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◇24 現実で見つける?→無理だよね?

前回Nightが披露した武器。

ファンタジー感無いのが良いんですよ。

後、無理ゲーなんですよ。

 どれだけ走ったのか分からない。

 けれど私とNightはただひたすら墓地を逆走した。

 すると気が付けば森の中に居て、私達は背中を木の幹に預けていた。


「ぶはっ! ぜはぁぜはぁぜはぁぜはぁ……がっ、はぁはぁはぁはぁ……ぶへっ!」

「大丈夫、Night?」

「あっ!? この状態を見て、大丈夫に見えるのか?」

「ううん、全然見えないけど」

「だったらソレが全てだ。はぁはぁ……今日はもう終わりだな」

「えっ、そうなの?」


 一体何が終わりなのか分からなかった。

 だけどNightのこの有様を見ると、もう一回行くのは無理だ。

 と思ったけど、如何やっていったのかもよく分かっていない私には、もう一度行ける気がしない。


「私は帰る……うわぁ!?」

「Night!」


 Nightは先にスタットに戻ろうとした。

 こんな所でログアウトはできないからだ。


 けれど最初の一歩を踏み出した瞬間、足を躓き転びそうになる。

 私は咄嗟に滑り込むと、Nightの腕を掴む。

 とんでもない汗だ。後、足が震えてる。筋肉が全然無い証拠だ。


「Night、全然筋力無いよね?」

「大きなお世話だ! その分私にはこの頭脳とスキルがある」

「ううっ、なんだかな……」


 筋肉バカじゃなくて、インテリバカだった。

 私は上目遣いに考える素振りをしてみた。

 流石に言い返したい。けど、助けて貰って言い返せない。

 私は色々と考える中、Nightにある提案を持ち掛ける。


「ねぇNight。私達でシャンベリー攻略しない?」

「はっ?」

「だってここまで来てだよ。Nightも興味があるんでしょ?」

「……私は攻略勢じゃない」

「私も違うよ」


 話が噛み合わなかった。

 自分で振っておいたのに、自分から話を折っちゃった。

 するとNightは頭に手を当てる。首を横に振り、「こいつ、マジか」と言いたげだ。


「はぁ。確かに、ゾンビの群れに追われて終わるのはつまらないな」

「それじゃあ……」

「私もシャンベリーにはまた来る。とは言え、今度は一人だ。アキラとか言ったな、お前は来るな」

「ええっ!? 一緒に死線を潜ったのに? しかも、私も頑張ったよ?」

「初めに助けたのは私だ。分かったならもう関わるな」


 そう言うと、Nightはカッコ付けて私を突き放す。

 しかしこんなことで私は諦めない。

 何故だろう。何故なのかな。だけどそんなの理由は決まっていた。


「待って、Night!」

「しつこいぞ、お前」

「私と友達になってよ。そうすれば、一緒に行ってくれるでしょ?」


 私は酷いウザ絡みを始めた。

 Nightの腕を掴むと、お返しとばかりに関節技を決める。

 もちろん私はそんなつもりなかった。けれどグッと抑え込むと、Nightは険しい表情を浮かべる。


「くっ、なんだお前。どこにそんな力があるんだ」

「えっ、ちょっと筋トレしてるだけだよ?」

「ちょっとだと!? 着やせするタイプか……ああ、分かった。一旦放せ!」


 そう言うと、Nightは私の腕に捕まれ藻掻いた。

 流石にやりすぎかも。そう思って私は腕を放すと、Nightはもう一回転びそうになる。

 腕を痛そうに抑えると、私のことを睨み付ける。

 もちろんこうなるのは覚悟の上で、私も目を逸らさなかった。


「ったく。私は友達なんてもの作る気はない」

「えっ、ゲームのフレンドもダメなの?」

「そっちか! はっ、私はソロで充分だ。お前も見ていただろ」


 Nightは私に言い切った。

 もしかしなくても、Nightはカッコよく言って、孤高の存在。一般的に言って、ボッチだった。

 だけどそれを自分から進んで行く姿は、まさしく“現代人”の縮図。

 私はせっかくオンラインゲームなのに残念だと思った。


「そうだとしても!」

「ああ、もうしつこいな、お前! 分かった。友達にでもなんでもなってやる」

「本当に!?」

「ああ。ただし条件がある」


 私があまりにもしつこくウザ絡みするので、Nightの方が折れてしまった。

 肩を落として溜息を付くと、ジロッと睨みを利かせる。

 私のことを畏怖すると、指を突き付けて無理難題を言い放った。


「現実の世界で私を見つけてみろ」

「えっ?」

「それが条件だ。私は知りもしないウザい奴と、タダで友達になる程安くない」


 Nightは私にそう言い放つ。

 流石にそんなの無理な話だ。私はまず一発目に愕然とする。

 なにせCUはオンラインゲーム。つまり日本中・もしかしたら世界中の何処からでもログインができる。そんな世界人口四十億人の中から、たった一人の女の子を見つけるなんて真似、私にはできる訳なかった。


「無理だよね、そんなの」

「ふん。私にはできるがな」

「強がりはいいよ。ねぇ、せめてヒントは無いの?」

「ヒントごときでどうにかなるとでも思っているのか? まあいい。私はリアルと同じ見た目をしている。一度この姿を見たお前なら分かるはずだ」


 Nightは私にそう言った。

 もしかしてコスプレイヤーかなにかかな?

 そうとなれば、コスプレイヤーが活発的に行動できる場所がある筈。地元の近くからだと、関東圏無いなら……いや、それだけじゃ無理だ。途方もない。


「せめて場所のヒントくらい教えてよ」

「場所だと? そうだな、どのみち無理だろうからな。いいだろう、私の住んでいる場所を教えてやる。無論、住所じゃないがな」

「それでもいいよ。検索して……出て来るかな?」

「どうだろうな。一度しか言わないぞ。私が住んでいるのは、来栖だ」

「“くるす”?」

「二度目は言わないぞ。じゃあな」

「あっ、待ってよ。まだ話は……行っちゃった」


 Nightはたくさんのヒントをくれた。

 だけどそんなヒントじゃ何もならない。

 むしろ心許ないとしか言えないからか、私は半ばも前に諦めていた。


「はぁ、そんなの無理だって。Nightの意地悪……あれ、くるす?」


 私はもう一回溜息を付いた。

 こんなの溜息を溜め込んでても辛くなるだけだ。

 そんな私だったけど、ふと思い起こせば、一ヵ所だけ、地元の近くに心当たりのある場所があった。


「もしも”くるす”が、あの”くるす”だったら……明日行ってみようかな」


 私はちょっとだけやる気が出た。

 ここまで来たんだ。流石にやるしかない。

 私も明日に備え、寝不足解消のためにも早めにログアウトすることにした。

 今日と言う一日はやけに疲れたなと、私は肩を撫でるのだった。

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