表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/31

第22話 「この部屋には、ふたりの未来が似合う」


「わぁ……見て、このソファ。めちゃくちゃ座り心地良さそう」


休日の午後。ショッピングモールのインテリアフロア。

ふたりは手をつないだまま、あちこちの家具に目を輝かせていた。


「確かにいい感じ。でもこのサイズ、うちの部屋に入るかな?」


「んー、無理かも。でも将来引っ越したら……とか?」


駿がふと遥の方を見た。


「将来?」


「だって、結婚したし。いつかマンションとか……買ったり?」


「おっ、それ本気?」


「今はまだ無理だけどね? ほら、“そういう未来もいいな〜”って話!」


遥が照れくさそうに笑うと、駿も自然と笑った。


「……うん。そういう未来、悪くない」


歩きながら、キッチン家電のコーナーへ。


「あ、この炊飯器、いいよね。五合炊きとか、ふたりだとちょっと多い?」


「いや、俺が食べるから問題ない。むしろ足りないくらい」


「言ったな? 覚えておくからね、胃袋捕獲作戦」


「なんだそのネーミング(笑)」


電気ケトル、空気清浄機、ロボット掃除機。

ひとつひとつ見ながら、まるで“ふたりの家”を想像するように笑い合う。


「まだ買わないけど、見るだけでなんか楽しいね」


「うん。いつか揃える日のために、今はいっぱい想像しよ」


手をつないだまま、ふたりは次のコーナーへと歩き出した。


照明の光が反射した床に、ふたりの影が並ぶ。

その距離がぴたりと揃っていることに、遥はふと気づいた。


(この人といると、どこを歩いてても、ちゃんと並んでいられるんだ)


なんでもない休日。

でも、その時間のすべてが、愛おしかった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ