第1話
俺の好きな作家さんは、俺の憧れだ!
【俺の好きな作家さん。】
俺は、今日の午後に友達と図書館に行く予定です。受験生なので、勉強をしなければならないのです。
なーんてね。こんなにかしこまった言い方は嫌いだし、図書館に行くって言ったって、好きな作家さんの本を読みに行くだけ。友達は連れていかないし、受験生ではあるけれど、そこまで、勉強をしなければならないほど頭は悪くない。
俺は、作家さんの影響から、小説を書くようになった。ほんの一年前からだ。俺は今中三だから、一年前と言うと中二の春くらいか。そんな、短い間で書いた物語を小説といっていいのか分からないけど、一応小説だ。
小説で、主人公を紹介するとき、流れの中で紹介していくか、最初の方であらかた紹介するか。ここで、毎度迷う。流れで紹介していくと、そこを読むまでに飽きてしまうのではないか。逆に、最初の方であらかた紹介すると、途中まで読んだところで、誰だっけ?と言うふうになりかねない。どっちにすれば良いのか。そこが、今までの考え所だった。
もう今は悩んでいないと言うのが、現状だ。流れでやるのが、俺の書き方にはぴったりだった。語彙力なくて、うまく説明できないところもあったけど、それでも、その少なさで、どうにか補うことにした。
冒頭に戻るが、これからさっそく、作家さんの本を読む。ファンタジー感溢れるアクション系の物語だ。主人公は最強。とありふれたものじゃなく、普通。平凡な主人公が、最強相手に勝つ。と言う話だ。俺もそんな話に憧れる。書いてみたい。でも、最強相手に勝ってしまったら、最強なんじゃないかとも思う。が、そこはどうでも良い!内容が面白いのだから!
「討魔ー?勉強は?」
「かぁーさん、俺やっぱり小説書きたい!」
「だから無理だって。そんなのかける人一握りなんだよ?良いから、勉強!!」
いつもこうだ。俺のことは否定して押し潰す。それが、俺のことを思ってのことなのかは分からない。でも、俺は俺がやりたいことをやるんだ‼自分の意思を貫き通してやる!あ、そんなことどうでも良い。図書館行かないと。
次回、 第1話続 【知らない図書館にいた。】