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106/230

◇106 星の数がえらいこっちゃ!?

後半部分は今までタイプの書き方です。

ヘンテコだけど、意味があるんです。考えてこれなんです。

このシステムを受け入れてください。お願いします!

「あっ、スキルが手に入った」

「スキルが、手に入った、ですか?」


 まさか新しいスキルが手に入るなんて思わなかった。

 私はゴールデンスコーピオンを倒したことで、サソリらしいスキルを貰った。

 だけど使い方が分からない。おまけにゴールデンスコーピオンと戦ったけど、魅力が分からない。


「嫌だな、【蠍尾】って。絶対お尻からサソリの尻尾が生えるよ」

「えっ、と、どういう意味でしょうか?」

「そのままだよ、雷斬」

「そ、そのまま、ですか? そうですか、そうですね。はい、分かりました」


 雷斬はとてもじゃないが、困り顔をしていた。

 多分だけど分かってくれていない。

 もちろん私も初見で理解してくれるとは思ってないから、雷斬は全然悪くない。


「それより雷斬、体は大丈夫?」

「はい。問題ありませんよ」

「そ、そうなの? ちょっとだけ無理してるよね。汗、出てるよ」

「えっ!? ほ、本当ですね。私としたことが」


 雷斬の首筋から汗が噴き出ている。

 もちろん普通の人は気にしないことだけど、私は如何しても気になる。

 雷斬本人も、汗を見破られるとは思わなかったのか、暴かれたことで白状する。


「確かに私の種族スキル、【雷鳴】は身体に影響を与えます。自らが雷になるので仕方がありませんが、高速戦闘は非常に体力を消耗します」

「そっか。だから最小限だったんだね」

「そこまで見破られていましたか。流石はアキラさんですね」

「そんなことで褒めなくていいよ。でも無理はしないでね。それと、助けてくれてありがとう」


 私は矛盾することを言った。

 本当は雷斬にも無理はして欲しくない。けれどその反面、雷斬のおかげで助けられた自分がいる。なんだか素直に喜べないけれど、これ以上言っても仕方が無い。

 だって、もう終わったことなんだから。次から気を付ければいい。


「えっと、それじゃあ戻ろっか」

「はい、アキラさん。と言いたいですが、またなにかありますよ」

「うん、私も気になってた。宝箱がまた置いてあるよね」


 ゴールデンスコーピオンを倒した後、同じ場所に宝箱が置いてあった。

 何だか嫌な予感がする。もしかしなくても、罠だと思う。

 私は雷斬と一緒に警戒するも、宝箱は近付いて来ない。


「もしかして、安心な奴かな?」

「その様ですね。近付いてみましょうか?」

「うん。どっちかな?」

「それは分かりませんが、開けてみましょうか」


 私と雷斬は宝箱に近付く。けれど罠っぽくは無くて、近付いただけじゃ何も起きない。

 開けてみるしかないのかな? ゴクリと喉を鳴らすと、雷斬は刀の切っ先を宝箱の上蓋に当てた。

 下から引っ掛けるようにして押し上げると、パカッと扉が開いた。


「なにも、起きない?」

「起きないですよね。中には……あれ?」

「えっと、これは……メダル!?」


 宝箱の中にはメダルがたくさん入っていた。

 私と雷斬は宝箱の中に目をやる。

 大量のメダルがキラキラ輝いていて、恐れながら手を突っ込んだら、なんと全部本物。しかも描かれた星の形はまちまちで、星が無いのもあるけれど、一つ・二つ、それから脅威の三つが彫り込まれていた。


「凄い、星三つだ!」

「なんだかそう言われると嬉しいですよね」

「うん。やった、もしかしてこれが報酬? それとも景品?」

「分かりませんが、ゴールデンスコーピオンは本当に宝箱を守る番人だったみたいですね」

「よかったね。倒せて」


 正直、倒せるように設計されていたのかは分からない。

 けれど私達は無事に倒した。

 これって結構凄いこと、かな? 分からないけれど、手に入れたメダルを雷斬と一緒に均等に分けた。


「よし、これでいいのかな?」

「あの、アキラさん。本当に私も均等に分けて貰ってよかったのですか?」

「いいよ。だって雷斬のおかげで削れたんだもん。本当にありがとうね」

「いえ、護衛として当然のことをしたまでです。それにアキラさんのおかげで私は自由に戦えましたから」

「私のおかげ?」


 正直、私にとっては普通のことをしただけ。だって雷斬が窮屈そうにしていたから。

 少しでも晴れ晴れしく戦えれば御の字って奴なのかな?

 私はそう思っていたけれど、雷斬は見事に応えてくれた。本当にカッコいいって、正直思う。


「それじゃあ帰ろっか」

「そうですね。ですが一体どうすれば……」

「そうだよね。えっと……うわぁ、な、なに!?」


 急に地面が揺れ出した。砂が隆起し始め、私達は足が竦む。

 体が崩れて砂に飲まれると、一瞬で体を覆われた。


「雷斬、これって!?」

「メダルを取ったからでしょうか?」

「分からないけど、また息が……うっ」


 私は頭までスッポリ埋もれてしまった。雷斬の姿なんか、当然見えない。

 意識が砂に奪われる。体が動かず息もできない。

 完全に死んだと思い、意識が遠のいていく。

 あー、こんな終わり方か。そう思った私は抵抗するのを止めてしまった。




 アキラと雷斬の二人が戻って来ません。

 あれから一時間ほど経ったのだが、何の音沙汰もない。

 地上では陽に焼かれる思いで、パラソルを立てて休むNightとフェルノの姿がありました。


「ねぇ、Night-」

「なんだ?」

「二人はいつ戻って来るのかな? 助けに行った方がいいんじゃないのー?」

「それはそうだが、残念だがパスだ」


 アキラと雷斬が戻ってくる気配が無い。

 流石にフェルノは気が気でなく、助けに行こうとする。

 けれどNightは冷静で、二人の救助には向かわない。


「どうしてー?」

「助けに行って、私達が死んだらどうする」

「そんなことあるかなー?」

「ミイラ取りがミイラになる。よくある話だ」


 Nightはリスクヘッジが上手かった。

 正直、助けに行こうにも手段が無い。

 仮に助けに行こうとして、自分達が危険になったら本末転倒。

 全てを計算の上での発言だった。


「という訳だ。だからここは大人しく待って……ん?」


 ザサザサザサザサザサァ!


 気色の悪い音が聞こえてきました。

 パラソルの影で休んでいたNightとフェルノは飛び上がる。


「な、なんだ!?」

「見てよ、Night。砂がガサガサしてる」

「隆起しているのか。まさか、私達まで飲み込んで……はっ?」


 Nightもフェルノも驚いています。

 突然砂漠の砂が蠢き出せば、誰だって同じような反応をします。

 自分達まで飲まれるのでは? そんな想像が働くも、Nightとフェルノは驚愕の光景を見ます。


「アキラ、と雷斬?」

「凄い、二人が地面の中から戻って来た!?」

「バカか。そんな話ある訳……いや、ここはゲームだ」


 あまりにもメタ的な発言をしたNight。確かにここはゲームの中だと認識。

 けれどそれさえメタ的だと受け入れるしかない。

 ここはゲームの中。物理法則はあるものの、それさえ凌駕することはある。


「まさか砂が盛り上がるなんてな」

「普通じゃないの?」

「そんなバカな話が、そう起きてたまるか!」

「あはは、それもそうだよねー」


 確かに砂漠の隆起が目覚ましく起きれば、世界は一変する。

 現実の世界は早々に壊れ、住めた惑星じゃない。

 Nightの当たり前を取り込みつつ、フェルノは倒れている二人に駆け寄る。


「おーい、アキラー。起きてー」

「ううっ」

「起きてよー。ねぇ、ねぇってばー」


 フェルノはアキラの体を起こすと、ブンブン振った。

 上下にシェイクさせられると、首が上下にブンブンされる。

 首が飛んでしまいそうな勢い(※そんなことは無い)だが、まるで目覚める気配が無い。


「全く。呑気な二人だ」

「呑気って言うのかなー?」

「意識が混濁しているのかもしれないな。よし」


 今度はNightが挑戦することにした。

 フェルノと同じで乱暴……かと思えば、体を優しく揺する。

 ゆっくり体を擦り、何とかして起こそうとした。けれど……


「アキラ、雷斬、起きろ!」

「おーきーてー」

「おい、いい加減起きろ」

「ううっ、苦しい」

「黙れ。さっさと起きろ!」


 そんな二人の姿がありました。

 Nightとフェルノは声を掛け、二人を起こそうとする。

 結果として中々起きず、しばらく格闘を続ける。状況に困惑様が映り込み、データとして蓄積しました。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。(面白かったら5つ、面白くなかったら1つと気軽で大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が燃えます!)


ブックマークやいいねに感想など、気軽にしていただけると励みになります。


また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。

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