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第24話 ダンジョンの町“カナヤマ”攻略戦⑬

「その敬語、どうにかなりませんか?スザも私も年下でしょ」


クシナはナギにお願いした。


「私はギン様の副官として常に働いていました。その時の癖です。気にせずにお願いします」


こっちが横柄に聞こえるのよねとぶつくさ言っていたが、結局クシナは折れた。


地下二階も何の魔物も出なかった。一階と同様に、地下三階に降りる直前の大扉の前に何の障害もなくたどり着いた。

大扉に入った。目の前に山があった。小さい山。突如光が二つ輝く。


「目・・・かしら?」


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・大きな音を立てながら、山が膨らむ。いや、立ち上がっているのだ。10mほどのゴーレム。巨大な胴体の上部に光る二つの目。首がない。頭もない。1/3が足で、2/3が胴体。腕は地に着くほどの長さ。巨大な胴体から太い腕と足が生えているのだ。背後の扉が閉まった。


ドスン、ドスン、ドスン・・・


巨体に見合う巨大な音が響く。しかし遅い。


「舐めてるのかしら」


キッとクシナがゴーレムを睨む。美しいが怖い。ナギさんも横目でクシナを見ているがちょっと体が引いている。


「私が動きを止めるわ。ナギさんは囮。スザはその隙に魔石をぶち抜きなさい」

「了解!」


怖いのでスザもナギも素直に返事を返した。


「行くわ!」


両腕を前に出したクシナから赤い光の刃が噴き出て、胴体と足の付け根をドーンと切り離した。切り離したというか、足が消えた感じだ。ズンと落ちたゴーレムにナギが突っ込む。胴体を攻撃しながら、ブンブンと振る腕を大きい動きで躱す。


突如、ドン!ドン!ドン!と繰り返す爆発音が響いた。


ゴーレムの背中から煙が上がっている。急所は分かったが厚みのある胴体の内部にあるため、スザの剣では届かない。そのために爆破罠を背中に何重も仕掛け、邪魔な部分を爆破したのだ。背中に深い穴が掘られ、赤く煌めく魔石が顔を出していた。スザは難なく魔石を割り、山のゴーレムは崩れ落ちた。



「ぐぬぬ・・・」


声にならない呻きが部屋を満たした。

ローブを羽織った細い人らしきもの。新たなダンジョンマスターだ。その前には山のゴーレムを倒し、地下三階へ降りようと歩く三人の姿が映っていた。


「ダメだ・・・残りの力を分散させては勝てない・・・ならばすべてを込めて最大の敵を・・・」


ダンジョンマスターは、背後の土くれに振り向き、両手をかざした。両手から噴き出る波動のようなもの。魔力だ。魔力はどんどんと土くれに注がれ、形を成していく。人の形。ゴーレムのような武骨なものではなく、人の形をとっていた。


三人が何事もなく地下五階に降りたころ、


「完成した・・・さあ我が子よ、恨みを晴らそうぞ!」


老人のように腰が折れてしまったダンジョンマスターの前で、人型のゴーレムの目が開き輝いた。

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