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嘘の名前  作者: 冬野天
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3

 「あっちにいるのはお兄ちゃん?」

 砂場に居るもう一人の男の子と、ベンチに座っている男の人。

 「うん。二人ともお兄ちゃんだよ! この洋服もね、お兄ちゃんの洋服なんだよ」

 「でもね、本当はこの洋服着たらダメなんだー」

 そう言って、自身が着ている洋服を引っ張りながら話す。

 恐竜のイラストが載った長袖に普通の長ズボン。

 何がダメなんだろう?

 「何でダメなの?」

 「お母さんがね、あなたは女の子なんだからダメ! って言うの。本当はお兄ちゃん達みたいな洋服が着たいのに」

 服装と髪の短さで男の子だと思ってたけれど、女の子だったのか。

 「でも、今日はお母さんがいないから、お兄ちゃんが内緒で着せてくれたの」


 そして、自分と似ている。

 「そっか、優しいお兄ちゃんだね。その洋服も似合ってるよ」

 その子の頭を撫でながら伝えると、

 「ふふっ、ありがとう」

 くすぐったそうに笑った。

 先程まで出ていた自分の涙もいつの間にか止まっていた。

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