た。

「あ、大河さん」

「ん?」

 俺は声をかけられた方を見ると音葉が制服姿で紙袋を持ちながら俺に近づいてきた。

 どうやら、音葉は学校帰りのようだ。

「よお、今、帰りか」

「ええ、本屋に立ち寄って少し読書していました。それで、ついでに本を何冊か買ってきました」

 なるほど、あの紙袋の中身は本か。

「大河さんも、今帰りですか?」

「ああ、そうだ。晩飯の食材が無くなりそうだったからな。ついでだし、一緒に帰るか」

「はい。そうしましょう」

 こうして、俺と音葉は一緒に歩き出した。

「ねえ、大河さん」

「ん?」

 しばらく、黙って歩いていると音葉が話しかけてきた。

「少し聞いてもいいですか?」

「ああ、いいよ」

「なんで、大河さんは管理人をやっているんですか?」

「俺が管理にをやっている理由?」

「はい」

「んー、と確か」

 回想中

「大河、お前も明日で中学を卒業だよな」

 俺が技の型の確認をしていたら、親父が話しかけてきた。

「ん、そうだけど?それがどうしたんだ」

「実はな母さんの会社の関係で父さんと母さん海外に行くことになったんだ」

「はい?」

 今、なんつった。

「ということなので、お前を明日からこの琥牙寮の管理人に任命する。異論は認めない」

「ふざけんな!!」

 俺はそう言って親父に殴りかかった。

「親に勝てると思うのか?」

 そしたら、親父は簡単にそれを避け、カウンターとばかりに殴りかかってきた。

「当たるかっ!!」

 俺は体を捻り、親父の顔面に蹴りを放つ。

「甘いな」

 しかし、親父はそれをさっきの拳で受け止めた。

 俺達はそれから、母親に止められるまで殴り合いを始めた。

 回想終了

「ということがあって、俺が今、琥牙寮の管理人をしている」

 くそ、あのクソ親父。今にして思えばムカつくな。

「お気の毒ですね」

 音葉は苦笑いをしていた。

「なあ、君達。翡翠学園の生徒さんかい?」

「は、はいそうですけど。私達に何かようですか?」

 俺達が話しながら歩いていると公園に差し掛かった。

 そうしたら、胴着を着た男が内の高校の女子生徒に話しかけていた。

 いかにも、怪しそうな奴らだな。そのせいか、少し女子生徒が怖がっているようだ。

「大河さん。あれ」

「ああ、わかっている。少し、様子見だな」

 俺はとりあえず、音葉を止めて、様子を見ることにした。

「いや、君たちに用はない。ただ、ある人物のことを教えてほしいんだ」

「それって翡翠学園の人なんですか?」

「ああ、そうだ。名前は琥牙大河という」

「え、大河さんですか?」

「おお、知っているか」

「はい。琥牙大河さんですよね。私、この前、不良に絡まれていた所を助けてもらったんです」

「そんなことをしたんですか?」

 音葉が驚きながら聞いてきた。

「ん?ああ、この前、帰っている時になんだか絡まれていた生徒がいたから助けてやった」

「大河さんって、結構、お人好しですよね」

「お人好しいうなよ」

 俺達はそんな会話をしながら、視線を戻した。

「それで、なんでおじさんは大河さんを探しているんですか?」

「ん、実はな今日、俺は聖純煉磨に挑戦しに言ったんだ。そしたら、琥牙大河に勝ってきたら相手をしてもいいと言われてな」

 じいさん。勝手に人の名前を出さないでくれよ。

「どうするんですか?」

 音葉これからの行動について聞いてきた。

「どうするもこうするも、俺は夕食の準備をしないといけないからそんな暇はないぞ。音葉、お前がやってみるか?」

「いいんですか?あの人は大河さんに用事があるみたいですけど」

「いいよ。俺は興味ないし」

 今の俺は夕食の準備の方が大切だ。

「わかりました。それじゃあ、後は私がやっておきます」

「わかった。それじゃあ、お前の荷物は俺が持って帰るから」

「あ、ありがとうございます」

 俺は音葉から荷物を受け取った。

「それじゃあ頼むよ」

 俺はそう言って音葉と別れ先に琥牙寮に帰った。

「はい頼まれました」

 そして、音葉も公園の中に入って行った。



「それじゃあ、琥牙大河のいそうなところを教えて貰おうか」

「いいですけど」

「その必要はありません」

 私はそこで声をかけた。

「あ、宇羅夜さん」

 どうやら、話を聞かれていた人は私のクラスメイトだったみたいです。

「こんにちは」

 私は愛想よく挨拶をした。

「後は私が引き受けるので、田中さんは帰っても構いませんよ」

「あ、そう。それじゃあ、後は任せるね。また明日」

「はい。また明日です」

 女子生徒は私に挨拶してそのまま帰ってしまった。

「それで。誰だ、お前は?」

 おじさんは私を睨みつけながら聞いてきた。

「私は宇羅夜音葉と申します」

「ふむ、その宇羅夜殿が俺に何の用だ?」

「話はすべて聞かせて貰いました。ようするに、あなたは大河さんを探しているんですよね」

「そうだ、あんたは知っているのか?」

「はい。知っています」

「そうか、なら」

「でも、あなたを相手にするほど大河さんは暇ではありません」

「なんだと!!」

 おじさんは怒りをあらわにした。

「その代わりと言ってはなんですか。私がお相手いたします。私が勝ったらそのままお引き取り願います」

「俺が勝ったらどうするんだ?」

「もちろん、大河さんの所に案内いたします」

「よかろう、なら、早速だ!」

 おじさんは私に向けていきなり拳を放ってきた。

「短気な人ですね。これじゃあ、大河さんに挑むどころか私にも勝てませんよ?」

「なっ」

 私がいつのまにかおじさんの背後にいることにおじさんは驚いていた。

「くっ、ぬりゃあ」

 おじさんは振り向き、また殴りかかってくる。

「それに、大振りですから簡単に避けやすい」

 私は少しだけ、体を傾けさせそれを避けた。

「まず一発です」

 私は相手の懐に拳を入れた。

「ぐおおおお」

 おじさんは痛みのあまりに膝をついた。

「どうします?まだ、やりますか?私的にはこれで負けを認めてくれると嬉しいんですけど」

「ふざけるな。俺はまだ戦える」

 おじさんは腹を押さえながら立ち上がる。

「そうですか。それでは次で終わらせましょう」

「やれるもんならやってみろ」

 おじさんはそう言ってまた殴りかかって来た。

「芸がない人ですね」

 私はそう言って、また、おじさんの背後に回った。

「くそっ」

 おじさんはそう言って振り向こうとした。

 普通、そこは距離をとる所何ですけどね。

「宇羅夜流針術 一の型 縛」

 その瞬間、私は隠し持っていた針をだし、おじさんのあるツボをついた。

「な・・・・に・・・・」

 その瞬間、おじさんは動けなくなってしまった。

「これで、私の勝ちですね」

 私は制服の埃を落としながら言った。

「俺に何をした?」

「針でツボをつかせてもらいました。約三時間は動けないでしょうけど。命には影響がないので、そこはご了承ください。それでは私はこれで失礼いたします」

 私はそう言って歩き出した。

 寮に戻った頃には丁度、夕飯もできたみたいで、私はそれを大河さん達と一緒に頂きました。あと、大河さんからお礼だというばかりに少し、多めにおかずを盛ってもらったことはみんなには秘密です。


 大河さんが管理人なった理由を聞けて良かったです by 音葉


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