マナ
家に帰るなり親父に呼ばれた。
将勉強は好きか?
好きなわけないやん。
お前の友達の勉強好きなやつおるやろ?ルイやったっけ?塾に通いよるお前の友達にしては真面目な奴は?
好きでは無いと思うが?
友達が勉強好きか嫌いかはどうでもよか。
でどないしたんそれが?
いや今日から三か月お前学校やすんでまなみちゃんの面倒ば見ちゃれ。
ん?なぜに?
保育園入れれるまでお前が愛美ちゃんの面倒みれ!
でも夜3時間くらいはそのルイ君に頼んでノートを写せ。
それでお前の担任には話しを着けるから。
テストの日は誰かが休み取るから心配は要らんぞ!
分かった。じゃあマナの面倒は俺が見るよ。
懐いてくれてるみたいだからなんとかやって見るわ。
それからマナとの生活が始まった。
基本的にはマナは俺の部屋に居る。ベットを捨てて部屋中に布団を引いた。もちろんマナが怪我しないために。
朝愛華さんを2人で見送ってそこからは僕の部屋に行く。
マナはよく座って上目遣いで僕を見る。
その小動物みたいな姿が堪らなく愛おしい。
でもその日からマナをお風呂に入れる事になったがその時が一番辛い。愛華さんは傷が酷くてお風呂に入れないから僕がマナを入れるのだかマナも身体中アザだらけなのだ。痛がらないので痛くはないかもしれないが見ているこっちが痛くなる。許さない。マナの身体を。こんなに小さな身体を傷つけたマナの父親を許さない。
そんな事を思っている間も健気に微笑むマナが本当に愛おしい。
基本的に日中はマナが寝てる時に僕も一緒に昼寝をするのだが寝てる時にマナは僕の腕の中で丸まって寝る。
腕の中で寝る事に集中しているマナがまた愛おしい。
気がついたら僕は振られたショックなど消えていた。
同級生の女の子にたった3文字の言葉でえぐられた傷を、この小さなマナが消してくれた。
その瞬間僕は決めた。この小さな愛おしい妹みたいな女の子をもう二度と傷つけさせない。この子を傷つけるやつは片っ端から潰すと。