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◇184 シャイニング・な・ロード

変なタイトル、付けたくなったんです。

 突然眩い光が、左右の部屋を包み込む。

 壁に開いた穴から射し込んだのは、まさしくその光。

 目が眩んでしまいそうな光りの線が、唐突に中央の部屋へと送り込まれる。


「ど、どういうこと!?」


 私はつい叫んでしまった。

 そんな中、Nightは握り拳を小さく作る。

 上手く行ったことに喜んでいるみたいで、「よし」と小さな声で呟いた。


「上手く行ったのね?」

「そうみたいですね」

「ヤッター! それじゃあ、これで……」

「いや、喜ぶにはまだ早いぞ」


 ここまで来れば後は簡単。

 そう思うのは甘いと、Nightは咎める。

 私達はピクンとなると、Nightは中央の部屋、元々置いてある、鏡付きの台座に触れた。


「最大の難点はここだ。後は時間との勝負になる」


 Nightは休んで何ていられなかった。

 誰よりも率先して動くと、私達の思考の外側を行く。


「時間との勝負?」

「なに言ってるによ。光源は手に入ったんだから、後はじっくり待つだけでしょ?」


 Nightの意味深な言葉。ここからは時間との勝負だと決め、テキパキと行動する。

 それに対して、ベルは口を挟んだ。

 そんな時間さえ惜しいのか、Nightは片手間で受け答えをする。


「そんな簡単に済むと思うか?」

「どういう意味よ?」

「光源は、いくら電脳世界とは言え、虚構自然(しぜんゆらい)のものだぞ。つまり……」


 Nightの言葉は正しかった。

 多分だけど、そのままの意味で、ストレートに言った。

 穴から射し込んだ光が、少しずつ、光量を失っていたんだ。


「あれ、光が」

「少なくなっていますね?」


 何が起きているのかな。私達は考える。

 それからふと天井を見上げた。

 虚構自然……つまりは月を使っている。月の明かり……あっ!?


「「月も動いているから!?」」

「正解だ。分かったなら急ぐぞ」


 簡単なことで見落としていた。

 月だって動いているんだ。このダンジョンはそうだった。

 私達は閃くと、急いでNightを手伝う。もちろん、何を手伝えばいいのかなんて、分からなかった。


「それで、どうしたらいいの?」

「左右の部屋から射し込んだ光を、この鏡に当てる」


 左右から取り込んだ光。

 コレを中央の鏡に当てる必要がある。

 難しい難題に私は頭を使った。


「えっ、そんなのできるの?」

「まぁ、できないだろうな」


 少し考えれば分かるけど、角度の違う光を、直接一つの鑑に集めるなんて無理だった。

 できたとしてもかなり難しい、ミリ単位の奇跡が必要。

 自然相手だとそれもとんでもない確率で、Nightも無理と断言した。


「できないってなによ、それ!」

「今のままでは不可能だ」

「と言うことは、何かしらの細工が必要と言うことでしょうか?」

「そうなるな……本当ならば、道具を用意するんだが、丁度良い。雷斬、ベル、コレを持て」


 そう言うと、インベントリから二枚の鑑を取り出すNight。

 本当は道具を使うって言っていたけど、これも道具だと思う。

 それを雷斬とベルに手渡すと、指定した位置に立たせた。


「なによコレ?」

「まさかとは思いますが……

「そうだ。その鏡を使って、光を屈折させて、角度を変えるぞ」

「「やっぱり」ですね」


 想像通りの作戦だった。

 鏡を使えば、光を屈折させて、曲げることができる。

 そうすれば、左右の部屋から角度違いで入って来る光も、一点に集中できるって散弾だった。


 そんなに上手く行くのかな?

 雷斬とベルはそれぞれ違う場所に立たされ、鏡を持つように指示されている。

 大変な体勢になっているけれど、そんなこと言ってられなかった。


「うわぁ、眩しい!?」

「目が、痛いですね……」


 左右の部屋から射し込んだ光。

 二人が手にした鏡に当たると、とんでもない眩しさになる。

 目を開くなんてとても無理。あまりの眩しさに目が痛くなると、涙目を浮かべていた。


 だけどそのおかげで、Nightの思惑通りになった。

 光は凝縮され、一点に絞られる。

 そのまま腕で角度を調整すると、中央の鏡付き台座まで届いた。


「真ん中の鏡が光ってるよ!」

「光が集まってるってこと?」

「そう言うことだ。そしてその行く先は……」


 二人のおかげで、光は中央の鏡に集められた。

 ピカンピカンと眩しくて、部屋中が明るくなる。

 目が痛いのも無理ないけれど、本題はここかららしい。


「「うわぁぁぁぁぁ!?」」


 集められた光は、突然一直線に放たれた。

 そのままここまで続く細い通路に入っていく。

 すると如何したのか、突然光が屈折し始め、ピカピカと眩しくなった。


「な、なにが起きてるの?」

「コレが目的だ」

「コレがって……なに?」


 私とフェルノはポカンとしていた。

 確かに真ん中の通路には、光が反射するように、鏡が幾つも設置されていた。


 多分だけど反射光を利用しているんだけど、如何してこんなことするのかな?

 絶対に何か意味があるとは思うけど、私もフェルノも定かじゃない。


「Night。コレってどんな意味があるの?」

「行けば分かる。この光の道が導になってくれる筈だ」


 ちょっとカッコいい言葉を口にした。

 エンタメが好きそうな人は飛び付きそう。

 フェルノはその部類で、「いいねいいね」と口々に言う。


「ねぇNight。私達はどうするのよ?」

「少し待っていてくれ」

「待つんですね。分かりました」

「はぁ……なにも無かったら、許さないわよ」


 ここで二人が居なくなったら、光の道が消えるかもしれない。

 そこでNightは待機するように指示を出した。

 何だかお留守番みたいで嫌だった。


 だけど雷斬はスッと受け入れた。けれどベルは睨み付ける。

 性格の対比って奴かな。面白い。けど怖い。

 私達は、ベルに睨まれつつも、私達は通路を歩く。


「ヤバッ、眩し過ぎるよ」

「目を開けるなよ。持っていかれるぞ」


 “持っていかれる”の意味が何だか怖かった。

 だけど本当に目が焼けてしまいそうなくらい眩しい。

 私達は一本道を良いことに、罠を感覚で避けつつ、できるだけ目を細めて進んだ。


 それから程なくして入口の部屋に戻る。

 そこには相変わらずの水晶があったけど、様子がおかしかった。


「ねぇ見てよ。水晶に光が当たってるよ!」

「そうだな。なるほど、窪みだけではなく、水晶にも……面白いな」


 何故か入口前の部屋の天井。そこに灯りとして設置した水晶にも、光が透過していた。

 あの光の道から届けられた光がここに繋がっていたんだ。

 少し予想を外れたけど、これはこれで綺麗だった。


「それでNight。この後は……Night?」

「見てみろ、アキラ、フェルノ。床を」

「「床?」」


 私とフェルノはNightに促された。

 入口前の部屋の床。そこには変な仕掛けが施されていた。

 暗号みたいだけど、最初は無視していた。だって分からなかったから。

 それが水晶から射し込んだ光のおかげで、ハッキリと見えるようになっていた。


「うわぁ、ちゃんと見える!」

「そうだな。だが問題はそこじゃない」

「そこじゃないって?」

「簡単だ。こうして見えるようになったってことは、つまりこれが最後の謎だ」


 床に幾つもできた窪み。そこに光が落ちている。

 おかげで溝がハッキリとしていた。

 何かの模様みたいで、Nightは見据える。


 これこそが最後の謎。三つ目の謎になっていた。

 だけど私もフェルノもまだピンと来ていない。

 ゆっくりと状況を飲み込む。


「「謎?」」

「そうだ。どうやら三つ目の試練が明らかになったらしいな」

「つまりコレが、それってこと?」

「そうだ。さぁ、最後の一つを解きに行くぞ」


 ここまで来たらテンションも上がる。

 私達は一層喜んだけど、最後の謎は難しいと思う。

 ようやく二つの謎が進み、私達は三つ目に挑んだ。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。(面白かったら5つ、面白くなかったら1つと気軽で大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が燃えます!)


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また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。

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