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女番長さんとVRMMO  作者: Banapan
第一章 最初の拳とVRMMO
2/5

第1発目 キャラメイク

皆さん、4ヶ月ぶりです。大変遅れて申し訳ないです。モンゴルに行ったり仕事があったので投稿が遅れました。これから出来れば週一回に投稿できるよう努力します。


「終業式終わったー!お姉ちゃん、早く帰ろ!」


私の終業式が終わってみゆが早く帰ろうと急かす。まぁ、無理もないか。今日がサービス開始だから急ぎたいみたいだ。他の学生も何故か早く帰ろうとしていた。中には走っている人もいた。


「・・・まだ、大丈夫」

「まだサービス開始まで時間はあるけど、それまでにお姉ちゃんのキャラメイクが間に合わないの!」

「・・・キャラ?」


みゆが早歩きで歩いているので、追うように私も早く歩いた。


「そ、ゲームで遊ぶ時に自分の外見を好きに変えられるの。そうしないとMJOで身バレする可能性があるからね。一応リアルに影響が出ないようにそれなりの認識妨害もあるとは聞いているけど・・・それでも不安だからね」


なるほど、ただゲームするだけじゃダメなんだね。


「ま、お姉ちゃんだったら心配ないかな」

「・・・なんで?」

「何かトラブルがあってもお姉ちゃんの組のお兄さんたちとかお姉ちゃんが返り討ちにしそうだし」

「・・・」


これは流石に反論できないね。爺様の教えで、“自らの手で仕掛けず、襲いかかる脅威に立ち向かえ”と言われていたので、自分から喧嘩を売らず、振られた喧嘩は買う主義だ。どんなに大人数で来ても、

家族や身の周りに脅威が降りかかるのであれば、躊躇なく潰すのが私だ。そうしてここ数ヶ月、この街は平和な日々が続いている。荒れていた時期を思い出すとかなり変わったけどね。

早く歩いていたら、思ったより早く家に着いた。手洗いしてからすぐに部屋に戻って、昨日買ったヘッドギアをパソコンに繋げた。みゆも一緒に接続の設定を手伝ってくれた。初めてするフルダイブ式ゲームだから色々と問題があると大変らしいので細かいことはみおが設定してくれたから助かったよ。


「設定しながらミーのアカウントを登録しておいたから、ログインしたらすぐにミーをフレンド登録してね」

「・・・わかった」

「ミーはβ版のキャラでプレイするからお姉ちゃんは今すぐヘッドギアを被ってキャラメイクしてて」


そう言いながら私にヘッドギアを被せた。


「それじゃ、また後でね!」

「・・・うん」


みゆは自分の部屋に戻っていった。それではベッドに横になって電源を付けようかな。ダイブするスイッチをオンにしたら突然意識を持っていかれる感覚とともに視界が暗くなった。

しばし暗闇が続いていたと思ったら急に明るくなった。すると小さなエメラルドグリーンの妖精が目の前に現れた。


「初めまして、‘MUGEN・JOB・ONLINE’へようこそ!私はサポートAI、メリアルです。プレイヤー達の問題や質問など受け付けています」


あらやだ可愛い・・・素敵な笑顔だよ。


「貴女のような方がそう思ってくれて嬉しいです」


およ、考えている事を読まれているの?


「はい、この空間内限定ですが沢山のプレイヤーさん達に対応できるようにプログラムされています。上手く喋れない方や海外の方でも意思疎通ができるようになっております」


最近のゲームは凄いね。私だけ取り残されている気がするね。


「大丈夫です!貴女のように初めてプレイされる方は多いので深く気にしないでいいですよ」


そうなんだ、それを聞いて安心した。ありがとう。


「いえいえ、どういたしまして。それではキャラメイクを始めましょう。ところで、貴女のお名前はなんですか?」


突如目の前に画面が現れた。キーボードと名前を入力する空欄の場所が出ていた。これは自分のキャラクターの名前って事だよね?なんにしようか・・・大黒真央だから・・・マオ、マコ、マイどれかにしようかな?やっぱシンプルで元の名前でもいいかな?いや、間を取ってキーボードにコクマと入力した。


「コクマさんですね。外見はどうされますか?」


メリアルさんの言葉が終わった瞬間、私が目の前に現れた。私そのままコピーしているのかそのまんまだった。違う点は中世期風の服装を着ていた。やっぱり凄いね、このゲーム。


「目や髪の毛の色を変えたり、顔のパーツを変えたり、体型も変えることができます。ただし、背を高さは調整できませんので気をつけてください。そうするとプレイするのに支障が出るので」


それもそうだ。ボクサー達も体型が変わると馴染むまでは体を上手く使えないと聞いたことがある。それと同じ理由だろうね。細かい部分も注意してくれてありがたいね。

それじゃ、始めますか。まずは体型だけど、これは変えないかな。今のままで十分満足しているしね。問題は顔かな。両親から受け継いだ顔をいじるのは抵抗があるね。目と髪の色を変えるだけで良いかな。黒目、黒髪だからどの色にするか少し迷うね。悩んだ結果、目は金色に近い黄色、髪は真紅にした。見てみるとかなりカッコいいかも。これに決定!


「凄くカッコいいですよ!」


ありがとう、ちょっと照れるね。


「次に職業を選んでください。初期の職業は皆同じですが、プレイヤーさんの行動やクエストをクリアすることでコクマさんだけの特別な職業に進化することができます。職業の進化は一定のレベルに達していれば進化できますので自由にプレイしてください!」


このゲームのタイトル通りに自由に遊べるんだね。選べる職業は剣士、騎士、魔法使い、盗賊、闘士、弓使い、戦士、錬金術師、農民、職人。戦う職業は7つ、アイテムを作ったりあまり戦わない職業は3つとなっている。戦闘職や生産職は誰に習うかによって武器やスタイルが変わるみたいだ。みゆは多分戦闘職だったから私も戦闘職にしよう。一番親しみがあるのは闘士かな。爺様から武術を習っていたしこれでいいかな?すると私のキャラクターが闘士風の服装になった。籠手も装備されている。


「スタートサービスで初期装備は破壊不可能となっています。攻撃力や防御力はそこまで高くは無いです。より良い装備はプレイしながら買うか作れます。ただし、耐久値がゼロになると破壊されてしまうので気を付けてくださいね。最後にご自分のステータスを確認してください。ステータスと念じたり言葉にすれば確認できます」


え〜っと、ステータス?


プレイヤー名: コクマ

レベル: 1

職業:闘士

HP:400

MP:100

STR:100

VIT:20

AGI:50

DEX:40

INT:20

MND:50

LUK:10

ステータスポイント:5


おお、なんか出た。


「・・・え、ウソ?あ、失礼しました。こちらの数値はコクマさんの実際の身体能力を反映されています。今表示されているステータスポイントを使ってステータスをさらに強化できます。一度ポイントを使ってしまうと変更できないのでご注意ください」


なんか驚かれていたけどまぁいいや。でもステータスポイントが思ったより少ないね。


「元の身体能力が高いと最初からもらえるステータスポイントが少ないです。さらにほかのプレイヤーさん達よりスキル習得やレベルが上がりにくいようになっています。ゲームバランスのため、少し不便な点があり申し訳ないです」


まぁ、確かにそうなるよね。最初から差があって成長も同じだったら楽しめないね。わざわざ説明ありがとう。


「ご理解ありがとうございます」


それじゃ、ステータスをどれに使うかな?どれがなんなのか分からずに戸惑っていたら、メリアルさんの説明で詳しく知ることができた。STRは攻撃力、VITは防御力、AGIは敏感値、DEXは器用値、INTは知力、MNDは精神力、LUKは運。私はSTRが高いから闘士にもってこいだね。速度と精神力も次に高いので大丈夫だと思う。他のステータスにポイントを入れたらいいと思うけどバランスを考えるのが面倒だったからSTRに全部振ろうかな。


プレイヤー名: コクマ

レベル: 1

職業:闘士

HP:400

MP:100

STR:125(+25)

VIT:20

AGI:50

DEX:40

INT:20

MND:50

LUK:10

ステータスポイント:0


1ポイントでステータスは5ポイント増えるみたいだね。これからもSTRに振ろうかな?速度とか上げると現実でも影響出そうだから止めよう。攻撃ならまだ力加減ができるからね。


「全てお決まりになりましたか?」


うん、だいたい決まったかな。


「それでは全ての設定中に開始時間になりました。コクマさん、‘MUGEN・JOB・ONLINE’を自由にプレイしてください!」


その言葉と共に白い扉が現れ、眩しい光が輝きながらゆっくりと開かれた。

いよいよ始まるか。みゆも待っていることだし、早く行こうかな。扉に近ずいて不意に後ろを振り返ると、メリアルさんが手を振りながら見送っていた。色々と教えてくれたので感謝は言葉にしようかな。


「・・・ありがと」


メリアルさんが固まった。私も肝心な所でコミ症が出て固まった。沈黙が耐えられず、飛び込むように扉に逃げ込んだ。大失敗だ〜!!!




コクマが去っていった後もメリアルは固まったままだった。我に帰って最初に言葉にしたのが。


「・・・カッコいい」


この瞬間、メリアルは人間に近い感情を抱くようになった。


コクマ最初の一歩。

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