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悪役令嬢?何それ美味しいの? 溺愛公爵令嬢は我が道を行く  作者: ひよこ1号


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レモネーズの完成

昨夜の晩餐での珍しいカレーという食事は、大絶賛の嵐だった。

特に双子がお気に召したようで、散々お代わりをして、その後の勉強会ではずっと苦しそうにしていたのだ。

ノアークもシルヴァインに分けてもらった辛い味が気に入ったようで、次からは自分のもそうしてほしいと家令のノウェムに伝えていた。

ジェレイドも同じだ。


今朝も早朝に散歩に出かけたら、羊のマリーとウルラートゥスが図書館の近くに住まいを替えていた。

どうやら近くで警備する為らしい。

そんな朝散歩と運動を終えて、マリアローゼは元気よく厨房へ向かっていた。

最近厨房率が上がっている。


「その、お嬢様、連日お料理を作られておりますが、今日もまた新しいお料理を?」


何故か心配そうにシスネが尋ねてきた。

マリアローゼは少し首を傾げて、不思議そうに返事を返す。


「ええ、そのつもりですけれど、どうか致しまして?」

「いえ……ただ、凄い才能だと思いまして、出すぎた事を申し上げました」


どうやら褒められたようで、マリアローゼは気を良くして笑顔を振りまいた。

完全なチョロインである。


「いえ、いいのですわ。わたくしの侍女でしたら、忌憚なくお話してくれた方が嬉しいもの」


シスネは同僚の視線を気にした後、恥ずかしそうに会釈をした。



厨房に着くと、初日のメンバーが揃っていたし、若干増えていた。

でも、誰がどれだけ増えたのかは残念ながら分からない。

白い調理人の服を着た人物も、粗末な村人の服を着た人物も、お仕着せを着た人物も満遍なく増えていたからだ。


「ええと、今日は最初に調味料から作りたいと存じます。ノウェム、材料はツチラトから届いていて?」

「はい、乾燥させた海草と、小魚は錬金術師に加工させました」


どこから取り出したのか、スッと四角い銀色の金属の入れ物に、材料がそれぞれ載っている。


マリアローゼはふんふん、と海草を取り上げて匂いを嗅いだ。

数種類あるが、昆布だけをより分けて、小魚も簡単に使う分だけを分ける。


「それでは、玉ねぎのみじん切りを炒めてくださる?」

「次の方達は、このお米のお酒を煮詰めてくださいませ。あと此方の海草と小魚を別々に煮てくださる?」

「後の方々はレモーヌ・マヨネーズを作りますので、こちらにいらして」


3班に分かれた人々がそれぞれ作業をする間、マリアローゼは銀のボウルに、酢と塩と卵の黄身とオリーブ油を入れて、ユグムがそれを泡だて器でかき混ぜる。

乳化して出来たマヨネーズに、ユグムはううむ、と唸った。


「味見して宜しくてよ」

「はい」


うずうずしていたユグムは早速小匙で掬って舐める。


「美味しいです…これは、お嬢様は酢を良く利用されますね」

「ええ、健康に良いのですよ」


昨日、今日と確かに続けざまに調味料には酢を投入していた。

この世界では発酵食品が少ない。

なぜなら魔法が発達しすぎていて、物が腐りにくいからだ。

腐らせる事で生まれる技術が、進化していないのである。

だから、酢もあまり重用されていないし、種類も少ない。

たまたま多めに作られた年の果実酒が、劣化して酢になったものが多少広まったくらいなのである。


そして、皿に銀砂糖とレモーヌを混ぜてまろやかになった液体を、マヨネーズに追加する。

面倒くさい名前を呼ぶのは嫌なので、マリアローゼは「レモネーズ」と命名した。


手順を見た調理人達が、自分達の作業を始める。


「先ほどのマヨネーズも美味しいですが、レモネーズは格別ですね」

「甘味と酸味とレモーヌの香りが加わるので、サラダにも色々な料理にも使えますわ」


読んでくださり、ありがとうございます。

誤字報告も大変感謝です!

少しでも、楽しんで頂けたら嬉しいです。

ブクマ・いいね・★で応援頂けると、とても嬉しいです。励みになります!

感想も有難く拝見させて頂いています。

有難うございます。

※下記のひよこのPixivから飛ぶと、自作のAIイラスト(未熟)で作ったキャライメージイラストがありますので、宜しければご覧になって下さいませ。

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