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【リメイク版】VRMMOのキメラさん〜モンスターのスキルを奪える私は、いつの間にか《キメラ》とネットで噂になってました!?  作者: 水定ゆう
5ー3:星の線を結んで

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◇172 鏡の台座

現れたのは、広い部屋に、ポツンと置かれた鏡。

「ここが次の部屋か」


 やって来たのは新しい部屋。

 罠を潜り抜けた先で待っていたのは、まあ広い部屋。

 少なくともここは八畳はある。最初の部屋と同じくらいだ。

 後、真ん中に変なものが置いてあった。


「ねぇ、見てよ。アレ」

「古い鏡だな」


 何故か部屋の真ん中に鏡が置いてあった。

 しかもただの鏡じゃない。

 ターンテーブル式になっていて、台座と一体化している。

 そのおかげか、クルクル回転しそうだった。


「コレが次の謎か」

「そうみたいだよ……ねぇ見てよ。ここに変なマークが書かれてる」

「マーク? 三分の二?」


 台座を真剣に見てみると、変な文字が刻まれていた。

 2/3とわざとのように掘られている。

 しかも随分と新しくて、なんとなくだけど、変な想像をした。


「もしかしてコレ……」

「目印だな」

「やっぱり。多分だけど、オブジェクトに目印を付けたままにして……」

「それ以上言うな、野暮になる」


 確かに野暮な話だとは思う。

 だけどここに来てわざとらしく手を抜いている。

 2/3ってことは、コレは三つの謎の内、二つ目ってこと。

 つまり、この鏡の謎を解けってことかもしれない。


「どうしますか、この鏡、動かしてみますか?」

「そうだな。頼めるか?」


 雷斬は、Nightに言われて鏡を動かす。

 ターンテーブルを回せば方向が変わる。鏡自体を動かせば角度が変わる。

 色んな意味で謎を深くするものだった。


「変わりませんね?」

「そうね。適当に動かしてもダメみたいね」


 雷斬とベルはあてずっぽうで動かしてみた。

 だけど何にも起きてくれない。

 当然のことで、きっと謎が待っている。


「うーん。あっ、アキラ!」

「どうしたの、フェルノ?」

「あったよー、石碑みたいなの」


 フェルノは部屋の中に隠されていた石碑を見つけた。

 ひたすら壁を触っていると、隠されていたものが出て来た。

 最初部屋に入った際、石碑が無くて、何故か鏡付きの台座しかなかったけれど、まさか壁の中に隠してあったなんて思わなかった。


「何処にあったの?」

「ここだよ」

「ここって……シミ?」


 フェルノが指差したのは、壁の下の方。

 ネジとかは付いていないけれど、壁の一部が取り外せるように、わざとパネルになっている。

 指を引っ掛ける凹凸があり、引っ掛けると簡単に剥がせた。


 おまけに目印として黒いシミが付いている。

 四隅を丁寧に象っていて、ここですよって言ってる。

 私は親切過ぎた運営に感謝する。


「黒いシミだな……カビではないか」

「Night、触ったらダメだよ!」

「そうだな。利用できるカビもあるが、体に害があるものも多い。早計だったか」


 Nightも見つけた石碑を見ようとした。

 その前に壁に付いた黒いシミが気になる。

 凝視していたが自然と手が前に出ると、黒いシミを指で撫でた。


 もちろん私は急いで引き剥がす。

 流石にカビなんて触らない方が絶対にいい。

 Nightもそれが分かった上でカビを触り、手を放すと、らしくない態度を見せた。

 本当に早計過ぎて私はおかしなNightに首を捻る。


「まあ、手袋は着用していたが」

「い、いつの間に?」

「今だ」


 けれどそんな心配は要らなかった。

 いつの間にか手にはとっても薄い透明な手袋をはめている。

 カビを直接触ることは無く、シミだと確認すると、私の心配をよそに石碑へ視線を移す。


「なるほど。次はコレか」


 私達は石碑を見つめた。

 するといつもの通りメッセージが浮かび上がる。

 そこには〔太陽の古代遺跡の謎2:星の試練〕と銘打っていた。


「星の試練?」

「2ってことは、まだ続くってことかなー?」

「そうだろうな。それで、肝心の謎は……」


 Nightは映し出されたメッセージを読んでみる。

 文字数的にも最初の謎と同じくらい。

 完全に合わせて来ていて、作りも同じ、つまり担当者が同じってことだ。


「示すのは鏡の調べ。二つの扉の奥、かの刻より刻まれし古の図が彩る。

答えは宙の彼方に今もある。暗闇が支配する世界で星々は踊る。

見出すは異なる図形。それを用い、月満ちたる光を通せ。さすれば鏡、光来の道を行きて、真実を誘うであろう……か」


 Nightはとりあえず口に出して読んでみた。

 最初の謎と同じで、ヒントはたくさんある筈。

 だけど今度も難しそうで、早速Nightに訊ねた。


「……えっと、どういうこと?」


 私も一応流し見した。だけどよく分からない。

 間違いなく、あの鏡を使うのは確定。

 だけどそれ以前に、“二つの”が何を示しているのかピンと来ない。


「ねぇ、この二つのってなに?」


 私は意を決してNightに訊ねる。

 するとNightは周りを見回す。

 この部屋に置いてあるのは台座に固定された鏡が一つだけ。

 他には鏡は無いし、ましてや二つの扉がない。この部屋には、扉っぽい物は何もなかった。


「むぅーん、二つの扉ってなに?」

「そんなもの無いよね?」

「どうだろうな」

「「ん?」」


 見た所扉らしきものはない。

 私達がここに来たのも、通路を通っただけ。

 確かに壁が開いたから、アレを扉って思い込めば扉だけど、二つも無い。


「どうだろうなってー?」

「扉は隠されている可能性がある」

「隠されてる? 何処に隠されているの?」


 私はズバズバとまだ分からないことを聞き続ける。

 するとNightは立ち上がり、部屋の中を見回す。

 妙に広い部屋の中。とは言え物はない。気になることが山積みだ。


「この部屋の何処かにヒントがあるかもしれない。それを見つけない限り、この先には行けないだろうな」

「この謎を解かないとダメだもんね」

「そうだ。少なくとも、一日で見つかる山とは思えないな……少し情報を洗うか」


 Nightの中で方針が決まったらしい。

 私達はそれに従うことにする。

 だってそれが一番手っ取り早そうで、確実な道だった。


「それで、まずはなにをするの?」

「とりあえず、二つの扉を探す必要があるな」

「そうだね。みんな、扉を探すことになったんだけど……あれ?」


 ふと視線を前に向けた。

 これからこの二つの扉らしきものを探すことに決めていた。

 けれど雷斬とベルの様子がおかしい。何故か壁をコツンコツン叩いている。


「どうしたの、二人共?」


 私は二人に訊ねる。

 もしかしたら何か見つけたのかも。

 前にお母さんが行ってた。壁を叩いて、音が返って来なかったら、そこは空洞。つまり何かあるんだって。


「もしかしてなにか見つけたのー?」

「えーっと、どうでしょうか?」

「そうね。なにかありそうだけど、音が広がり過ぎている……いうより、ねぇ?」


 雷斬もベルも歯切れが悪かった。

 だけど少なくとも壁の奥に何かあるのは確実。

 これは二つの扉の謎もすぐに解けるかも? 私は少しだけ喜ぶと、二人の手伝いに向かった。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


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