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【悪役令嬢ゲームブック】正しいルートでトゥルーエンドを【ルートは7通り】  作者: 九十九沢 茶屋


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24/30

【59】【60】【61】【62】

【59】 ─書斎 13時─


 ゆっくりと重い扉を開けて書斎へと入る。

 

 王妃教育や学業、殿下の公務の手伝いに関する事などで、利用する事は多々あったけれども、私用でここに来るのは、ずいぶんと久しぶりだわ。


 書物が痛まない様に他の部屋に比べて若干薄暗い部屋、紙から発する本独特の匂い、本が誤って落下した時に衝撃を和らげるための、深めのカーペット、使い込まれた机と椅子。


 子供のころから変わらないままの書斎に、どこかホッとする。


「明日は一日予定でバタバタしそうだし、少しここで本を読むのも悪くないわね」



 私はお気に入りの本を棚から取り出すと、しばし本の世界の中へと入っていった。



 ⇒【40】へ進む




 ꕤ.。✼••⋅⋅⊱∘┈┈┈┈•>✾<•┈┈┈┈∘⊰⋅⋅••✼。.ꕤ




【60】


 本を何冊か手にして戻ると、タイミングを見計らったかの様に、セバスが紅茶と菓子を用意してくれる所だった。

 フワリと鼻腔を擽る紅茶の香りに、自然と笑みが浮かぶ。


 本を読む前に、ティーカップを手に取ると、ふんわりと香りが鼻腔を擽る。


「セバスの淹れてくれる紅茶は、いつも流石ね。いい香りだわ」

「お嬢様に、失礼な物をお出しするわけにはいきませんからね」


 ミアが紅茶を淹れるのが上手いのも、このセバスに鍛えられたからなのよね。


「セバスが鍛えたお陰で、ミアが淹れてくれる紅茶も美味しいわよね」

「いえいえ、娘はまだまだ私の足下にも及びませんから」

「あらあら、そうなのね」


 こんな事言ってるけど、ミアの紅茶の腕前は、セバスが一番認めてるのは、邸にある人間なら誰も知ってる事なんだけれどね。


「ミアも頑張ってるのは認めますが。しかし、お嬢様や旦那様、マティアスさまざまなとの好みをしっかり把握してるのは、私や料理長なのは譲れませんね」

「ふふ、そうね。セバスや料理長には、紅茶やお菓子なんか、色々と好みを把握されているわね」

 

 料理長とセバスは、わたくしが小さい頃から食事の好みを把握しているため、料理長の作る焼き菓子とセバスの淹れる紅茶の組み合わせには、勝てるものがないわ。

 かなり胃袋を掴まれてる気がするわね。


 でもこれ多分、わたくしだけでなく、家族全員なのよね。

 お父様なんて、これ以上太らない様にしないとメタボまっしぐらになってしまう!! ってよく叫ばれてるし。


「いつも美味しく淹れてくれてありがとう。料理長にもお菓子の感謝を伝えておいて」

「かしこまりました」


 感謝の言葉を伝えると、セバスは嬉しそうに目尻のシワを深ながら笑ってくれた。



 ⇒【66】へ進む




 ꕤ.。✼••⋅⋅⊱∘┈┈┈┈•>✾<•┈┈┈┈∘⊰⋅⋅••✼。.ꕤ




【61】


 ミアの用意してくれた紅茶とスコーンを、ゆっくりと口にしていく。


 うん、やっぱりミアの紅茶は美味しいわね。料理長の作るスコーンもクロテッドクリームと合わせると、いくつでも食べれてしまいそうだわ。


 ……太るとコルセットがきつくなるから、食べすぎないようにはしてるのだけれど。



 そうして花を見ながら、わたくしはゆっくりとした時間を庭園で過ごした。



 うん、たまにはこういう時間も悪くないものね。



 そろそろ13時にもなってきたので、花を十二分に堪能したわたくしは、満足な気分のまま、ゆっくりと庭園を後にした。



 書斎へ本を読みに行く    ⇒【59】へ進む

 演奏室へピアノを弾きに行く ⇒【27】へ進む

 お父様の執務室へ行く    ⇒【6】へ進む 




 ꕤ.。✼••⋅⋅⊱∘┈┈┈┈•>✾<•┈┈┈┈∘⊰⋅⋅••✼。.ꕤ




【62】


 馬車で王城に着き、マティと共に会場に入ろうとした所で、受付をしている男性に声を掛けられた。


「今年は殿下の計らいで、卒業式だけではなく、卒業パーティーでも卒業生の方には胸に花を飾ってもらう事になりまして」

「あら、そうなの?」


 既に会場に入られてる人をチラリと見てみると、確かに全員、胸にバラを飾っているのが目に入る。

 赤だけではなく、黄色や緑、青や黒と、色とりどりなので、好きな色を選べるのかしら。


「ルントシュテット侯爵令嬢様は、青色がお好きと伺っております。こちらの色鮮やかな青いバラを飾られてみては如何でしょうか? とても映えると思われます」


 そういって見せてくれた青いバラは、確かにそう言われるだけの事はあって、他ではあまり見ない程に深みのある青いバラだった。


「まぁ、本当。とても綺麗な青いバラね。サファイアの様に深い青みで素敵だわ」


 わたくしは一番好きな花はバラだし、青い色も好きな色なのよね。それならこの花を飾るのでいいかしら。


「そうね、そしたらこの花を飾る事にす」

「待って義姉さま」

 

 飾る事にするわ、と言おうとした所でマティアスに声を掛けられた。


「義姉さま、緑は? 緑のバラはダメ?」

「え?」


 マティが、わたくしをジッと見つめながら言うその言葉に、思わず軽く首を傾げる。

 急にどうしたのかしら。


「だって、僕がエスコートしてるんだし……それなら僕の目と同じ色のバラを飾ってよ。ドレスの色も緑と黒を基調にしてるんだしさ」


 どこか少しムスッとした口調でかるく唇を尖らせながら、自分の瞳の色と同じ色のバラにして欲しいというマティ。


 まぁ。マティが、こんな可愛い態度を見せてくれるだなんて。

 チラリと受付の背後に目をやると、緑のバラも沢山用意されていてるのが目に入る。

 深いエメラルドグリーンで、マティの瞳の色を思わせる色だわ。

 

 確かに今日のドレスや装飾品は、エスコート相手のマティの色に合わせてる色合いなので、緑のバラを飾るのはピッタリなのよね。

 けれども青いバラを飾っても、それはそれでアクセントにもなるし、緑と青と黒のカラーはバランスとしても、おかしくはないし……どちらも捨てがたくて迷うわ。

 

 どちらにしようかしら……。



 青いバラを選ぶ  ⇒【72】へ進む

 緑のバラを選ぶ  ⇒【45】へ進む


 ꕤ.。✼••⋅⋅⊱∘┈┈┈┈•>✾<•┈┈┈┈∘⊰⋅⋅••✼。.ꕤ


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