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◇67 狩人の粛清者

ついに狩人が動き出す。

さぁ、粛清開始だ。

「クソがっ! 待ちやがれ!」

「待たないよ。それっ」


 ボレオさん達から私は上手く逃げ延びる。

 人混みの中に混ざってしまったら流石にお手上げ。

 絶対に追って来れなくて、ボレオさん達も諦めた。


「アキラ様」

「ごめんね、モノクロちゃん。でも喧嘩腰になっても、よくないんだよ」


 私はカッコ悪かった。

 普通なら戦って圧倒するのが主人公。

 だけど私は主人公じゃない。こう言ったらしくないことからは、全力で逃げてしまえばいい。そんなダサさが目立つけど、モノクロちゃんは、私の手を強く握り返した。


「私は、アキラ様は主人公だと思います」

「えっ?」


 私はポカンとしてしまう。

 人混みから少しだけ外れ、立ち止まると、モノクロちゃんの顔がある。

 自信に満ちている様子で、私のことを主人公なんて言ってくれる。


 嬉しいけど、ちょっと照れるな。

 後、なんだか心を読まれたみたいで気味が悪い。

 なんて気持ちになるのが普通だけど、私はモノクロちゃんを見つめる。


「どうしましたか、アキラ様?」

「ううん、モノクロちゃんって優しいね」

「えっ?」


 モノクロちゃんは驚いた。

 あまりにも突飛で、モノクロちゃんに積まれた、超高性能AIが混乱してしまう。

 目をグルグル回し、私にもたれかかる。


「ひゅ~」


 モノクロちゃんは変な声を出した。

 私の胸の中に収まると、そのまま動かなくなる。


「モノクロちゃん? モノクロちゃん!」

「すみません、アキラ様。私は、やっぱり……」


 モノクロちゃんはブツブツと呟いた。

 私はモノクロちゃんの意識があるので安心するも、軽く揺する。

 するとモノクロちゃんはブツブツ呟いた。


「アキラ様、少しの間、こうしてもいいですか?」

「いいけど……もうちょっと人目が無い所に行こうかな?」

「分かりました」


 何故だかモノクロちゃんに、急に甘えられてしまった。

 しかも目を閉じていて、私の胸に、多分心臓の辺りに額を押し当てている。

 変なの? と思いつつも、流石に人目が気になったので、私は路地裏にそそくさと逃げ込むと、とりあえず広場を目指して歩き始めた。


「やはり他の人とは……」

「どうしたの、モノクロちゃん?」


 途中モノクロちゃんが呟いた。

 だけどそれ以上は何も言ってくれない。

 だけどなんでかな? 私の心が温かくなると、気持ちはとても調子が良かった。




「クソがっ!」


 俺はゴリラの拳で地面を叩く。

 簡単に凹ませると、鬱憤を晴らしたくて仕方が無い。


「落ち着けよ、ボレオ」

「落ち着けだと? 簡単に逃げられて、落ち着いていられんのか!?」


 そんな俺に抗議してきやがった釘抜きを威圧する。

 すると釘抜きもジリジリと歯ぎしりをする。

 トカゲの顔で舌を出すと、とてつもない怒りに襲われる。


「落ち着ける訳がねぇだろ、ボレオ」

「そうだぜ、ボレオ。俺達全員同じ気持ちだ!」


 ペッパーも同意すると、ボレオは怒りの矛先を剥き出しにする。

 釘抜きもペッパーもこのままではいられない。

 なんでも言い、誰でもいい。とにかく当たり散らせるおもちゃが欲しかった。


「クソッ、誰か来ねぇのか?」

「まあ、そう都合よくはな……」

「……本当に来ないじゃんかよ」


 俺達はフラグを立てたが、回収することはできなかった。

 結局何も起きない。

 そのせいか、怒りの矛先は、地面や壁に向けられた。


「クソがっ!」


 俺は壁に拳を叩き込もうとした。

 けれどそんな俺達を邪魔するなにかがあった。

 俺が拳を叩き込もうとした瞬間、鋭い何かが俺の拳を封じ込めると、壁を叩こうとした腕を引っ込めさせた。


「な、なんだ!?」

「なんだじゃねえよ。おい、お前ら、噂になってる奴らだな?」

「あんっ?」


 誰だ急に。俺達は嫌悪感をバシバシ立てると、面倒臭いが首を向けた。

 すると路地裏の入口に三人と一人、男性が立っている。

 そのうちの一人は、俺達に対して偉そうに言い付けると、ジリジリと詰め寄る。


「なんだ、お前?」

「それは俺のセリフだ。勝手な真似してんじゃねぇよ」

「はっ? なんだコイツ、おい!」


 俺は睨みを利かせ、威圧的に態度をデカくする。

 けれど男性は俺達に近付いて来た。

 完全に舐められているせいか、俺達は。拳を構え武器にする。


「それ以上近付くんじゃねぇよ」

「ああ、近付いてやるよ。俺達とPvPでもするんならな」

「PvPだー! お前ら、完全に舐めてんな」

「ああ、そうだぜ。コイツら舐めてやがる。ん野郎、そんなもん受る訳がねぇだろ! 怠慢だ、怠慢!」


 PvPの誘いなんかしてきやがった。

 流石に呆れる、そんなもの受ける気も無い。

 単なる怠慢には興味も無く、俺達は威嚇した。


「怠慢か。んじゃ、どうすんだ?」

「はぁ、実力行使に決まってんだろ!」


 俺は拳を叩き込む。

 種族スキル:【コング】はSTRを極限まで高める。

 そのせいか、フルスイングで突き付けるも、男性は俺の攻撃を躱した。


「な、なにっ!?」


 俺は驚いてしまった。

 けれど男性はニヤリと笑みを浮かべる。


「先に手を出したな。じゃ、こっからは実力行使だな。俺達も行くぜ」

「な、舐めるなよ!」

「舐めてねぇよ。粛清開始だ」


 男性は俺にそう言った。

 すると俺の【コング】で武装した拳を、男性は軽やかに腕で巻く。


「はっ!?」

「遅いな。そんなんじゃ、俺に一発当てられねぇからな」

「な、なんだよ、お前はよ!」


 完全に舐められている。だけど舐められるくらい強い。

 男性の腕が獣に変わり、鋭い黒い爪を剥きだす。

 俺の拳を受け止めると、逆に圧倒してしまい、そのまま引き裂かれた。


「ぐはっ!」

「遅い」


 一体何が起きたんだ。

 まるで見えなかったぞ。


「よそ見なんかしてる暇があるのか?」

「ぶへっ!」


 口から痰が吐き出される。

 暗がりの地面に俺の吐き出したものがばら撒かれると、今度は顎に向かって蹴りが飛ぶ。


「なんなんだよ、お前も、お前らも、誰なんだよ!」

「さぁな。けどよ、これだけは言っとくぜ。もっと楽しもうか!」

「ぐへっ!」


 もはや手も足も出ない。

 圧倒的なスピードに俺は気圧される。

 もはや攻撃の手も出ず、俺はただ痛めつけられてしまった。

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