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◇97 謎の石柱は謎だらけ

四日目は短く仕上げたい。

そんな思いで書きました。

 私達は砂浜から移動した。

 とりあえず東に向かうことになったから、砂浜を通って東に向かう。

 その道中で手に入るメダルは一枚一枚丁寧に回収。

 だけどそこまでメダルは落ちていなくて、私達の探索は非常に難航していた。


「全然落ちて無いね」

「そんな物だろ」

「そんな物って、フェルノは……楽しそうだね」

「そうだな」


 私とNightとは違って、フェルノはとっても楽しそう。

 波打ち際に立ち、パシャパシャ波を蹴り上げる。

 白波を立たせながら子供みたいに遊んでいると、視線が奥の方で止まる。


「二人共見てよー。この先、砂浜が終わってる」

「砂浜が終わって、今度は岩場か」


 砂浜はもう終わりみたい。代わりに現れたのは、ゴロゴロとした大きな岩が転がる岩場。

 海の荒々しい潮の香りが漂うと、なんだか海って感じがする。

 また違う姿を見せてくれて面白くなるけれど、歩き辛そうで仕方が無い。


「なんだか歩き辛そうだね」

「そうだな。二人共気を付けろよ、滑るからな」

「分かってるよー。それじゃあ行ってみよ―」

「ちょっと、押さないでよ」

「そうだぞ。滑りやすい岩場ではしゃぐな」


 私とNightはフェルノに背中を押される。

 足が滑ってしまいそうで怖い。

 けれどフェルノは悪魔の笑いで誤魔化すと、私達は岩場に辿り着く。


 バッシャーン!


 砂浜とは違って、海の様子がおかしい。

 メダルを探し砂浜を歩いていた時は、波がまだ緩やかだった。

 優しく水遊びをさせれくれていたけれど、今は全然違う。


 荒々しく私達を飲み込もうとする。

 近付くだけでも恐ろしくて、ライフジャケットも着ていないから不安になる。

 それほど波の暴虐さが垣間見えると、潮風を浴びながら、私達は岩場を進む。


「流石にメダルは落ちていないな」

「あはは、落ちてたらもう無いでしょー」

「うん。波に攫われちゃうよね」


 メダルの姿は一枚も無い。影も形も見当たらない。

 首を傾け、キョロキョロ下を見て回る。

 危ないのは分かっているけれど、岩の隙間を捜索。けれどメダルは確認できない。


「やっぱり海の中かな?」

「可能性は充分考えられるな」


 あり得ない話じゃない。実際、波って私が思う以上に強力。

 今でも起きるけど、海釣りに行った人が帰ってこないことはたくさんある。

 その原因は波に攫われてしまうから。ライフジャケットを着ていても、沖に持っていかれたら最後だって、お母さんが言ってた。それを思い出す度に海って優しくて怖い。そんな気持ちが強まると、今日のこの場所の海は大きな口を開けて待っている。


「海って、凄いよね」

「あはは、適当―」

「もっと中身のある感想を言え」

「感想って誇張しないものでしょ? でも、流石に海の中を探検は……」

「「やりたいー」やらない」


 私は突飛なことを口にした。

 流石に乗って来ないと思ったけれど、まさかのフェルノは乗り掛かる。

 Nightはと言えば現実的で、不可能な事実を知っている。だからこそ、バチンと衝突した。


「えー、潜ろうよー」

「無理だ。この波だぞ、潜れる訳が無い」

「でも凄い人は潜るよ?」

「それは並の人間じゃない。いいか、ここはゲームの中とはいえ、死の感覚はリアルだ。お前は死ぬ、潜ったら終わり。いいな、絶対に無理だぞ」

「って言ってー」

「バカか。第一お前は<ファイアドレイク>、炎の竜が水に入ったらその時点でアウトだろ」

「た、確かに?」


 なんでそこで納得するんだろう。

 私はポカンとしてしまい、Nightが勝利したのを見守る。

 ムスッとした顔をするかと思えば、フェルノは愉快に笑ってる。最初から冗談半分だったと分かると、視線が遠くを覗き込む。


「あーあ、なんか面白いもの無いかなー?」

「そう簡単に面白いものが現れる訳ないだろ」

「うん。自分で見つけないとね」

「哲学だなー。ん?」


 私とNightの“当たり前”を突き付けられ、フェルノはつまらなそうにする。

 けれど視線を遠くに遠くに伸ばしていると、何か見つけた。

 一点を見つめたまま眉根が寄ると、私とNightに口ずさむ。


「ねぇ、アキラ、Night-」

「なんだ」

「アレ、なにかな? 変なものが岩場に立ってるよー?」

「「変なもの?」」


 私もNightも視線を飛ばして目を凝らす。

 一体何が立っているのか、遠くに遠くに視線を伸ばす。

 すると確かに地面から何か生えていた。生えていたって言うのかな? 黒っぽい棒が見える。


「アレ、なにかな?」

「石柱みたいだな」

「「石柱?」-」


 Nightは双眼鏡を片手に正体を見破る。

 如何やら岩場に立っているのは、黒い石柱らしい。

 なんでこんな所に石柱? 謎だけを残すと、私もフェルノも顔を見合わせた。


「なんであんなの建ってるの?」

「そうそう、っていうか双眼鏡いいなー」

「双眼鏡の話はどうでもいいだろ。とりあえず、見てみないと分からない」


 Nightでも分からないことはたくさんある。

 とりあえず近付いてみることにした。

 私達は岩場を滑らないように慎重に進み、荒々しい波が迫り来る、岩の端っこの方に向かった。そこに建っていたのは黒い石柱で、絶妙に存在感が無い。


「うわぁ、地味だなー」

「地味って言うか、目立ってない?」

「当然だ。この辺りの岩は黒いからな。それより、これは一体なんだ?」


 石柱を見つけた私達はソッと近付く。荒々しい波が上がると、私達を飲み込みうと必死になる。

 とは言え波は勝手に襲ってこない、石柱も別に噛み付いて来ないけれど、一応モンスターを警戒。

 加えてプレイヤーの気配も……無いみたいで、私達は石柱に集中する。


「Night、これなにかな?」

「石柱だな」

「それは分かっているよ。もっとこう」

「謎解きだな」

「そうそれだよ! でも、これって謎解きなの?」

「なーんかさ、暗号みたいだよねー。宇宙人の」


 フェルノの言う通り、謎解きの中でも暗号。しかも解読不能の宇宙人の持ち込んだもの。

 そんな見た目をしていた石柱は私達の前に堂々と建っている。

 誰が何のために建てて設置したのか……は、運営だとして。一体誰が解けるんだろうと思う。それもその筈、石柱にはヒントらしきものは無い。ましてや四角い石柱の天面には、右上部と左下部、それぞれの端っこに四角いマスがあるだけ、右上部の部分は球体に押し潰されている仕様。明らかに何かありそうで、だけど何にも分からない。私達はここに来て、謎だらけの石柱に囚われてしまった。

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