◇161 乗せられてやるよ
ここから5-2。掲示板シーンからスタートです。
※実はこの話、後半から書いたので、前半書く頃にはよく分かってないんですよ。正直何を書いたのか、何がしたかったのか、書いた後に読み返しても分からない。そんな気持ちで軽く読んでください。
1:月の魔王
—皆さんは太陽の遺跡をご存じですか?
2:ソリューム
>太陽の遺跡?
3:名無しの槍使い
>知らねぇ~
4:梅水晶
>何所情報だよ
5:月の魔王
—ソースは私です
6:月の魔王
—スタットから三十キロほど離れた古代林の中で見つけました
7:ソリューム
>はぁ?
8:梅水晶
>知らねぇよwww
9:ケチャップ&マヨネーズ
>ソース自分って、w
10:月の魔王
—私はこの目で見た真実を言っています
11:月の魔王
—とは言え証拠はありませんね
12:月の魔王
—ガセだと思ってくださって構いませんよ
13:ソリューム
>……ああ
14:名無しの槍使い
>ごめんって
15:ケチャップ&マヨネーズ
>なんか、マジっぽい?
16:梅水晶
>ちょっと調べてみるか……あはは
17:白子
—おいおいどうしたんだよ
18:白子
—冷め過ぎじゃね?
19:白子
—なんかあったのか?
20:ケチャップ&マヨネーズ
>白子さん!
21:梅水晶
>メシアだ。メシアが降臨なさったぞー!
22:ソリューム
>白子さんキター(°∀°)-¡
23:白子
—スレ見たけど、面白くね?
24:白子
—月の魔王さん、ちわーすっ
25:月の魔王
>相変らずですね
26:白子
>どうもっす
27:ぽるん
>まさかの知り合い!?
28:ケチャップ&マヨネーズ
>ってことはマジってこと!?
29:ぽるん
>しかも白子さんが後輩ポジってマ?
30:月の魔王
—話が混沌としていますが、本題に入りますね
31:ぽるん
>まさかのスルーw
32:月の魔王
—太陽の遺跡を見つけた私ですが中には入れませんでした
33:ぽるん
>入れないってマ?
34:ケチャップ&マヨネーズ
>入れないんですか?
35:梅水晶
>じゃあなんで太陽の遺跡って分かるんだよ
36:月の魔王
—あくまでも偶然見つけただけで、結界のようなものが張られていました
37:月の魔王
—中に入るのは不可能ですね
38:月の魔王
—その上、最低限必要なアイテムがあるそうです
39:白子
>アイテム?
40:白子
>なんすかそれ?
41:月の魔王
—歯車形状のアイテムです
42:月の魔王
—太陽の模様が描かれているそうですよ
43:ソリューム
>ちょっと待てよ
44:ソリューム
>なんでそんなの分かるんだよ
45:月の魔王
—私は目がいいんです
46:月の魔王
—遺跡には立ち入れませんでしたが、扉に描かれた模様が見えました
47:月の魔王
—その模様が太陽と歯車だっただけです
48:白子
>関係ありそう―
49:ソリューム
>確かになー
50:梅水晶
>けど入れないんじゃ意味なくね?
51:ケチャップ&マヨネーズ
>確かにそうかも
52:白子
—それで月の魔王さん、アイテムの入手経路は?
53:月の魔王
>それは分かりませんね
54:月の魔王
>ですが誰かに伝えたいと思ったんです
55:月の魔王
—是非皆さんで遺跡の正体を解き明かしてみてくださいね
56:白子
>結局丸投げかよ
57:白子
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暗がりの中、何枚ものディスプレイが光る。
青白く映るソレは、真っ暗な部屋の中で発光していた。
そんな中、ディスプレイを見つめる私は、キーを打つ手が止まる。
少し気になるものを見つけたからだ。
「なんだ、このスレは」
私はネットの海を探索していた。
些か気になってしまい、例の歯車に関する情報を集めていた。
しかしなかなか見つからず、検索キーワードが違うのではと疑ってしまいそうになる。
そんな自暴自棄とまではいかないが、成果が得られないまま潜り続けると、私はついに可能性にぶち当たった。そう、謎のスレを見つけたのだ。
「太陽の遺跡だと?……タイミングは合い過ぎている」
明らかに怪しいスレットだった。
もちろん、ネットの掲示板でしかない。
所詮は真実などを掻き込む訳ではなく、嘘やハッタリを重ね、大勢で盛り上がる場所。
ここはそう言う場所で有象無象が存在している。
けれどこのスレットは何処か妙だ。
例えとして面白くはないが、運営が関わっているような節を感じる。
これはあくまでも私の勘でしかないのだが、違和感にさえ思えてしまう。
そう、明らかに気付かせるための違和感だ。
「どう言うつもりだ?」
私は手が止まったままジッとする。
腕を組んで考え込むと、聡明な頭脳を活用。
高速で可能性を見出していく。
「恐らくこのスレットは本物だ。いや、偽物なんて存在はしないが、重要な手掛かりなのは間違いない」
私にそう思わせてしまう程、上手くでき上がっていた。
もちろん見た目では単なるスレットだ。
閲覧されている回数も、あくまでもCUを遊んでいるプレイヤーがほとんどだろう。
情報と意見交換の場に使っているのだろうが、コレだけの数はあまりにも不自然だった。
「とは言え、一体なにが目的なんだ?」
仮に運営が立てたスレットだとして、わざわざ公式サイトに載せない意味が分からない。
もしかすると情報を開示する機会を待っている?
何故そのような回りくどいことをするのか。私は少し考え方を変えてみると、単純明快だ。
「あくまでも情報を開示する気はない。多くの目に触れるためではなく、少数の一個人に対するものだとすれば、辻褄は合うな」
公式サイトに掲載すれば、それだけで多くのユーザーに知られることになる。
わざわざスレットを立てて情報を公開したのは、それらを避けるための行為。
多くのユーザーにではなく、寧ろ少数の一個人に対するものだとすれば、話は何となく見える。私達が手にした歯車、アレを手に入れるものの情報を、運営は調べているのだろう。
「つまり、監視されている?」
その可能性は大いにある。
何故ならCUで得られる情報はほぼ全てエルエスタ・コーポレーションに提供される。
もちろん規約違反だと文句は言えない。何故ならゲームを始める前に念入りに確認させられた契約書。そこに情報の提供や開示・利用など、事細かに了承するよう書かれていた。
あくまでも個人情報を流出させたり、妨害・不当な利用はされないものの、こうして不正にもなれない利用がされてしまうのは、諦めて飲み込むしかなかった。
「やってくれたな。コレは私を狙い撃ちしたな」
その中でも今回は、私が情報を集めていることを理解している。
特に掲示板を利用することも把握済み。
だとすれば明らかに歯車を手にしたプレイヤーへの挑戦状になる。
ガセだと疑いスルーすることもできたが、性格まで把握されていると判れば論点は変わり、私は苦虫を噛み潰すと、冷たい火を瞳に燃やす。
「エルエスタ・コーポレーションが世界でも特殊な立ち位置にあることは知っている。国連でさえ手出しができないそう言う会社であり・機関なことは分かっている。だったら乗せられるだけ乗せられてやる。なにを求めているのかは知らないが、精々楽しませて貰うぞ」
私は不気味な笑みを浮かべてしまった。
もちろん怒りが込み上げている訳ではない。
私なんかでは到底超えられない高い壁、それが挑戦者として低くも立ちはだかってくれたことに嬉々していた。気持ち悪いのは明白、それでも私は乗せられると、早速情報を洗った。これは単純にガセではない、真実なのだと確信したからだ。
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