新年あけましておめでとうございます
「「新年、あけましておめでとうございます!!」」
本日一月一日、元旦。西暦6451年初日。気温は21度。
地下世界において気温や天気、季節といった概念は無いに等しいが、風習が無くなることはなく、みなが着物を着て、初詣に行くのだ。
「おいおい凜!セクシーな格好してるな!」
「や、やめてよ、恥ずかしいじゃない……」
凜が身に纏う薄桃色の着物。
髪を上にまとめているため、うなじがはっきりと見える髪型を幸が茶化す。
かく言う幸もまた、着物の裾を中に折り曲げて艶然とした脚を太ももまで出している。
「ねー葉菜、夕、二人ともなんだかセクシー……だね」
「私も思った。なんていうか……」
「見てるこっち、が恥ずかしく、なるよね」
「と、とにかく!早く初詣に行きましょう!」
近所で最も大きな神社は歩いて数分。
歩きやすくなっている幸を除いた4人は小さな歩幅で神社へと向かうことにした。
御伽雲神社。
毎年の年末年始に大勢の人で溢れかえる。
今年もまた例に漏れず鳥居の外にまで人が溢れている。
「うわあ、相変わらずすごい人だね」
そんな長蛇の列の最後尾に並ぶ。
最後尾なのは一瞬で、すぐに後ろにも人が増えていく。
「あれ?夕と幸は?」
「さっきまで後ろに―――――」
「あっちよ」
凜が見つけた幸は既に屋台をぐるりと一周したあとらしく、両手に大量のビニール袋をさげている。
その隣には右手にチョコバナナ、左手にりんご飴を持つ夕の姿もあった。
「いつのまにあんなに買い込んでたんだろ」
思わず漏れ出た苦笑い混じりの一言に葉菜がうんうんと強く頷く。
「ひどいだろー先に並んでるなんて」
「先にいなくなったのはそっちじゃないの」
「これだけ並んでるんだから食料必要かなーと思ってさっ。ほら、とうもろこしあげるから」
そう言って差し出したとうもろこしの袋を凜がなんとも言えぬといった顔で受け取る。
バターの豊かな香りが私たちの間に広がる。
「私も何か買っておけばよかったかなー」
「紗愛が行くなら私も着いてくよー」
「待て!2人にも何かあげるから」
「ほんと!?」「いいの!」
幸の了承を得て両手の袋をガサガサと漁る。結果。
「ありがとー幸……モグモグ」
私はベビーカステラを、葉菜は焼きそばをそれぞれもらい早速頬張る。
「まあ、みんなでお話でもしなからのんびり待ちましょうか」
凜もまた貰ったとうもろこしを食みながら人の山を遠目に見つめる。
果たしてお賽銭が届くのは何十分後になることやら……
ようやく最前列。
かれこれ40分弱といったところだろうか。
特に何かをする訳でもなく異様に豊富な食料と会話で暇を潰していると、知らぬ間に前列までたどり着いていた。
その間立ちっぱなしではあったものの、そこまで苦には感じなかった。
各々が片手に小銭を持ち、頷きあって同時に大きな賽銭箱へと小銭を投げ入れる。
チャリンと小気味よい音を聞いたのを確認し、合掌。
「一年間、健康に過ごさせていただいてありがとうございました」
と心の中で一年のお礼をする。
そして願い事に移るわけだが、兵士学校に通っている者であればその内容は自ずと確定するであろう。
「専用機資格試験に、みんなで合格できますように」
どうもみなさん、イロハです。
新年あけましておめでとうございます。
そうです、本編のお話です。
決して作者の頭の中のカレンダーが
バグりきっているわけではありません。
少し短めではありますが、このあと
専用機資格試験についての説明をこの後書きで
させていただきたいと思います。
それでは、また次のお話で!
次回投稿予定日は 6月22日 です。
【専用機資格試験】
当試験は2年生の12月、3年生の8月と2回受けることが出来ます。
それに合格することで、自分専用の機体、つまり専用機に乗る資格を得ることができます。
しかし、操縦訓練や実践訓練は2年生になってからになるため、2年生の時点で試験に合格することは非常に困難です。
またこの試験は人型、戦闘機型、異形型それぞれにあり、その難易度にほとんど差異はありません。
とはいえ、そもそも試験の難易度は相当なもので、3年生の時点での合格率はおよそ4%、2年生時点に至ってはおよそ2%ほどしかありません。
どの型の機体に乗りたいかによって受ける試験を選ぶことができますが、その際は該当する国領土へと留学する必要があります。
実際、戦闘機型機体パイロットの日本人や人型機体パイロットのアメリカ人なども存在します。




