地下世界
6000年、それはいつも通りの、平和なとある木曜日。
昼の2時を過ぎたぐらいのころ。
空に突如として巨大な生物が大量に出現した。
それらは大きな咆哮を上げ、口部から大砲を放ったり、ビルに向かって爪を振り上げたりと、人類に対して攻撃をはじめた。
アメリカ、イギリスから始まった攻撃はやがて広がり、世界の半分ほどを更地に変えた。
人類は突然の滅亡危機に困惑、当時進めていた地下都市計画が終盤をむかえていたため、なだれ込むように地下へと逃げ込んだ。
陸地を地獄へ変えた分、人口も激減し、その数およそ半分弱、皮肉にも地下生活に影響を出さない程度の数まで落ち込んだ。
地下には日本人、中国人、ロシア人、などアジアの人間が大半をしめ、主な攻撃を受けたヨーロッパやアメリカの人々はごくわずかしか生き残りがいなかった。
この状況下で領土争いをしているような暇もなく、人数に応じて土地を日本領、中国領といった感じに区切った。
ヨーロッパは一つにまとまり、新たにヨーロッパ連合国を作った。
アメリカは独立を保つことを決めた。
食料の問題は予め地下都市計画の上で運び込まれていた動物や小麦、米のおかげでなんとか賄えている状態にあった。
ここからどうやって人類は生きて行けばいいのか。
地上は見たこともない機械のような生き物に占領されてしまった。
心はまるでこの地下世界のように暗く荒み、廃れていった。
6007年、地下へ追い込まれて7年、ある程度生活が安定してきたところで、アジア、アメリカ、ヨーロッパ連合国はそれぞれ機械獣に対抗しうる兵器の開発をはじめた。
それぞれの機体には別々の特徴が見られた。
アジアの機体は2本の腕に2本の脚がみられる人型の兵器、アメリカは戦闘機型で空戦を得意とする機体、ヨーロッパは異形をもった特異機体をそれぞれ開発した。
これは、あらゆる機械獣に対抗できるようにとそれぞれ話し合った結果である。
次に取りかかったのは兵士の育成だ。初期の兵士は当時の自衛隊や軍隊が引き継いだが、次世代の兵士の育成も早急に進めなければならなかった。
そこで、兵士になるべく選ばれたのは、機械開発に関係していた技師の家族のなかの女性であった。
技師は力仕事であり、女性がやる仕事にはなり得ず、一方兵士は機体に搭乗し戦うため、力は必要ない。
そういった利害の合致により、この職業の割り当ては現在まで続くことになる。
兵士の訓練を受けることができるのは、中学を卒業した15歳の者のみとされ、兵士を育成する専門校が各国に作られることとなった。
毎年の生徒は各学校およそ20人~25人と少ない。
現在では技師の関係者である必要はなく、人類の勝利の糧となることを希望するものが入学している。
初期の戦闘機体はどの国も性能が低く、地上の軽めな偵察が限度であった。
現在6540年、また新たな新入生が訓練校へ入学した。
このころは技術も格段に進歩しており、地上の戦力を削ることも可能となっている時代であり、全面戦争もできうる段階まできていた。
後数年もしないうちに機械獣と全面戦争を行うと既に表明もされている。
種の命運をわける天下分け目の大戦、開戦の日は遠くない。