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◇93 剣士と竜人の熱いバトル

敵が可愛そうになるくらい強いのだ!

 私は二人の男性をアキラに任せちゃった。

 ってことは私が倒すのは目の前の相手。

 まぁるって呼ばれていた人で、早速突撃あるのみだ。


「せーのっ!」


 高く跳び上がり、高低差を付けた攻撃を開始。

 鋭い爪を伸ばすと、「おりゃぁ!」と叫んで蹴りを喰らわせる。


「んなもん喰らうかよ!」


 まぁるは盾を取り出した。私の蹴り攻撃を受け止めようと体勢を前に倒す。

 けれど私の方が強かったっぽい。

 簡単に仰け反らせると、ジリジリと足が後ろに下がって後退する。


「いくら盾で防いでも無駄だよー。おりゃぁ、おらおらおらおらおらおらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 何度も何度も蹴りを喰らわせた。

 だけど私は容赦をしないで、まぁるを圧倒的に追い詰める。

 ドンドン体を潰されると、衝撃が伝わっただけで気持ち悪そうだ。


「うっ、なんだこのパワー。どんだけSTR上げてんだよ」

「勝手に上がってるよー」

「マジかよぉ。おい、爆☆! 援護、早く援護頼む」

「無理だ。爆弾を作るまで、時間が掛かる」

「ま、マジかよ。く、クソがっ」


 まぁるは仲間に声を掛けた。とにかく助けて欲しそうだ。

 だけど私は全然気にしない。とにかく攻撃あるのみ。

 超一辺倒アタックを決めると、盾を破壊しに掛かる。


「その盾を破壊したら、もっと面白いかもねー」

「ま、マジでか。それは、それは……クソッ、や、ヤバいな」


 私は縦を攻撃しまくる。

 蹴りを食らわし続け、爪を引っ掛けると罅が入る。

 木の盾だから仕方ないけれど、私のパワーを前にそんなの弱すぎる。


「それっそれっそれっそれっ! もっともっともっと、もーっと!」

「く、狂ってやがる。こうなりゃ、俺も!」


 私はとにかく攻撃し続けると、気が付けば盾にダメージを与えていた。

 もちろん、完全に破壊はできていない。

 だけど壊れる寸前で、まぁるが盾を引っ込めると、剣を突き出した。


「俺に近付いたこと、後悔しやがれ!」

「私のやることは変らないよー」


 まぁるは剣を突き付けた。

 だけど私は全力で体を捻り、剣の突き攻撃を難なく避ける。

 狙うのは当初と変わらない。まずは逃がさない。それが勝つための必勝だ。


「おりゃぁ!」


 バキッ!


 私は盾をぶっ壊した。入っていた罅が広がると、バキバキに壊れてしまう。

 見えない耐久値が完全に減って行き、盾を完全に破壊。

 まぁるは一瞬気を取られたけれど、その隙に私は攻撃を叩き込む。拳を作り出すと、「おらぁ!」と殴り掛かった。


「嘘だろ。こ、この野郎が!」

「おっ、いい動きだね。でーも」


 まぁるは剣を使って防御しようとした。

 剣に関してはかなり手入れが行き届いている。

 並の攻撃じゃ折れそうにないけれど、焦っているから弱い面が触れた。

 パキンと金属に罅が入り、私の方が硬度でも圧倒的に強い。


「貰った!」

「や、やべぇ。爆☆!」

「おう、できたぞ。そりゃぁ!」


 まぁるが叫ぶと、伏兵の攻撃が始まる。

 爆☆は手に爆弾を抱えていて、私に容赦なく放り投げた。

 巻き込まれたらお互いにヤバい。それでも覚悟の上なのか、まぁるは私を逃がさない。


「逃がすかよ。絶対にお前は逃がさない」

「ヤバいって、それヤバいって」

「終わりだ」


 爆弾が着弾する。このままじゃ死ぬ。

 苦い顔をする私だったけれど、瞬間空を掻き切る空音がした。

 パァーンと耳を擦ると、爆弾が粉々に破裂した。


「な、なにっ!?」

「アキラじゃない? ってことは……Night!」

「ふぅ。危ないな」


 壁の裏側でNightは顔を出した。

 その手には拳銃(回転式拳銃)が握られている。

 銃口が向けられ、クルンとシリンダーが回転すると、薬莢を吐き出し煙を出していた。


「なんだ、その武器。そんなもの、このゲーム上には」

「私が作ったものだ。じゃあな」


 Nightは爆☆に銃口を向けて引き金を引く。

 容赦の“よの字”も無く、パンと空気を裂くと、次の瞬間には爆☆は倒れていた。

 いくら銃であっても、このゲームで上ではそこまでの威力は発揮できないって言ってた。

 その弱点を補うように、Nightはいつも急所を狙う。今回も炸裂し、たった一発で沈めてしまった。マジでカッコいいし、ヤバかった。


「う、嘘だろ。お、おい全員いないのか?」

「いないってことだねー。さぁ、メダルを貰うよー」

「ひいっ!?」


 もはや勝負あり。私の拳がまぁるに炸裂。

 顔面を直で捉えると、ポッコリ凹んでパタリと倒れる。

 完全にのしてしまうと、HPも〇になりそのまま動かなくなった。


「ふぅ。終わり終わりー」

「よかった。なんとか勝てた」

「蓋を開けてみれば余裕だったな。メダルもこれだけ手に入れば充分だろう」

「充分って、結構手に入ってるけど」

「そうだねー。逃した分は、最高だよねー」


 Nightは壁の中から出て来ると、落ちていたメダルを拾い上げた。

 何枚ものメダルを手にすると、Nightは笑みを浮かべる。

 何だか怖いなと私は思うけど、NightらしくてGOODだった。


「この調子で餌になるぞ」

「的から餌にランクダウンしてない?」

「あはは、そうだねー」

「そんなレベルじゃないでしょ? ああ、もう。またこの調子か」


 アキラは項垂れていた。だけどその気持ちも分からなくはない。

 確かに効率はマジでいい。何もしなくても、敵の方から弱そうって思って寄って来てくれるんだ。

 それを抜いたら……まぁまぁまぁ。私は一応どちらの肩も持つと、笑って全て終わらせた。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


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