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◇53 まずはFランクから

基になった作品だと、ギルドのランク設定が消えてたから、こっちでは残したいな。

「はい、これでギルド登録は完了になります」


 私達はもう一度列に並び直した。

 それから用紙を提出し、受理して貰った。

 これで私達はギルドを作ったことになる。

 何だか色々あった一日だったけど、上手く行って良かった。


「それではギルドについてご説明させていただきますね」

「ギルドの説明?」

「はい。重要なことなので、しっかりと聞いておいてくださいね」


 ミーNaさんの雰囲気が変わった。

 それだけ大事なことなのだろう。

 私とフェルノは気を引き締めると、ミーNaさんから今度は十数ページ綴りのパンフレットを渡される。


「あ、あのこれって?」

「そちらの資料には、ギルドに付いての規則等が記載されております。その中でもまずは、二ページを開いてください」


 ミーNaさんに促されるまま、私はパンフレットの二ページ目を開く。

 するとそこには“ギルドとは”と大々的に書かれている。

 大きな見出しに目を奪われると、ミーNaさんは復唱する。


「ギルドとは、ギルド連盟によって設立されたギルド会館より、正式に受理されたプレイヤー・及びNPCによる団体である。つまりは、ギルドとはプレイヤーやNPCの集合によって生まれた団体と言うことになります」

「つまりはパーティーの延長線上だな」

「その認識で間違ってはいませんよ。ただし、ギルドの定義上、原則ギルド連盟の制定した規約に従っていただきます。もちろん、違反した場合、それに応じたペナルティが課せられる場合もありますので、ご注意してくださいね」


 ミーNaさんの目が怖かった。

 つまり、もしも変なことしたら、さっきボコボコにされていた男性プレイヤー達みたいな目に遭う。思い返すだけで、鳥肌ものだった。


「そんなことしませんよ! ……多分」


 もちろん、絶対とは言いだせなかった。

 だって、何が地雷になるのかなんて分からない。

 だけど、できる限りは穏便に済ませよう。

 私はそう決め、拳を握った。


「それじゃあ、自由は無いってこと?」

「いえ、基本的には各ギルド毎の取り組みが認められております。また、当ギルド会館を始め、ギルド連盟はギルドに所属してくださっている皆さんを支援する方針を取っております」

「支援って?」

「具体的にはランクに応じて、様々な報酬やサービスを提供させていただいております。ランクはFから始まり、Sまで存在しておりますが、それに応じる形で、高難易度の依頼の提供や、素材の買取金額アップなど、特典を用意していますので、是非、当ギルドを利用してみてくださいね」


 なんだかそれっぽかった。

 私とフェルノは「ほぇ~」と達観してしまう。

 するとミーNaさんは一瞬目を細めた。

 それからNightへと視線を移すと、私達も釣られる。


「貴女はご存じなのですよね?」

「当然だ。調べずに来るとでも思ったのか?」

「いえ。構いませんよ」


 Nightの態度はやっぱりぶっきら棒だった。

 話を聞く素振りは見せつつも、一切目を合わせない。

 いつでも帰れるように用意しており、私は、これがペナルティにならないか心配だったけど、このくらいのこと、ギルドでは日常茶飯事な様子で、ミーNaさんはすんなり躱した。


「あの、ミーNaさん、ごめんなさい。Nightはいつもこんな調子で」

「それも構いませんよ」

「本当にごめんなさい。それじゃあ、私達はFランクからのスタートってことですか?」

「はい。皆さんのギルド、〈《継ぎ接ぎの絆》〉はFランクからのスタートになります。ですが、低ランク帯の内は、pも溜まりやすいので、たくさん依頼を受けてギルドランクを上げてみてくださいね」


 ミーNaさんは、手取り足取り優しく教えてくれる。

 だけど説明が少しずつ複雑になって行く。

 するとフェルノは頭を抱えだし、私も頑張って付いて行くも、その先に行けたのは、Nightだけだった。


「……と言うことになります」

「なるほどな。大体分かった」

「「分かったんだ」」


 私とフェルノは全く話を聞けていなかった。

 ここまで超高速詠唱のやり取りで、もはやミーNaさんとNightの会話だった。


「とりあえず、Nightさんが理解しているうちは、大丈夫そうですね」

「そうみたいだな」

「「ちょっと!?」」


 私とフェルノは完全に置いてけぼり。

 しかもミーNaさんもNightも、それを出汁に使う。

 私とフェルノはショックだったけど、それも諦めるしかない。


「ううっ、確かに理解できてないけど……」

「大丈夫だ。分からなくても良いことは、世の中たくさんある」

「そうですよ、アキラさん、フェルノさん。分からないことは、分かる方に任せましょう」


 もはやフォロー・フェーズに入ってしまった。

 私もフェルノも本気でぐうの音も出ない。

 ムッと表情をするだけで、私もフェルノも、遠ざかる目をしていた。


 とは言え、これでギルドは無事に登録完了。

 私達の物語は、ここから始まる。

 買って来た新しい空白のページを埋めるみたいで、なんだかワクワクした。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


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また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。

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