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鉄の世界に咲く花は  作者: イロハ
一年生
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発端

それは西暦5400年、アメリカのとある山奥。

世間的にいう、いわゆる天才というものであろうか。

29歳という異常な若さにて人工知能科学の権威とされたとある博士が1匹の犬と共に身をひそめる小屋がある。


そこでは日夜、これまでの経験を全てつぎ込んだ最高のAIをつくりだそうと博士は心血をそそいでいる。

理由は明確。


人間に絶望したから。


必ず世に復讐する。


許さない。



許さない。





7年ほどが過ぎた。

この時博士は36歳。

ここで一度AI開発を中止する。

次に手掛けたのは己と犬のサイボーグ化だ。


人間に絶望した自分が人間でいる理由などない。

さらには不死のエンチャント。

改造しない手はない。


自分に麻酔をうち、左腕から徐々に機械化していく。

これでようやく、忌々しい人間からの脱却ができる。

そう考えると気持ちが高ぶる。


自分が狂ってることくらいわかってる。

であればそれが正当化される世界につくりかえるだけ。

なにも問題はない。

何百年後かにはそんな世界になっているのだから。


ようやく自らと犬の改造が終わったときには5411年。

毎日欠かさず改造したにも関わらず、4年の歳月を要した。

時間の浪費だとは思わない。

自らが人間ならざるものに変貌していく様は実に見物で、幸せな時間だった。


改造を終えてからはAI制作にもどる。

腕部、脚部、腹部、背部、着々と組み上げていく。

そして最重要部分であるメインコンピュータ。

上手く配線を繋ぎあわせ、胸部へ搭載する。

コンピュータを頭部でなく胸部へ入れたのは人間どもに対する敵対心を込めて。


ようやくできた1体目。

起動する。

その機体の挙動に淀みはなく、しっかりと動き出した。


これが人間殲滅の一歩。


「マスター。おはようございます」


喋ることも容易だ。

既に人間殲滅のインプットは済んでいる。

俺の意思を理解するもの。

これを増やす。

AIの足元を機械犬がはね回っている。

そうだろうそうだろう、初めての完成は実に嬉しいものだ。


そうだな…6000年頃には宣戦布告もできるだろう。

これからはこいつと協力して進めていくのだ。


「人類殲滅」その悲願は遠くない。




そして6000年、400体ほどまで増やした。

途中の新発見もあり、初期よりもスピードをあげての生産が可能になっていた。


そしてその傍ら、機械獣という主な殲滅の戦力となるロボットの開発も進めていた。

その数およそ250体、正直まだ足りない。

殲滅をより確実なものにする為にも、まだまだ増やす必要性があるだろう。

だが、人間を恐怖に陥れるのは既に容易い。


機械獣を外へ送り、咆哮をあげる。

黒染めをした雨をふらせてさらに恐怖を煽る。


その後に軽く攻撃を加え、人間どもを減らしてあげる。

ちょうど人口の増加により、地中を使おうとする計画が最終段階へきたところだという。

そこへ一度すべての人を落としこむ。

その後に戦力を蓄え、戦争を行う。

人間どもの技術も決して侮れたものではない。

全面戦争になることはさけられないだろう。




案の定、人間どもの逃げた先は地中。

ここから数百年ほどかけて準備を進める。


戦争だ人間。その腐った存在を消してやる。


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