第158話 帰還③
2021.8.10一部手直し実施しました。
流れに変化はありません。
スザたちが戻って7日後の夕方、アスカを送ったユウが無事にイの塔の街に戻ってきた。翌々日、イの塔の1階の会議室に人々が集合した。
スザ、イズ(バイン)、クシナ、ナギ、ミナミ、ユウ、サユリ、ノブ、マイ、タケルが出発前と同様に出席した。
「スザ、魔物の殲滅が完了したから、マスオおじさまたちに村は任せたわ。ゴーレム狐たちも村を守っているから安心して」
そして新たにきつねの村からマリカが戦力として合流していた。
画面にはイチ、カゲ、ハルカが映っている。
スザはイズと共に画面横に立ち、
「皆、忙しい中、集まってもらい、ありがとう。このイの塔の街を出発して約9か月、新たに仲間となった人々を紹介しよう」
スザはマリカ、イチ、カゲ、ハルカを全員に紹介した。そして、ユウ、サユリ、ノブ、マイ、タケルは自己紹介して、会議は始まる。
「当初、懸念していたギンの思想は、旅の間では見つけることはなかった。最大の敵はキドウマル率いる魔物軍だったが、彼の生存本能に基づくもので、ギンの思想とは関係がなかった」
スザの言葉に、イズ、イチ、クシナ、ナギ、ミナミは頷いていた。
「そして当初の予定通り、魔物から人々を解放し、仲間にできた。その結果、街道をつなげて衣食住の水準をイの国の中でほぼ合わせることに成功した。これからは、カゲの社の国で行われていた貨幣経済導入により、食料供給の向上を行っていく予定だ。それにはカゲの兄であるユタカが担当となって進めて行くので、協力をお願いする」
全員が頷いた。
「で、今後はどうしていくかということなんだが・・・」
スザはタケルを見た。タケルは頷いて立ち上がり、スザの反対側の画面横に出てきた。
「つい先日ですが、北の町に救援依頼がありました」
タケルはイズに報告した、大量の難民が北の町の更に北の町に現れたこと、そこが食糧難や治安悪化が生じていること、リザードマンと思われる魔物によって難民が逃げてきたことを皆に知らせた。
『それは、この教会の町と同じではないですか!』
画面の中で驚くハルカに、スザは大きく頷いた。
「今のタケルのことと、教会の町で起こったリザードマン大群の襲来から考えると」
スザはイズが画面に映した地図の一部、教会の町の北周辺を大きくぐるりと指で囲む動きをした。
「この地域で何か異変が起きていると思われる。教会の町への海からの魔物襲来もこの動きの一連なのかもしれない」
「で、どうするかということだが、」
イズがスザの言葉の後に続く。
「イの国として、皆はこれからどうするのが良いと思うか?」
イズの言葉に、座った一同はスザを見た。同様に画面のカゲ、ハルカもスザを見ているようだ。
スザはイズを見て頷き、口を開いた。
「もちろん助けに行く」
書き溜めがなくなりましたので、ひとまずここで一休みです。
再開は、8月に入ってからとなる予定です。
すみません。
今、土日もない状況で仕事をしており、続きを書けません。
8月過ぎにまたお会いしましょう。
(途中で能力値の最新版を上げる予定です)