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第42話 敵包囲網を破れ③

映像室にノブ、マイ、ユウは集まっていた。

3人とも事前に食事を取っている。ここに集まる前、投降者たちを1か所にまとめ、マイの作った土壁の牢に入れて来た。もちろん彼らにも食事を与え、負傷者には手当もした。


「イズ様。投降した兵士たちですが、我らにタケル殿を助けてほしいと言っております」


代表してノブが話している。画面のイズは大きく頷いた。


『私も聞いていました。彼らがタケル殿の直属の部下で、彼らの成果によりタケル殿の軟禁状態が解けるかどうかが決まると・・・』

「いかがいたしましょうか」


イズはニコリと笑った。


『別に考えがある。これは我に一任してもらおう』

「わかりました」


ノブは頭を下げた。


『しかし、この度の戦い、よくやってくれた。感謝する』


イズは礼を言い、そのまま画面の中で頭を下げた。3人はあたふたしている。


「い、いえ。これもイズ様のご指示があってこそ」

「そ、そうです。ノブ兄の言う通りですわ」

「ありがとうございます」


ユウの言葉に、2人がキッと睨んだ。


「え?感謝してもらったことへのありがとうじゃなくて、有益なことを教えてもらってありがとうございますのありがとうございますだよ」


ユウはさらにあたふたして、ありがとうございますの渋滞が起きていた。

イズはプッと噴き出した。


『アハハ・・・そなたたちは、スザの仲間は面白い。我も楽しいぞ』


3人は顔を真っ赤にして、すみませんと頭を下げた。


『今日は本当にご苦労であった。ゆっくり休むがいい。我が奴らの動きを監視しておく。もし異常があれば皆を起こすから安心して体力・魔力を回復させておけ』


ノブはキリッと真面目な表情で、


「明日も攻めてくるでしょうか」

『町長の息子を軟禁して、この結果。このまま帰れないだろう。明日も攻めてくると我は思うぞ』


イズも真面目に答えた。


『さ、ゆっくりと休むがよい』



翌朝。結局、夜は北の湖の軍に動きはなかった。

昼の少し前になり、北の湖の軍は攻めてきた。梯子が何本も作られ、北門でも南門でもない、北の湖の軍に一番近い土壁に掛けられていく。これも作っているところからイズは見ていた。


1本、2本、3本と掛けられ、兵士が登っていく。何人もが続いて梯子を登り、一番上の兵士がさあ土壁を越えて・・・というところで、土壁と接している、梯子の一番高いところに突如土壁から柱が飛び出てきた。


ドンッ!


という勢いで一番高い端が柱で弾かれ、梯子に登っていた兵士たちを吹き飛ばしながらクルクルと宙を回転して地面に落ちた。

それがすべての梯子に起きていた。


兵士たちは命令され、再び梯子を土壁に掛け、登るとまた吹き飛ばされる。これを何度も繰り返す。

怪我人が増えたようで動きが鈍り始めた昼過ぎ、ゆっくりと撤退が始まった。


マイは半分以上魔力を使ったようで、遅い昼食を取った後、昨日と同様魔力回復のため指令所で仮眠していた。


イズは撤退してからの北の湖軍も追っていた。

陣内で老年男性将校ははっぱをかけまくっているのが見える。兵士たちは応急処置をされ、昼食を急ぎ取っている。傷んだ梯子の補修とかぎ爪を付けたロープを何本も準備していた。


「ひと段落したら、総攻撃を仕掛けてきそうだわ」


いつもの地下のモニター室で、イズはムムムと唸る。

じゃあ、こちらも仕掛けましょうかねと呟き、


「スザ、着いた?」

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