子供の世話は大変だ 前編
更新遅れて本当に申し訳ありません
「えっと、姉さん」
「ん?なんだ弟よ?」
「これはどういうことかな?」
俺は何故か朝早く揚羽に連れだされ幼稚園にやってきた。そして眼の前には子供たちが走り回っている。
「どうもこうも、子供たちと遊んでくれ」
「何故?」
「いや、実はなここの幼稚園は今日開業した所なんだよ」
「うん」
「でもな、何かの手違いがあったみたいでここを担当する先生たちは後一週間はしないとこないらしい。んで、困った園長は爺に相談したら、その時、たまたま暇にしていた私が駆り出されたんだ」
「じゃあ、姉さんがこの子達の相手をすればいいでしょ」
俺はそういうと、揚羽が俺の肩に手を置いた。
「大河、実はな私は子供がすごく苦手なんだ」
揚羽は真剣な表情で言ってくる。
「うん」
「だから、後は任せた」
そしてさっさと逃げ出した。
「ふ、ふざけんな!!」
そして、俺はその後ろ姿をみながら叫んだ。
「くそー、こうなったらあいつらも巻き込んでやる」
俺は携帯を取り出し、いつものメンバーに電話した。そして、その後、しっかり聖純院にも電話をしといた。
「そんじゃあ、とりあえず役割分担するぞ。鈴と優燈、渚は子供たちの世話を頼む」
「うむ」
「わかった」
「イエッサー」
「龍と剛、透は主に雑用」
「へいへい」
「あいよ」
「うん」
「音葉は俺と一緒に昼飯を作ること」
「わかりました」
俺はいつものメンバーを呼び、訳を離し、役割分担をした。
「異議あり」
優燈が手を上げながら言ってきた。
「とりあえず聞こう」
だいたい予想つくけどな。
「なんで、大河と音葉が2人っきりで料理担当なの?」
「適任適所だからだよ」
「なら、私も」
「そうしたら、渚と鈴の方が人数不足になるだろ」
「なら、音葉を子供の方にすれば万事解決」
「お前が作る料理はすべて爆発するだろ」
「うっ!」
優燈は俺の一言で精神的にダメージを受けた。
「ほら、子供たちが待っている。みんな早速動いてくれ」
俺の指示で全員、行動し始めた。
~俺と音葉の場合~
キッチンで俺と音葉は今日の昼の献立を決めていた。
「無難にカレーにするか」
「カレーですか?」
「ああ、簡単だし子供たちにも人気だからな」
「そうですね。味付けは甘口にすればいいですしね」
「じゃあ、カレーにするか」
「はい」
俺と音葉は早速カレーを作り始めた。
まず最初に、野菜を洗い皮むきをして食べやすい大きさに切らないとな。
「大河さん。人数も多いですし、あれでやっちゃいましょう」
「ああ、あれか」
まあ、簡単だし。いっか。
「それじゃあ、やるぞ」
「はい」
音葉はどこからかクナイをだし構えた。その足にはゴミ袋が入った段ボールが一つに大きいざるが三つ並んでいた。
そして俺の前には今から洗う野菜がたくさん水に浸かっていった。
「よーいどん」
俺は開始の合図と共に野菜を洗い始めた。そして、洗い終わった野菜を音葉に投げる。
「はっ」
音葉は投げられてきた野菜を、クナイを使い眼に見えぬ速さで皮剥きし一口サイズに切りざるに落としていく。しかも、きちんと人参、ジャガイモ、玉ねぎとざるに分けて言っている。
「ほっ、ほれ、ほい」
俺は洗い終わった野菜を次々に音葉に投げていく。
「はっ、ほっ、よっ」
音葉は焦らないで全部切って行く。
かなりのコンビネーションだ。
こうして、俺達は野菜を切り終わり次の調理に移った。
~鈴と渚と優燈の場合~
「~♪」
部屋にメロディーが流れる。音の出所はオルガンからで弾いているのは渚だった。
「ふう、どうだ?いい曲だろ」
「お姉ちゃんすごいー!!」
渚が弾き終わると子供たちがオルガンの周りに集まった。
「ふふふ、そうだろ」
渚は子供相手に胸を張っていた。
「渚にこんな特技が合ったなんて驚きだ」
優燈は子供達と折り紙を折りながら驚いていた。
「ふふふ、他にも水泳、バイオリン、トランペットなどができるぞ」
「あっそ。はい。鶴ができたよ」
優燈は興味なさそうにいい、折り終わった鶴を子供に渡した。
「ありがとう」
子供は嬉しそうにそれを受け取った。
「く、こいつ」
「お姉ちゃん、『ドングリころころ』を弾いて」
「え~、『シャボン玉』いい」
「ああ、わかった。順番に弾いていくからな」
渚は少々優燈にイラつきを感じたものの子供たちが次々とリクエストしてきため、優燈に後で覚えていろと思いながらオルガンを弾き始めた。
「ところで、優燈」
「ん?」
「鈴はどこにいるんだ?」
「鈴ならグランドにいるよ」
「どれどれ」
渚は優燈に言われて、オルガンを弾きながらグランドの方を見てみた。そしたら、男の達が数人走り回っていた。
「ん?いないぞ」
「よく見て。男の子達の中に混じっているから」
「ん~・・・・・・あ、本当だ」
渚はもう一度、男の子達の方を見た。そしたら、その中にポニーテイルの女の子が走り回っていた。
「よし、今度はあたしが鬼だぞ。みんなにげろ」
「「「「「わー」」」」」
鈴の掛け声と共にみんなして走り回った。
「あれじゃあ、どちらが子供かわからないな」
「渚の意見に同感だね」
そんな景色を見守りながら優燈と渚は自分の仕事をこなしていった。