第20話 「誓います──この先も、ずっと」
チャペルの扉が、静かに開く。
一斉に振り向く視線のなか、遥はゆっくりと歩き出した。
ウェディングドレスの裾が、白いバージンロードをすべるように進む。
正面に見える駿の姿。
その表情は、どこか照れていて、それでも嬉しそうで
まるで、これまで過ごしてきた全部の愛しさが、そこに詰まっているようだった。
(ああ、今日なんだな)
遥は思う。
ドキドキするけど、不思議と怖くはなかった。
それはたぶん、そこにいる“彼”を信じきれているから。
式は静かに、でもあたたかく進んでいく。
指輪の交換。
誓いの言葉。
そして
「誓いますか?」
司祭の問いかけに、駿は迷いなく、まっすぐ答える。
「誓います。遥を、一生、大切にします」
その言葉を聞いた瞬間、遥の目に涙が浮かんだ。
「……誓います。私も、ずっと、駿と生きていきたいです」
拍手の中で交わすキスは、短くて、でもすべてがこもっていて──
花びらが舞うチャペルの中で、ふたりの未来が重なっていくのが、はっきりと感じられた。
その日の夜。
ドレスもタキシードも脱いで、ソファに並んで座るふたり。
「ねぇ、駿」
「ん?」
「今日から、夫婦だよ?」
「……うん、なんか、変な感じ。でも、めちゃくちゃ嬉しい」
「私も……なんか、笑いが止まらないかも……」
そう言って、くすくす笑いながら寄り添う。
一緒に笑って、一緒に眠って、一緒に未来を考える。
そんな“ふたり”が、今日からずっと続いていく。
これから先も、どんな日々が待っていても。
私はきっと、あなたとなら、笑って歩いていける。




