第34話 北の脅威③
2021.8.4一部手直し実施しました。
流れに変化はありません。
「遅いですぅ♡ミナミ、寂しかったですぅ♡」
「・・・とりあえず、肉を焼いて村人の皆さんに配りましょう」
ナギは何も言わず、近くの木を取っては細く切り、解体しながら肉を串刺して、焚火の周辺に突き刺している。触らぬ神に祟りなし。自分の仕事に集中しているのだね、フリだろうが。
スザはイズの指示通りに中心付近と村への入口、土壁の近くに持ってきた魔石付きの杭を打ち込んだ。イズの勢力範囲内に設定され、森ダンジョン入口もイズの監視下になったと連絡がきた。スザは3人の元に戻り、クシナ、ミナミが村人に配っているすでに焼けた肉を鑑定する。
食べ物:焼けたオークの肉 効果:体力の小回復 獲得能力:体力最大値の上昇(確率:低)、体力自然回復力小上昇(確率:極低)
えっ!?どういうこと?
『お、見たようね』
何、獲得能力って!?
『その名の通り、食べることによって魔物の持っている能力を得ることができるのよ。でも、まあ確率は非常に低いわ』
他の肉も鑑定してみた。獲得能力がないものも多い。
全部にあるわけじゃないのか
『魔物の肉すべてが能力を与えるものじゃないし、能力も食べたら絶対に手に入るってわけじゃないわ。魔物が違えば獲得できる能力も変わるし、部位にもよって違う』
スザは移動し、オークを解体しながら肉を食べやすいように切り分けているナギのところにきた。内臓はまだ骨の中だ。短剣を使い、スザも見よう見まねで解体する。
心臓の位置に魔石があった。切って手に取り鑑定した。
物:魔石(下級) 属性:なし 特徴:魔法の力を極小増加させる 備考:魔物が吸収すると等級が上がる。場合によっては上位種に変異する。
今までは魔石を砕いてきたが、余裕があるときは魔石を手に入れられるようにした方がよさそうだ。
武器や防具に着けたら、良い効果を得られそう
『そうね、いいと思うわ。でもそれができる鍛冶師がいないとね』
余裕が出たらカナヤマに行って、サユリさんと話をしよう
スザは、切り取った色々な部位の肉を鑑定した。その結果、胴体の肉は魔物の基本能力を宿し、腕と足は攻撃や防御に関する能力を宿すことがわかった。腕の肉には腕力小上昇(確率:極小)なんてものがあった。
『内臓や各器官にも能力を与えるものがあるわ。魔法を使う魔物が出てきたら脳を取り出して鑑定すればいい』
怖い・・・
『魔物の体はそのほとんどを食べることができるのよ。大昔は食料の代わりとなったほど。食せば飢えを凌げ、時に力や能力を獲得できる』
いいことだらけのように聞こえる
『さらに獲得した能力は、遺伝子に組み込まれ子孫に受け継がれていく』
遺伝子?何それ?
『まあ、聞きなさい。もちろん受け継がれた能力のすべては発現しない。でも消えたわけじゃない。そのすべてを持って生まれてくる者もいる』
クシナ・・・赤髪の英雄・・・?
『赤髪の英雄は、そのほとんどがブックで得た力よ。あんたと違うのは、基礎能力がゴミじゃなかったことね』
ゴミですみませんね
『なに?いじけてるの?スザにはスザの良さがある。比べても仕方ないわ』
そうですかね・・・
『・・・ところで今回設定した能力はどうだった?』
選択可能職業数:2(選択1:英雄(魔法使い) 選択2:死神(暗殺者+2))
選択可能能力:10/10 土魔法、雷魔法、魔力増加、使用魔力減少、魔法威力増大、体力増加、不意打ちで即死、投擲、体術、剣術
常時発動能力:5/5 冷静、気配感知、気配遮断、急所感知、鑑定
基本形は超近接戦型暗殺者のままで、それに魔法使いを加えています。これはイズと話をしたもので、前の戦いで体力なしで死にそうになったので増加させ、魔法使いと言いながら暗殺者の能力を底上げするような使い方をしています。
土魔法は、防御や目隠し、態勢を崩す用で、ドカンと一発ぶっ飛ばし、いわゆるクシナ型とは違う使い方です。雷魔法は、ドカン一発魔法を使うとすぐ魔力が枯渇するので、それはできていません。
実は剣に雷をまとわせ切れ味を増してます。首ボーンできました。今まで心臓・魔石一点突きでしたけど、剣術生かせてます。で、動きが速くなる魔法がありました。要所要所でそれを小さい声で唱えてます。
『戦い方との相性は良さそうね』
早くドーンと魔法を爆発させたい。目指せクシナです
『まだ等級上がってないんでしょ?どんどん上げていけば見えてくるわよ、クシナの背中が』
鑑定はそれくらいにして、村人の輪に加わる。村人のみんなから感謝されながら、スザも共に肉を食べた。村人は洞窟で眠らせ、その入り口に土魔法で壁を作り、スザたちはそこで休んだ。
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