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【リメイク版】VRMMOのキメラさん〜モンスターのスキルを奪える私は、いつの間にか《キメラ》とネットで噂になってました!?  作者: 水定ゆう
3ー1:メダルハンターへの道

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◇86 イベント一日目:森林1

展開を大きく変えました。

「うわぁ!」


 私は目を見開くと、そこに映る景色に声を上げた。

 周りを囲むのは、緑一杯の世界。

 木々達には濃い緑色をした葉っぱが並ぶと、私は瞬きを何度もする。


「ここは森の中だよね? 凄い」


 何が凄いのか、多分普通の人には分からない。

 もちろん、他の人が普通じゃない訳じゃない。

 あくまでも、私個人の価値観で、圧倒的な緑に埋め尽くされているので、言葉を失った。


「うーん、森の中って涼しいね。嫌じゃないけど……」


 チュンチュンチュン!

 ガサガサガサガサガサ!

 ピュ~ヒュルルルゥ~!


 動物達や植物達の声が響き渡る。

 とても心地よくて、苦手な人も居るかもしれない。

 だけど私は慣れているので如何と言うことは無いけれど、一つだけ気掛かりが生まれた。


「なんで誰もいないの?」


 そう、私は一人ぼっちにされていた。

 周囲を見回しても、誰も居なければ何も無い。


 もちろんたくさんの動植物に囲まれているから、何も無いことは無い。

 だけど初めてのイベント参加で、一人ぼっちにされるのはかなり心細い。


 私はキョロキョロ周囲を見回す。

 けれどプレイヤーも居ない、モンスターも居ない。

 そこにあるのは自然そのものだった。


「もしかして、ランダムってこと?」


 その可能性は大いにある。

 だって、周りを見渡しても誰も居ない。

 きっと積極的な接敵を避けているに違いなく、私は如何しようかと悩んだ。


「それじゃあ私一人で頑張らないと……うわぁ!」


 私が拳を握り、一人でも頑張ろうと覚悟を決めた。

 しかしそんな私の気持ちを覆すように、ピピピとアナウンスが鳴り出す。


「な、なに? メッセージ?」


 通知をONにしていたらしく、メッセージの度にアナウンスが鳴る。

 急いで通知をOFFにすると、私は届いたメッセージを読んだ。


「Nightからだ。Night:そっちはどうだ? 私は今、川辺の森にいる。このメッセージを読んだら、返信を寄こせ。か」


 一方的なメッセージだった。

 けれど私は周りをの景色を見て回る。

 何か目印になりそうなものは無いかと探していると、キラリと光るものが、木の上にあった。


「アレはなんだろう……」


 私はメッセージを送る前に、一度光に釣られた。

 木の幹に近付くと、やっぱり光っている。

 キラリと輝いていて、太陽の日差しを浴びているせいか、眩しい。


「登ってみよう」


 私は木登りができる。木の幹に指と足を掛けると、ゆっくり登る。

 スッと伸ばした腕が手頃な枝に届いた。

 腕と脚の力を使い、木の上へと登って行く。

 

「一体なにが光ってたんだろう?」


 体を突き動かし、全身を使って木の上へ。

 私は瞬きをすると、光っていたものを見出す。

 鋭い眼光で捉えると、葉っぱと葉っぱの間に収まっていた。


「もしかして、これかな? ……ん?」


 私は手を伸ばすと、光っていたものを掴む。

 指の間で挟むと、手のひらの中に包み込む。

 質感は滑らか。それで居て硬くて、丸みを帯びている。


「これは……メダル?」


 私が手にしているのは鈍い金色のメダル。

 少しくすんでいるのか、それとも錆が付いているのか、思った以上に汚れている。

 ピカピカキラリと光っていたのは、汚れが余り乗っていない部分で、全体的に見ると汚かった。


「ちょっと汚いけど、これがメダルだよね?」


 多分も何も、明らかにメダルだった。

 もしかして、今回のイベントは、このくすんだメダルを集めるのかもしれない。

 幸先の良い展開に胸を躍らせた私は、一人気掛かり感じ取る。


「待って。こんなに簡単に手に入るってことは、他の人達も……」


 私が偶然手に入れられたってことは、もっと注意力がある人や、観察眼を持つ人、運のLUKのパラメータが高い人なら、こんな手間もかけずに手に入れているに違いない。

 そんなことなら、ここで油を売る訳にもいかない。

 急いでNight達と合流しよう。私はそう思い登っていた木を下りると、早速一人の冒険を始めた。


「えっと、その前に二人にメッセージを」



アキラ:みんな、私メダルを一枚手に入れたよ!


アキラ:私は森の中にいるけど、周りに目印が無いよ


アキラ:できるだけ早く合流しようね。私もメダルを集めるから



 ある程度簡潔にメッセージを送った。

 きっとこれで伝わる筈だと勝手に思い込むと、メッセージを一度閉じる。

 メダルを集めるため、私は森の中を少し小走りで走った。




「ふぅーん。アキラが森の中で、Nightが川辺かー。じゃあ私がいるのはー……谷?」


 フェルノはふと頭上を見上げた。

 周囲は崖に覆われていて、見えるのは果てない青空。

 如何やらここは谷のようです。


「とりあえずみんなと合流しよーっと」


 フェルノのテンションは変わらなかった。

 まずは合流を目指す運びになった。

 目の前の道を見つめると、後先考えずに走り出す。


「GOGOLet’sGo!」


 周囲への警戒は完全に捨てている。

 何処からでも狙ってくださいと、フェルノ本人が言っているような走りだ。


「ふんふふーん。誰か襲って来ないかなー。せっかくだし、戦いたーい」


 初日から熱い戦闘を期待していた。

 今回のイベントはPvPが前提ではない。

 けれどフェルノは戦いた過ぎてウズウズすると、全身に力が入ってしまう。


「むーん、全然襲って来ないよーだ」


 けれどここまで無防備の筈が、あまりの熱にうなされている。

 誰一人として接敵せず、谷と言う場所も相まってか、そもそも存在を感知されない。

 空回りしてしまうフェルノだったが、偶然は起きた。


 キラッ!


「おっ、なんかはっけーん」


 フェルノの直進限定ルートに気になるものが入る。

 先程よりも更に速く、歩幅も広がって駆け寄る。

 目の前に気になったものが浮かび上がり、フェルノの興味が惹き立てられる。


「ん? なーにこれー」


 走っていると心が軽く、同時にワクワクが広がる。

 ピタッと立ち止まって地面に腰を折ると、フェルノはキラキラした子供の目をする。

 その先には地面の隙間に嵌った一枚の人工物が落ちていた。


「メダルだー。綺麗―。これ集めるのー?」


 拾い上げると、綺麗な金色のメダルだ。

 フェルノは指先で摘まみ上げると、空にかざしてみる。

 キラリと光っており、多分コレを集めるんだと理解する。


「真ん中に星が二つ? なんかいい感じじゃない?」


 手にしたメダルは特徴的です。

 真ん中に二つの星が描かれています。

 この星を集めることがイベントを有利に進めることに繋がる。

 それを理解している筈が、フェルノ自身はあやふやでした。


「よーし。深く考えるの面倒臭―い。このままどんどん行こう―!」


 フェルノは深く考えるのを止めます。

 完全のその場のノリとパッションに身を任せます。

 不安定な航路ではあったが、フェルノにはそれが丁度良いらしく、私には自由人だとしか思えませんでした。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。(面白かったら5つ、面白くなかったら1つと気軽で大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が燃えます!)


ブックマークやいいねに感想など、気軽にしていただけると励みになります。


また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。

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