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第28話 スザ出撃す①

スザ、クシナ、ナギは馬車で送られ、夕方にはイの塔の街に到着した。先に帰ってきていた少女たちから戦いを聞かされていた街の住民たちは、無事の帰還に喜びを爆発させた。


その場でクシナの口から、カナヤマでの戦いとダンジョンの氾濫阻止、対等の関係によるイの国の成立を報告された。その報告が終わった時、街中に声が響いた。


『イの塔の街の子らよ。我はイの塔のダンジョンマスター、イズ。今クシナの宣言の通りである。我の意思を汲み、カナヤマとイの塔の街は一つとなった。互いに愛する者を殺し、殺された不幸は忘れることはできないだろう。しかし、今生き残っているのは未来ある、我が子たちだ。互いに手を取り合い、新しい未来を築くことを切に願う。そのためならば、我も協力を惜しまない。我とそなたたちの間に、サブダンジョンマスターとしてスザを置いた。国に何か要望あればスザを頼り、スザに相談、報告せよ。この街のことはクシナ、今まで通り頼む。クシナとスザは手を取り合って、カナヤマの町を含めイの国を繁栄させることを願う』


全員がその声を聞いた。


一斉に大声が上がる。本当に居られた!ダンジョンマスターは居られた!イの塔の街万歳!イの国万歳!イの国の英雄万歳!

「イの国の英雄?」


皆の喜びに、スザは一人首をひねる。その頭をパシッと叩いたのはユウ。


「お前のことだよ、スザ!」

「えっ!?」

「クシナは街の英雄、お前は国の英雄さ!」

「お前、何を言って・・」

スザ!スザ!スザ!


住民が笑顔でスザを称え続ける。


「当たり前だろ!お前は一人でこの街を解放し、帰還の絶望視されていた娘たちを救い出し、反乱した敵を倒し、カナヤマの町を救った!そしてダンジョンマスターイズ様の右腕となりイの国を建国した!」

うそっ!この6日間でこんなにいろんなことをしたって!?

『したわね』

俺が国を建てたわけじゃないでしょ!?

『あんたが私の代わりに話して、カナヤマが了承したのよ。あんたが建国したとしか見えないんじゃない?』

いや、イズが言ってたゴミよ、俺。ただ一人で塔の上からぼやぁと外を見るのが好きだっただけだよ?

『最近じゃあ、胸から本を出してニヤニヤ読んでるし、赤髪の美少女に鼻の下を伸ばしているわね』


スザは何も言葉が出なかった。みんなすごい笑顔だ。喜びで爆発している。クシナもユウも笑っている。


「ありがとう、お前は本当にこの国の、俺たちの英雄だよ」

『いい仲間じゃない。仲間を救いたかったんでしょ?あんたの望みが目の前にあるじゃない』

そうだ・・・叶ったんだ・・・


スザを称えた歓喜の声は、当分続いた。

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