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お嬢様、怒涛の要求をする

お父様まで懐柔しているなんて、とマリアローゼはふるふると身体を震わせた。


マローヴァはにっこり微笑んで続ける。


「これはお嬢様の為でもあるのですよ。人の目というのはそれだけで防犯になります。お姿が広く知られていればお嬢様を守り易くなりますし、行方も追い易いと言う事です。秘匿されていた5歳までは確かに隠しておくのが得策だったやもしれませんがね、王宮の誕生会や神聖国への招聘で、お嬢様の姿は広く他国にも知れ渡りましたので、もう隠す必要がないのです。逆に、これから魔法を学ばれて、幻術やその他の魔法で見た目を変えれば敵の目を欺き易くもなります」


(なるほど…。

こうして丸め込まれたのですか…)


マリアローゼは言い返せないまま、ぐぬぬ、と調査書を握りしめた。


「でも正直に言うと、ジェレイドも公爵様もマリアローゼお嬢様の絵姿が欲しいだけだと思いますけどね」


身も蓋もない事を言う。


(でも、お父様は遠く離れてしまっているのだから、気持ちは分かりますわ)


たった5日の距離とはいえ、遠い場所にいるのは変わりない。

マリアローゼの心にほんの少しの寂しさが広がった。


「わたくしも、お父様の肖像画と絵姿が欲しいですわ」


「このお話を請けて下さるのでしたら、すぐにご用意させましょう」


(なんでも取引に使うのは止めてくださらないかしら!?)


マリアローゼはジト目でマローヴァを見るが、にこにこと屈託無く微笑みながら、お土産のクッキーを摘んでいる。

ふう、とマリアローゼは一息ついた。


「お父様の肖像画は自力で何とでも出来ますので、別の物を御用意して頂きたいの」


「ほう、何なりとご用意致しましょう」


自信ありげにマローヴァは頷いた。


ならば、欲しい物は全部押しつけてしまいましょう。


マリアローゼは昔話のかぐや姫の無理難題を思い出しつつにっこりと微笑んだ。


「それでは、まず、冒険者ギルドと交渉して各地のダンジョンの情報を全て手に入れてくださる?勿論、新しい情報は裏取りが取れ次第追加で届くように根回しもして頂きたいの。一度商会の情報部を通して編纂しなおした物をわたくしへ届けて下さいませ」


「ふむ、新しい部署の機能を確かめるのにも良い案で御座いますね」


まだまだぁ!

マリアローゼはふんす、と意気込んで第二弾を要求した。


「出来るだけ多くの香辛料を、この城に届けさせて欲しいのです。目録は料理長に作って頂くので、入手していない素材と、困難な素材を優先的に卸してくださる?市場価格と植生についても調べてね。運べるのなら苗や種もお願い致しますわ。勿論対価は請求して頂いて結構よ」


「新しい料理をまだ作る気でございますね?丁度良い機会ですので、銀砂糖を交渉材料にしつつ、普及させましょう」


やりおるわ!

マリアローゼは第三弾の要求を控えめに伝えた。


「それと、その他の植物の種や苗についても手に入れてくださると嬉しいわ。こちらは手に入り次第、世話の仕方を添えてこの城の温室へと送って頂きたいの」


「ええ、問題ありません。元々ジェレイドに頼まれて用意したので、この城にございます植物の総目録は作成済ですし、一覧にないものを優先いたしましょう」


(うーん、あと何かありましたっけ?

色々とあった気はするのだけれど)


マリアローゼは、ぽやん、と考えた。


ぴゃぁあぁ!割り込み機能だけで、並べ替えが出来ないなんてー!と今更知るひよこ。

せっかく頂いたいいねや感想もも消えてしまいます。かなしいです。気を付けないと…!

感想欄で順番ミスをご指摘頂いた茱萸さま、ありがとうございました!

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