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第97話 再会⑩

2021.8.6一部手直し実施しました。

流れに変化はありません。

「殲滅!魔物を逃すな!」


ナギが大声で指示を出した。


馬上のアヤメは水魔法で、レイは弓で逃げようとしている魔物たちを攻撃し始めた。ナギは背を見せて逃げる魔物を追いかけ、切り伏せていく。スザ、クシナ、ミナミは魔法で追撃していく。それでもバラバラになって逃げていく魔物すべてを倒すことは困難だ。川を渡り、島の村方面に逃げていく魔物もいた。


「あれはっ!?」


セイラの指差す方へと視線を向ける。そこには川岸に陣を張った一団がいた。イチが作った魔法銃で逃げていくコヨーテやコボルトを倒している。


「誰?どういうこと?」


クシナは魔法を放ちながらスザへと疑問を投げかけたが、スザも答えようがない。

とりあえず8人は魔物を狩りながら、砂浜の村の範囲と思われる中に入っていく。もう魔物は逃げ、死体だけが残っていた。


セイラら4人は馬を下り、スザたちに合流する。途中、ワイバーン2体の魔石はもちろんナギが回収しておいた。

川岸の一団が魔物を倒し終わったようで、川をスザたちの方へ渡り始めた。


「あれは・・・」


セイラ、ユリ、アヤメ、レイの4人が慌て始める。


「どうしたの?」


クシナはあたふたしている4人に近づいた。


「あれは、私たちの家族です。父や兄。それに・・・婚約者とか・・・」


クシナは額にバシッと手を当てて天を仰いだ。


先頭の4人の青年は魔法銃を抱え、こちらを睨みながら近づいてくる。スザはどうしようかとセイラ達に声をかけようとした時、気配を感じた。バッと空に目を向ける。


「来るぞ!ワイバーンだ!」


川の上流から、低く滑空するようにワイバーンが近づいてきていたのだ。その背には何かが乗っている。とてつもない速さでスザたちの前を川の下流に向かって飛び過ぎていく。その進行方向には、さっきの一団、つまりセイラ達の家族がいたはずだ。


「ああ!」


セイラの声が響く。何人もが川岸に倒れていた。


スザは、旋回しながら上昇するワイバーンの口にくわえられている人影を見た。もがいている。一昨日、島の村に入った時にセイラに声をかけた青年だ。その時、血が空中にパッと散り、体が二つに分かれ、宙に舞った。そしてワイバーンは急降下してきて、セイラ達の家族が倒れている上にズドン!と降り立った。


「いやぁあ!」


叫び声を上げながら、セイラ、ユリ、アヤメ、レイはワイバーンに向かって突っ込んでいた。


「やばいっ!」


スザはワイバーンの口が輝き始めるのを見て、4人の前に土壁を瞬時に立ち上げた。

先頭を走っていたセイラは剣を振り上げ走っていたが、目の前に土壁が飛び上がってきたので急停止した。土壁にブレスが遮られ、飛び散っている。それが止まった。


セイラは、衝撃を感じた。セイラの目の前で土壁がずり落ちていく。セイラも、なぜ視界が斜めになりながら自分が地面にぶつかったのか、理解できなかった。

セイラはユリ、アヤメ、レイが涙を流しながら、自分を見下ろしていることに気付いた。


ごぼっばぁ


セイラは声を出そうとしたら、声ではなく暖かいものが噴き出たのがわかった。


「セイラッ!」

私の救世主さま。私を救ってくれる人、スザ・・・抱きしめてくれるなんて・・・うれし・・・


スザは腕の中で抱きしめているセイラの存在が消えたことを感じた。スザは上半身だけになったセイラを抱きしめていた。

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