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第26話 「新しい玄関、新しい朝」


「じゃあ……開けます!」


遥が両手で鍵を握りしめ、新居のドアノブに差し込んだ。

カチリと音がして、ゆっくりドアが開く。


そこにはまだ何もない、真っさらなリビング。

でも空っぽの部屋の中に、ふたりの笑い声がすでに響いていた。


「広いなー!家具ないと余計広く見える!」


「なんかちょっと、住んでいいのかなって思っちゃうね」


荷物は午後から搬入予定。

今はまだ、カーテンすらついていない。


「とりあえず……第一歩、踏み出してみる?」


「せーのっ」


ふたりでリビングの床に同時に足を踏み入れた。


「……ふふ、やった」


「なにが?」


「“初・新居同時入室”」


「そんなのあったの!?」


「今つくった!」


初々しくて、でもどこか落ち着く感覚。

まるでずっと前からここにいたような、ふたりの空気。


そのあと、窓を開けて換気したり、部屋中を歩き回ったり、

お風呂やキッチンを“お披露目ツアー”したり。


「ここ、私の特等席にしよっかな〜。光がいい感じだし」


「じゃあ俺はその向かい。お互いに顔見ながらごはん食べられるし」


「……なんか、いいなぁ」


ほんのちょっとしたことが、すべて新鮮だった。


やがて、搬入業者が到着し、部屋は段ボールと家具であっという間に埋まっていく。


「よし、次は開梱だね」


「気合い入れていきましょう奥さま!」


「よし旦那さま、私についてこい!」


そう言って笑いながら、ふたりは山積みの箱に向き合った。


新しい玄関の先には、慌ただしくて、でもどこまでも愛おしい日常が待っていた。

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