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◇60 VSメタクロベアー4

なんでそれができるんですか?(Nightがヤバいので呆れてくださいwww)

 ズドン!


 先制攻撃は、フェルノからだった。

 鋭いパンチが繰り出されると、炎に燃えて見えた。

 もはや私の目には見えない。目で追えない。ギリギリ意識すれば、輪郭がボヤけて見える程で、メタクロベアーも理解できていない。


「グマラァァァァァ!?」

「叫んだって無駄だよ。それ、それっそれっ、それぇぇぇぇぇ!」


 フェルノは全身から炎を漏らす。

 だけどそれだけで止まらない。

 ただドラゴンの力を武装していた時に比べ、圧倒的に動きがいい。

 身体能力が加速度的に上昇していて、私は目を疑う。


「どうなってるの、これ?」

「恐らく、フェルノの固有スキル、【烈火心動】の効果だろうな」

「【烈火心動】……どんなスキルなんだろう?」

「さぁな。これは勘だが、フェルノの感情のボルテージが上がるごとに、つまりパッションに左右されて、身体能力を強化するスキルだろうな」

「フェルノっぽい。けど、これじゃあ私達が戦えないよ!」


 フェルノが暴れ回っている。

 そのおかげもあり、メタクロベアーはフェルノとだけ戦っている。

 鋭い爪同士がぶつかり合うと、激しく熱いバトルが繰り広げられ、もやは私達が参戦する間は無い。


「トドメをって言われても、このままじゃ……」

「それに関しては問題無い。フェルノは戦いながらも、自分の役目を果たそうとしている」


 フェルノのことを、Nightはよく見ていた。

 とんでもない観察眼を発揮すると、フェルノがメタクロベアーの爪を封じ込めようとする。


 ワイヤーを上手く掛けながら、鋭いパンチやキックで気圧していく。

 完全にフェルノが押していて、圧倒的なリードとアドバンテージを稼いでいる。

 もうこのままフェルノが決めた方がいいんじゃ……とか思ってしまうけど、戦い続けるフェルノは、汗を流していた。


「はぁはぁ……後ちょっと」

「フェルノ、大丈夫!?」

「大丈夫―大丈夫―……もうちょっと」


 フェルノは疲れていた。あの無尽蔵の体力が活きていない。

 メタクロベアーの攻撃のせいか、それともスキルによるデメリットか。

 色々想像できるけど、フェルノが心配になった。


「マズいな。これ以上はもたないぞ」

「Night、援護して!」

「援護だと? なにを考えているんだ」


 Nightは眉間に皺を寄せる。

 表情を訝しめ、私の言葉に耳を傾けた。


「ちょっと無茶するだけだよ。私がトドメを刺すんでしょ? それなら!」


 私は【キメラハント】+【甲蟲】+【灰爪】を解放。

 武装すると、Nightは全てを理解する。


「そう言うことか。いいだろう、行って来い!」


 Nightはそう言うと、拳銃を構える。

 引き金を引き、フェルノに叫んだ。


「フェルノ、しゃがめ!」

「えっ!? な、んって、うひゃっ!」


 フェルノの動体視力は、放たれた銃弾を捉える。

 急いでしゃがんで躱すと、フェルノは叫んだ。


「Night、急に撃たないでよー!」

「いいからお前は引け。ワイヤーでメタルクローの爪を封じろ」

「そんな勝手だよー。もっと弱らせないと、アキラの攻撃力じゃ……」

「問題無い。今のは威嚇だが、本当の狙いはこっちだ!」


 フェルノとNightが口論していた。

 だけど、Nightは、拳銃を再び構えて引き金を引く。

 フェルノも合わせて、ワイヤーを引くと、メタクロベアーの腕が縛られた。


「グマァッ!?」

「驚く暇は無いぞ」


 困惑するメタクロベアー。

 その間には銃弾が宙を舞い、メタクロベアーの目に当たった。

 ズドン! と命中し、メタクロベアーの視界を完全に潰した。


「グマァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」


 メタクロベアーは、一瞬のうちに窮地に立たされる。

 腕も視界も奪われると、ただただジタバタして暴れ回る。

 地団駄をして、ワイヤーを必死に引っ張るフェルノ。

 その姿を眼下に構えると、私は爪を尖らせた。


「行けっ、アキラ!」

「うん!」

「えっ、木の上から……嘘でしょ、そんな無茶苦茶なー!」


 私は二人の活躍を木の上から見ていた。

 メタクロベアーが動けない一瞬。

 私はその隙を摘まむと、高くジャンプして、【灰爪】で全力武装した拳をメタクロベアーに突き刺した。


「頭を潰せば、どんな生き物も!」


 私の爪は、メタクロベアーの眉間に突き刺さる。

 何かグシャッとなる、気持ちの悪いものに、触れてしまった。

 だけどこのまま抜きたくない。グルンと手首を回すと、メタクロベアーは絶叫を上げ、口を大きく開けた。


「グマラララララララララララララララ!!!」

「う、おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 私はメタクロベアーの眉間に爪を突き刺し続ける。

 するとメタクロベアーは苦しみ、HPが一瞬で削れる。

 半分近くまでフェルノとNightが削ってくれていた分が、一瞬で〇になると、メタクロベアーは動かなくなってしまった。


「グ……マ……ァ」


 メタクロベアーはピクリともしない。

 如何やら私達は勝ったらしい。

 あまりにもリアルで、あまりにも爽快感が無い。

 だけど、勝ちは勝ち。私は全身から脱力感が起きると、突然のアナウンスに起こされる。


——レベルアップ! “アキラ”のレベルが7になりました——

——ドロップアイテム獲得! 鋼鉄の熊爪を獲得しました——


「あっ、レベルアップとアイテムだ」

「よかったな、アキラ」

「これで依頼達成だー。あー、もうクタクタ」


 とりあえず依頼は達成だ。

 納品アイテムの鋼鉄の熊爪も手に入った。

 私はホッと胸を撫でると、もう一回アナウンスが鳴る。


——固有スキル:【キメラハント】が新しいスキルを獲得しました——

——適合率判定の結果、スキルとの相性を確認し、固有スキル:【キメラハント】に、メタクロベアー:【熊手】を追加しました——


 おまけに新スキルまで手に入った。

 何はともあれって言うのかな?

 私は達成感と一緒に、とんでもない目に遭ったと思うと、Nightに声を掛けた。


「これでいいんだっけ?」

「そうだな。私の方もアイテムは落ちた。スタットに戻るぞ」

「ううっ、アキラー。おんぶして」

「ごめんね、肩を貸すから歩いて」

「えー、はぁ、疲れた―」


 アキラ達はメタクロベアーとの死闘を制した。

 ギルド会館に報告しに行こう。

 転送場を探しに向かうと、私達は、速やかこの場所を離れた。

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