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第4話

 さてそれからというもの、私はひたすらじっとだんまりを決め込みました。

 まあそうしたら、人の噂も何日、ですし。

 私は私が悪くないことを知っていましたから、あちこちへ静養と称して長期間出かけることにしました。

 すると何だかんだで、その後のことが耳には飛び込んできます。

 そう、彼等はどうなったか、ということです。

 リチャードに関しては、ともかくお人好しすぎるところがまずいことが判ったレーダーマン氏が、補助する人材集めに奔走している様です。

 こちらに関しては結果は良いことだったと思われます。

 ただし、私はさすがにリンダに関しては良い感情を持てなかったので。

 さてどうなったか、ということを心待ちにしておりました。


「お嬢様、お待ちかねのご報告です」


 とある日、ようやくお知らせが来ました。

 彼女は現在病院に放り込まれている様です。

 ええ、あちら関係の。

 何でも自分の占いを村人に告げる時に、それまでの自信満々な様子から、一瞬何か躊躇する様を見せる様になったとのこと。

 すると、それまで彼女を信用していた人々も、次第に疑う様になってきたということです。

 何せ本家の方が、婚約破棄というとんでもないことを起こしてしまったのですからね。

 領主様のおうちは大丈夫なのか、という不信も彼等の顔に表れたのでしょう。

 彼女は統計学と心理学と言いましたけど、心の信用商売でもあるということを忘れちゃいけないんですよ。

 それからというもの、彼女は次第に占いを乞われても、相手が信じてくれているかどうか、が気になって気になって仕方がなくなってしまった様です。

 すると不思議なもので、ちゃんと調べて結果を告げていたから大丈夫、と思っていたものすら、信じられなくなったんですね。

 今では見えないものに脅かされ、とうとう親族から病院に放り込まれてしまったということなんです。

 ――で。

 まあ、私は要するに、彼女に一つの呪いをかけた訳ですよ。

 彼女はおそらく村とその人々を一つの実験場だと思っていた様ですが、その実験場とは彼女のことを信頼しているという前提に成り立っているものです。

 そして彼女自身も、彼等の反応はそのまま信じていい、と思っているが故のものです。

 だから私はそこにくさびを一本叩き込んだという訳です。

 たった一つでいいのです。

 彼女の根幹を疑わせる様なものだったら。

 だからそれが、私の呪いが効いたということですわね。

 別にだからと言って私が罰せられるということでもないでしょう?

 彼女の心に何処か自分でも信じられないものがあった修行段階の仕上げがそれ、ということだったからまだ亀裂を入れられる余地がある、と思っただけですのよ。

 本当、言葉一つで人は破滅するんですのよ。


 あとはまあ、東洋趣味もきちんと勉強なさっておけば良かったと思いますわ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] そうですね。言葉は「祝い」であり「呪い」であり。 なんだかんだ言っても、リンダも人生の場数が 足りないせいか、結局他者の言葉ひとつで揺らいだ んですね。残念。 [気になる点] レーダーマ…
[良い点] 呪いとは元々『言葉』であり、相手に合わせて強い言葉や不安を煽る行動をする事による攻撃なので、主人公は本当の呪いをかけたのですね。
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