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バトルロワイアルな棒倒し?

すみません。更新が遅くなりました。

 さて、午後の部は棒倒しからだ。

 翡翠学園の棒倒しは少し変わっていて、棒から相手を落とすなら何をしてもいいと言われている。何もしてもいいとは、道具を使ったり、相手を買収したり、徹底的に相手を叩きのめしたり、はたまた色気を使ってもいい。

 だから、これに参加する生徒は競技終了後大抵、保健室に行っている。でも、何故、この競技が危険視されないのかというと

「さて、今年もやってきました。翡翠学園、棒倒し。さて、今年はMVPに選べれるのでしょうか期待があります。なお、今年の商品はこちら温泉一泊旅行だ!しかもペアチケット。MVPの人は友達と一緒に行ってもいいし、意中の人と行ってもよろしい、また、恋人と一緒に行って熱い夜を体験してもいいですよ。さあ、みんな、このチケットの為に頑張ろう!」

「おおおおおっ!!」

 うわー、みんなしてやる気まんまんだ。しかし、高校生が熱い夜とか言ってもいいのか?

「さて、そろそろ始めたいと思います。皆さんは位置についてください」

 アナウンサーの指示で俺はスタート位置に着いた。

「大河!!私を落とすんじゃないぞ」

 棒の上から揚羽が叫んできたが無視をしよう。

「それではレディーゴー!!」

 そして、競技がスタートした。

「あ、言い忘れましたけど。もし、琥牙選手を倒した人は確実にMVPになれるので頑張ってください」

「なんだよそれ?いつ、そんなルールができた?」

「揚羽選手が許可してくれたのでやりました」

「姉さん!」

 また勝手に。

「いや、だってお前を倒せたら私にもいい相手が見つかると思ってな」

 思ってなじゃないよ。

「大河を撃ちとれええええええ!!!!」

 そしたら、大半の生徒達が俺を襲ってきた。

「やっぱりこうなるんだなっ!」

 俺はとりあえずこの場から逃げだした。

何故、この場から逃げだしたのかというと同じ組の奴らも襲ってきたのである。

「おーと、琥牙選手。四面楚歌になってしまいました。これだと、簡単に倒されてしまうかもしれません」

 アナウンサーが面白がって俺のことを中継している。

「面倒だ。一気にやってしまおう」

 俺はそう思い、一気に突っ込んだ。

 まず、手始めに近くにいた選手を殴り、後ろから襲ってきた奴を蹴り飛ばし、一斉にかかってきた奴らは近くに居た奴を盾代わり使い防いだりして戦った。それを五分ぐらいやると選手の半分はいなくなった。

「さて、人数も片付けたし棒倒しの連中でもやろうかな?」

「その前に私と戦ってもらう」

 そしたら、目の前に木刀を持った渚が現れた。

「おいおい、渚。俺とお前は同じ組なんだから戦って意味がないだろう」

「いや、こうゆう時じゃないとお前は私と戦ってくれないだろう!」

 まあ、確かに、。

「だから、いざ、勝負」

「パス1」

 渚が木刀を構えた瞬間、俺は逃げた。

「おい、こら待て」

「誰が待つか」

 後ろから渚の声が聞こえてきたが、俺は無視しそのまま敵の棒の所まで向かった。途中、俺を狙って襲ってきた生徒達がいたが、戦闘不能にしておいた。

「まず、一つ」

 そう言って、俺は棒に蹴りを入れて叩き折った。

「うわあああああ」

 そしたら、棒に乗っていた生徒が地面に落ちた。

「おおっと、黄組の大将が棒から落ちてしまったぞ。これで、黄組は全員失格になります。あとに残った赤、白、青の人達は頑張ってください」

「さて、次はどこを狙おうかな?」

 俺は赤組なので残りは白と青だけだ。

「大河あああああああ!!!!」

「おっと」

 渚が鬼の形相で俺に向かって木刀を降ろしてきたが、俺はそれをかわした。

「よくも私を無視したな」

「無視していないだろう。パス1っていったし」

「うるさい。いいから、私と戦えっ!」

 渚はそう言って、木刀を振って俺を襲ってきた。

「だから、パスだって」

「そうわさせるかっ!鈴っ!」

「あいさー!」

 俺はその場から逃げようとしたら、突然、鈴が俺の前に割り込んで来た。

「鈴。お前もか!!」

「もちろん。大ちゃんと戦える機会ってそうそうないし、あたしがどれくらい強くなったか知れるいい機会だもん」

 そう言って鈴はトンファーを構える。

 ちっ、鈴も本気か。こうなりゃ、もう自棄だ。

 俺は構えた。

「おう、とうとう、やる気になったか」

「大ちゃん、覚悟」

 そして、2人も武器を構えた。

「いつでも来い」

「なら、早速いかせてもらう。祈植流奥義 岩石砕き(がんせきくだき)」

 渚は俺に向け、気を纏った木刀を一直線に振り下ろした。

 これは素手で受け止めちゃ駄目だっ!

 俺は一瞬でそう理解し、木刀を避けた。その瞬間、さっき俺がいた地点が陥没した。

 おいおい、これ喰らったら、骨一本どころじゃないぞ。

「大ちゃん、よそ見しない!聖純流奥義 炎両翼えんりょうよく!」

 そして、俺が避けたのを見計らって今度は鈴がトンファーを交互に振りながら技を放ってくる。

「ちっ、琥牙流奥義 風車」

 俺は迫ってきた片方のトンファーを足で払いのけ、その勢いを利用して鈴の腹にを蹴り飛ばした。

「ぐっ」

「ごほっ」

 しかし、もう片方のトンファーがそのまま俺の腹に入った。

 ちっ、鈴のやつスピードが上がってきてる。これは、もう少し本気をださないとやばいかな?

「えへへ、大ちゃんに一発入れた」

 鈴はお腹を手で押さえながら、嬉しそうに立ち上がった。

 やっぱり、一発入れられたおかげで風車の勢いが無くなって、一発KOは無理だったか

「ふむ、鈴に負けていられないな。今度は私が大河に一発入れないとな」

 そう言って、渚が木刀を構えながら距離を縮めてきた。

「やれるもんなら、やってみろ」

 俺はそのまま渚を返り討ちにしようと構えた。

「琥牙流奥義 地爆じばく

「祈植流奥義 三羽烏さんばがらす

 俺は渚の地面を思いっきり蹴りあげようとした。

「あまいな」

 しかし、そこには渚はいなかった。

 どこに行きやがった?

 俺はすぐに気配を探った。

「後ろっ!」

 俺は後ろに向けて蹴りを放つ。

「があっ」

 そして、その蹴りは後ろで木刀を俺に向けて振りおろそうとした渚に当たった。

「なっ」

 俺は驚いた。蹴りが当たったと思ったらそこには渚がいなかったから。

「もらった!祈植流奥義 啄木鳥きつつき

 そして、いつの間にか俺の懐に入った渚は俺に向けて木刀を突いた。

 当然のごとく、俺はそれを避けることができずに胸を思いっきり突かれてしまった。そして、そのまま後ろに吹っ飛び、別の組の棒に当たってしまった。

「よっしゃあ!」

 渚はガッツポーズをする。

「やったね。渚」

「ああ、鈴もやっと大河に一発を入れたな」

「うん。修行の成果がでたよ」

 2人してとても大喜びだった。それを見た会場にいる人達もなんだか嬉しそうに微笑む。しかし、その中で一人だけ喜ばない奴が一人いた。もちろん、それは俺のことだ。

「姉さん」

 俺は棒の上で座って静観していた揚羽を呼ぶ。

「ん?」

「重りを外してもいい?」

「ほう~、お前が自ら重りを外そうとするとは、あの2人そこまで成長したのか。喜ばしいことだな」

「だね。で、いい?」

「好きにしろ」

「わかった」

 俺はゆっくり立ち上がり、両手両足の重りを外した。

「ふむ」

 久々に自ら外したな。まあ、あの2人がここまで成長したのは喜ばしいことだよな。でも、これで。

 俺は俺の横に立っている棒に向けて、裏拳をかました。その瞬間、棒が真っ二つに折れ倒れてしまった。

「少しばかり手加減しなくてすむな」

 俺の前には今の棒が折れるのを見て、武器を構え直した鈴と渚がいる。

 2人はそれぞれ真剣な表情になった。

 どうやら、俺の雰囲気が変わったのを感じたらしい。

「タイムアップまであと五分です。みなさん頑張りましょう」

 アナウンサーからその声が聞こえてくる。

 五分。

「じゃあ、その時間内で楽しみますか」

 そして、俺は2人に突っ込んだ。


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