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ロキが鳴く。

作者: caem


 満月に向かって佇む 一匹狼のロキがいた


 足を引き摺っている 満身創痍の傷跡だった


 群れからはぐれて いつも 月を見ているだけ


 鎖は引きちぎったけど もうすぐしたら最後だろう


 ロキという名前は 神様から名付けられた


 牢獄に閉じ込められたし こっぴどくしつけられたし


 ただ 解き放たれてからは 彷徨うばかりだったから


 冷たい雨の日も 凍える極寒の日も 灼熱の真夏でさえも


 ウオーン ウオーン ウオーン ウオーン ウオーン


 ロキが鳴く 俺は一匹狼なんだから


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