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◇54 ギルドランクを上げよう

この依頼は誰のもの?

「とりあえず、これでギルド登録は完了だな」


 私達は無事にギルドを作った。

 ミーNaさんからもちゃんと念押しをされた。

 そのおかげだろうか。私達は「気を付けてくださいね」と見送られ、列から解放されていた。


「それで、これからどうするの?」

「どうするって、暴れるんでしょ!?」

「はぁ。成長が無いんだな、二人共」


 Nightに罵られた。完全にジト目になっている。

 私とフェルノは首を捻るけど、それも仕方が無い。

 なにせ、ここから何をするべきか、全くのノープランだった。


「とりあえずもなにも、依頼を受けるのがギルドだ。pを貯めて、ギルドランクを上げることが、ギルドの目的の一つになる」

「「依頼?」」

「スタットには掲示板が設置されている。アレは、プレイヤー同士が交流する目的のために設置されている節が強いが、中にはギルドでは高難易度扱いになり、速やかに依頼を達成されない場合などにも利用されている。それと同じで、ここギルド会館では、ギルド公式・プレイヤー・NPC、多種多様な人からの依頼を取り扱っている。それを受理・達成・報告をすることで、ギルドとしての株が上がる。つまりは、ランクが上がるんだ。分かるな?」


 Nightの説明はちゃんとしていた。

 そのせいかな? スマートじゃないので、私達は一瞬立ち止まる。

 だけど意識を切り替え、上手い具合に理解をする時間を使うと、何となく分かった。


「つまり、依頼を受けるんだよね?」

「そう言うことだ。ってことで、依頼書を見に行くぞ」


 Nightを先頭に、私とフェルノは付いて行く。

 とは言っても、依頼書はほとんどが貼り出されている。

 見れば、プレイヤーがたくさん集まっている場所がある。

 部屋のように仕切られていて、そこにはボードにたくさんの依頼書の姿。

 加えて冊子になっているが、たくさんの依頼書が綴られている。


「うわぁ、結構置いてあるね」

「そうだな。とりあえず、この中から探すぞ」


 探すぞと言われても、目星もなんにも付いていない。

 そのせいだろうか、私は少し震える。

 そんな背中をフェルノが押すと、私達は依頼書を探す。って言っても、たくさん置いてあるんだけどね。


「とりあえず、まずは簡単なもので様子を見るぞ」

「えー、戦うのがいいなー」

「バカ。様子見は大事だぞ」


 冊子を手に、早速Nightとフェルノが言い合う。

 とは言え、私はNightに賛成だ。

 できるだけ、簡単なものから試したい。だって、怖いからだ。


「とはいえ、薬草の採取なんて、大したpにもならないからな」

「そういうものじゃないと思うけど……」

「戦闘系、戦闘系……あっ、これ面白そう!」


 フェルノは目をキラキラさせる。

 冊子の中から戦闘系の依頼書を探す。

 すると面白そうな依頼を見つけたらしく、私とNightに見せた。


「これこれ、これ凄く良い!」

「えーっと、〔火炎龍 ファイアドラゴンの討伐〕……無理だよ、こんなの!?」


 いきなり今のランクじゃ絶対に受けられそうにない依頼書を引っ張り出してきた。

 流石にそんなの無理。

 私は絶句すると、フェルノはムッとする。


「えー、いいでしょ?」

「ダメだよ。絶対勝てないよ」

「むーん。Nightは?」


 今度はNightに視線を向ける。

 私はNightの考えを読む。

 とは言え、Nightの言い分だ。きっと、フェルノの考えを真っ向から否定する。


「却下だな。今の私達で、この依頼は受けられない」

「えー、なーんで?」

「なんでもなにも、この依頼書は、Aランク以上でなければ、受理されない。分かるな? 私達じゃ、この依頼は無理だ。コレが全て、分かるな?」


 私はNightの真っ向否定を直面する。

 フェルノは厳しい言葉を吐かれ、瞼の下に、陰を落とす。

 だけどもはや付け入る隙は無い。

 私はフェルノの肩を叩くと、「ドンマイ」と言葉をあげた。


「今の私達はFランクのビギナーだ。もう少し簡単なものにしろ」

「簡単なものって言われても……えーっと、えっと」


 私は期待されている。っていうより、フェルノじゃダメだと呆れられている。

 如何したらいいんだろう。なにか言い依頼は無いかな?

 そう思ってキョロキョロ、超絶挙動不審な態度を取ると、不意に依頼書が一枚、目に留まった。


「あっ、コレ……」

「「ん?」〔メタクロベアーの爪の納品〕か……」


 大きなイラストが描かれていて、カッコいい。

 それだけじゃない。なんかビビッと来た。

 直感って言うべきなのか、それとも予想からか、一瞬視界に入った依頼者の名前に心当たりがあり、受けざるを得なかった。


「この依頼は……Fランクか?」

「メタクロベアーって、カッコいいね」

「そ、そうだね……うーん。受ける?」

「「嫌なの?」なにかあるのか?」


 私の顔色が悪い。

 Nightとフェルノの視線が痛い。


 とは言え、私は言葉を詰まらせる。

 なにせ相手は断り辛い相手。そう、相手は“〈《Deep Sky》〉:ソウラ”って書いてあるからだ。

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