表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/163

第60話 戦場はイの国①

第二部開始です。


2021.8.5一部手直し実施しました。

流れに変化はありません。

建国の日、その夜。

スザは地下のモニター室の扉を開いた。外ではまだ宴会騒ぎが続いている。


「お疲れぇー」


金髪の美少女が回転椅子をくるりと回し、入ってきたスザを、右手を上げながら笑顔で迎えた。


「・・・あれ?さっきまで、こう・・・おっきくなってなかった?」


スザは危うく胸の前に手を持っていきそうになったが、慌てて頭の上へ持っていき、ちょっと上げてみせた。


「あぁ、あれ?あれ魔力をすんごく使うから、疲れるのよ。もう、この後ろの部屋に隠したわ」

隠した?


おうっ!とイズは頷く。


「まっ、あんまり深く考えてもね・・・世の中、まだまだわからないことだらけよ」

いや、あなたのことなんですけど・・・

「気にするな!」


それ以上言っても無駄なので、イズの横の椅子に座った。

目の前の巨大な画面には街で喜びながら料理を食べる住民の姿が映っている。机の上には少し料理があった。スザのために取っておいたらしい。イズが食えというので、スザは頂くことにした。


「突貫だったけど、戴冠式が開催できてよかったわよ」


そう、1週間前の会合で最後にイズが命令したのが、この戴冠式の実施だった。そこから一週間が地獄だった。


とりあえず、まずカナヤマの町と北の湖の町でイズの勢力範囲にするための、魔力の杭を打ちまくり、その周辺や途中の森や平野も打ちまくった。カナヤマにはサユリとナギが、北の湖の町にはタケルとユウが行って実施したのだ。杭の輸送はミナミやクシナが担当していた。


それと並行して、住民に提供する食料の調達も行った。スザは東の村で、ノブとマイはイの塔の3階でおいしくて大量に肉が取れる魔物をイズに出してもらい、取りまくった。


タケルは杭を打ち終わった後、二日前まで魚を取っていた。昨日全員で手分けして輸送し、今朝から料理して、昼の戴冠式で住民に出せるようにしたのだ。


もちろん、料理や輸送も各町・村の人々に手伝ってもらいました。あとは演出のため、ダンジョンなどに料理を隠して、機を見て提供したのだ。

イズは1人で花火の演出をし、皆の衣装もそろえていた。


「この1週間の準備と今日の戴冠式で、蓄えていた魔力はすっからかんになったわ」


イズは食事をしないので、塔から魔力を供給して活動しているらしい。


でも、「今のところはね」と以前言っていたのをスザは思い出しながら、食事する。

いつかは一緒に食べることができたらいいな


料理を平らげ、落ち着いたのを見計らって、


「で、やりますか?久々能力検証を!」


イェーイ!と右手を突き上げながら、イズは振り向いた。

スザはブックを呼び出し、イズがまずは職業を確認しろというので、そこを開くと、


新規取得職業:国王


見つけてしまいました。それもすでに、


固定職業:国王 選択可能職業数:2(選択1:英雄(魔法使い+2) 選択2:死神(暗殺者+2))

ってなっていて、選択できる、できないの世界じゃなくなってます!

「そりゃ、そうでしょ。だって、国王になったんだもの。自ら勝手に選んで国王になるわけじゃないでしょう。だから皆から、国王だ!って認められたら、そりゃ国王になるわよね」


当たり前だと飽きれた顔のイズだが、


「そんなんわかるわけないでしょ!」


これ見よがしに、耳に指を突っ込んだ。


「うっさいわねぇ。いいじゃない、気にするな」


じとーとイズを見ていたが、イズが顎をクィっとしゃくるので、国王を長押しした。


取得条件:戴冠式を行い、支配地域に住む意志ある者の1/3以上が国王と認める。 設定効果:領主を任命でき、最大能力値の20%が国王に付与される。国王の能力も最大能力値の20%を付与できる。他の付与効果と重複、併用可能。国王が直接指揮して政治、軍事を行うとき、指揮下の者はすべて能力が20%向上する 備考:国王である限り、職業に固定される。他の職業との併用可能


「戴冠式!?」


ニマァといやらしい笑顔をイズが見せている。そして、スザと視線を合わすと、フフンッ!と腕を組んで、スンッとすまし顔だ。


「さすがイズ様です!これがあったので、戴冠式の実施を命令されたのですね!」


さらに伸びあがり、後ろに反って行く。


「ありがとうございます、イズ様!よっ!美少女イズ様!さすがっ!」

「まあねぇ!」


デヘヘヘヘ・・・って笑いながら、鼻の下をこするなんて、下品ですよ。

そして有頂天になりすぎ!

少しでも「おもしろい」、「続きが気になる」と思って頂ければ、ブックマークをお願い致します。

またページ下部の☆を押して評価頂けたら、とっても励みになります。

気軽に評価☆を押してもらえれば幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ