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101/230

◇101 女侍を助けたら?

”女侍”なんて言葉、初めて使いましたよw

ここまで読んでくれた猛者たちよ、100話記念にレビューくれくれお化け~

「ううっ……」

「あっ、Night・フェルノ、起きたよ!」

「ここは……」


 ギラギラとした太陽の陽射しが、私達を照らし射る。

 そんな中、ようやく解放した少女は目を覚ます。

 薄っすらと瞼を開けると、視界に映り込んだのは三人の少女達。

 私達のことを不審に思いながら見つめると、体をすぐさま起こして刀を手にする。


「離れてください」

「えっ?」


 日本刀を鞘から抜いた。

 あまりにも素早く、普通に考えて避けるなんて無理。

 だけど私は慣れているので、一番近くにいたけれど、無事に怪我をせずに済んだ。


「ちょっと危ないよ!」

「す、すみません。ですが、何故……私、に……」

「お前が倒れたからだろ」


 突然攻撃を仕掛けて来た少女は全身から汗を流す。

 しかも湿った生々しい汗で、疲労を露わにしている。

 そんな少女にNightは溜息を吐く。介抱したにもかかわらずで、私は仕方ないと思って宥めようとした。


「私が、倒れた?」

「そうだ。熱中症で倒れたんだぞ」

「熱中症……はっ、ではこの点滴は」

「私達が用意したんだよ。とっても辛そうだったから、助けてあげたくて」


 私は何とか聞き入れてもらおうと思って、必死に説明した。

 弁明の様な形になっちゃったけど、その想いが伝わったらしい。

 手にしている刀を鞘に納めると、全身から殺気を殺した。


「ふぅ、すみませんでした。助けていただいたにもかかわらず、なんと言う無礼を働いてしまったのでしょうか。本当に申し訳ございませんでした」

「あっ、えっと……」

「律義な奴だな」

「だねー、そんなのいいのにー。後さー」

「ふぅ……あっ、体が」


 少女は急に素に戻り、血圧の流れが急上昇から急下降した。

 そのせいか、ゲームの中とは言え体を崩す。

 フラリと足下から崩れると、砂漠の砂の上にしゃがみ込んでしまった。


「ダメだよ、安静にしていないと」

「しかし、これ以上厄介になるのは」

「今更言っても仕方が無いだろ」

「あはは、追い打ちだー」


 少女は私達にこれ以上迷惑を掛けるのを嫌がった。本当に律義で真面目だ。

 そんな中、Nightは一切容赦しない。

 今更と決めつけて少女の心を抉ると、つい瞼を閉じ前髪が表情を隠す。


「そうですね。本当に、なんとお礼をすればよいのか」

「お礼なんていいよ。それよりもう少し休もう。ねっ」

「ありがとうございます」

「そこはかたじけないとかじゃないんだ」

「かたじけありません」

「ありがとう、フェルノのノリツッコミに乗ってくれて」


 少女はとても真面目なので、求められることをする。

 自分の格好が武士っぽい、まさに女侍。

 だからこそ、言葉遣いをキャラに合わせるが、そんなことしなくてもよかった。


「それで、どうしてこんな所にいたの?」

「そうだな。砂漠に来るなら水分を忘れたとか言うなよな」

「実は……」

「まさか、初期位置か!?」

「うわぁ、それは災難だったねー。うんうん、地獄だよねー」


 少女が何故熱中症になったのか。砂漠を歩いていたからだ。

 ましてや水分補給もまともに摂れなかった。イベント参加中は、リタイアしない限り街に帰れないからだ。

 おまけに初期位置なんて災難だ。どれだけLUK(運)のパラメータが下がっていたのか、私は少女を気の毒に思う。


「大変だったね。それじゃあ、メダルは?」

「残念ながら、あまり」


 少女はそう言うと、インベントリの中からメダルを取り出す。

 星一つのメダルがほとんどで、枚数も少なめ。

 十枚以下しか集まっていないから、正直優勝は難しそう。

 って、私達もそんなに集まっていないけれど、もっともっと大変そうだった。


「あっ、そうです。助けていただいたお礼に、どうぞお受け取りください」

「「はっ!?」」

「ダメだよ、流石にそれはダメだと思う」


 少女は助けたお礼にメダルをくれようとした。

 流石にそんなのダメだ。私は第一声から断る。

 すると少女は首を捻り、頭の上にハテナを浮かべた。


「何故でしょうか?」

「何故もないよ。だって、そんなことしたら……」

「私は初めから優勝を狙っていませんので、どうぞお受け取りください」


 少女はメダルを差し出し、私の手の中に押し込もうとする。

 だけど私はそれを全力で拒否。

 コレは受け取っちゃダメな気がした。受け取るなら、もっと良い物がある気がする。


「ダメだって。それにまだ時間はあるよ」

「それはそうですが、私はなにもお礼ができません。そのような真似、私は致しかねます」

「律義だな、本当に」

「うんうん、真面目って言うか律義だねー。面倒だよねー」

「面倒ですか。私も親友からよく言われます。ですがそれが私ですので、なにかお礼をさせてはいただけませんか?」

「どんだけ律義なんだ」


 どれだけ言っても聞いてくれそうにない。

 こうなったら何か方法を考えよう。

 私は頭の中で意識をフル回転。いつもの自分らしくない、豪胆さを見せる。


「それじゃあ私達の護衛をお願いできない?」

「護衛ですか?」

「おい、そんな必要無いだろ」

「あはは、Nightさーん」


 私は強引なまでに自分勝手だった。

 少女に対し、Nightにした時と同じようなことをする。

 強い芯のある瞳を向けると、流石に私を止められない。


「貴女も今は一人だと大変でしょ? だったらこのイベント、最後まで一緒に行動しない?」

「それは構いませんが、皆さんは私が護衛をしなくても強そうですが」

「そんなことないよ。それより、ダメかな?」


 私は答えを迫ってしまった。

 けれど少女の答えは決まっているのか、コクリと首を縦に振る。


「分かりました。私に護衛をさせてください」

「ありがとう。それじゃあ私の名前、私はアキラ。こっちはNightでこっちがフェルノ」

「略すな」

「あはは、よろしくねー。んで、貴女は?」


 私は淡々と自己紹介をした。

 もちろん、Nightとフェルノの名前も流す。

 すると少女はポニーテールを揺らし、芯のある瞳を向ける。


「私は雷斬と申します。(いかずち)を斬り裂く。それが私の名前です」

「雷斬……よろしくね、雷斬さん」

「雷斬で問題ありませんよ」

「そっか。それじゃあよろしくお願いね、雷斬」


 女侍の雷斬を仲間に加えた。

 とりあえずこれで砂漠探索が楽になりそう。

 だけどメダルなんて見つかるのかな? 正直バカみたいな話だけど、私達は頑張るしかなかった。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


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