異世界人専用の殺し屋
良く分からないかも知れません。
午前3時、まだ補導の時間帯に紅色の目を隠す為に黒いカラコンをした一人の少年が口笛を吹きながら電車の音と様々な騒音がするホテルの前の錆びれたビルの階段を登っていた。
彼はフードを被り黒いぶかぶかの分厚いコートを羽織り顔が分からないように前髪を伸ばし背中に相棒のカスタムした狙撃銃(アキュラシーインターナショナルAS50本来なら対物銃だけど此処では対人銃にします。)を背負い仕事をするため一歩一歩、カツカツと登りブーツの音を響かせていた。
彼は異世界人専用の殺し屋であった。
まだ14歳であり、普通なら義務教育を受けている歳であるが彼はそんな汚れ仕事をしていた。
(こんな風に書いてるけどちゃんと学校行ってます。)
まだ黒目の彼は孤児であった。
彼の親は彼を愛していなかった。母親にとって彼は遊びで出来た存在であり自分の子供とは思っていなかった。それは父親も同じであった。
そしてそれは彼が2歳でとても寒い日の事であった。
彼を連れて母親と父親は雪が積もる山に来ていた。普通ならこんな山に2歳の子は連れて来ないが目的の為に連れて来ていた。
そして彼は泣き喚く事もせず、駄々を捏ねる事もせずただただ無言で父親と母親に必死で着いて行った。置いて行かれたくない一心でまだ歩けるようになったばかりだと言うのに。
だが2歳なので山でそんなに歩ける訳が無くすぐに疲れて座り込んでしまった。
そしてそんな彼に母親と父親が近づき
「はぁ、やっと歩けないようになったわね。なんで私達がこんなガキを育てなきゃいけないのよ!
ちょっと、危険日に一回ゴムつけなかっただけじゃないの。しかも中絶するのになんで10万近く掛かるのよ。高すぎるのよ!育てるの大変過ぎ!はぁ、こんなガキ生まれて来なかったら良かったのに。」
「そんな怒んなって、さぁ、ガキ置いて帰ろうぜ。寒いし、保健所の奴ら誤魔化さなきゃあいけないしな。」
「そうね。ほんと、こんなガキの為にあんな腹痛めなきゃいけないなんて最悪だったわ。あぁ、寒。」
こんな言葉を掛け去って行った。
そして彼は捨てられた。
彼は異常な程賢かった。彼は夜泣きする事も、泣き喚く事も、駄々を捏ねる事も無かった。他の子のお母さんが聴いたら羨ましがるような育てやすさだったのに捨てられてしまった。
ただ、こんな時にはその異常な賢さが仇となってしまった。
彼は理解してしまったのだ母親と父親の話を。単語は理解出来なかったがだいたい何を言われているのかは理解してしまった。
理解出来なかったなら絶望する事は無かったのに。
彼は疑問に思ってしまった。
どうして?おかあさんもおとうさんもおいていくの?
どうして?いいこにしてたのに?
どうして?ぼくはいらないの?あいしてくれないの?よこのいえのこみたいに『愛してる』っていってギュっとしてくれないの?
どうして?どうしておやまにくるまでにみたおやこみたいにおててをにぎってくれないの?
どうして?どうしてぼくにむかってニコってしてくれないの?
どうして?どうしてぼくはいらないの?
どうして?どうして?どうして?・・・・
そうして4時間ぐらいが経ち夕暮れ時になり、彼は眠くなって眠ろうとしていた。
こうして彼は訳も分からず死んでいくはずだった。
しかし彼がもう目を閉じようとしていたら彼は此方に向かってくる足音を聴いた。
彼は母親と父親が来たと思い喜んでその足音の方を向いた。
そこには17歳ぐらいのとても美しい女神のような女性が軽く雪が積もった傘を差した女性が立っていた。
彼は
あぁ、おかあさんとおとうさんじゃないのか。
と思い開けた目を閉じた。
そして彼が目を閉じた後その傘を差した彼女は傘を捨て彼をそっと持ち上げた。
「まぁ、この子、凄い瘦せこけてる。私と一緒で捨てられたのね。どうしようかしら?他の命を奪い続けて来たこの私だけどこの子を育ててみようかしら?
・・・・分かってる、そんな資格があるような私ではない事も。
ただの自己満足だって事も。」
彼女は何処か自嘲気味に呟いた。
そして彼女は傘を捨てたまま元来た道を帰って行った。
その背中に背負った彼とカスタムした狙撃銃(ツァスタバM76)と共に。
彼が目を覚ますと彼の鼻に刺すような匂いと木の匂いがした。
彼は始めて嗅いだ匂いだから火薬の匂いは分からなかったが。
そして彼の前には真っ白い何かがあった。
うーん、あぁ、あったかい。このままがいい。
彼はその温かい物をギュっと抱きしめる。
そしたら、その温かい物がギュっと抱き返してくる触感を彼は感じた。
そして彼はそんな温かい物に身を任せた。
「よし、よし、もう大丈夫だからね。もう大丈夫、お姉さんに甘えなさい。寒い中良く頑張ったわね。もう大丈夫よ。」
とそんな風に背中を摩られ、優しく耳元で囁かれて彼は酷く安心した。
それは彼が本当に欲しかった物が与えられたからかも知れない。
そして彼は泣いた。
「うぅ、ぅ、ぅうわぁぁあ、うん、うわぁぁぁぁぁあん。」
静かに泣いた。それはうるさくしたら、怒鳴られるかと思ったからか何なのかは彼にしか分からないが彼は静かに泣いた。
そしてそんな彼を彼女は抱き締め泣き止むまで背中を摩り続けた。
「頑張ったから、あなたは頑張ったから、泣いて良いのよ、頑張ったんだから、あなたは立派よ。」
と優しく囁き続けながら。
それは側から見るととても美しい光景だった。
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彼女と彼は誰も訪れない様な山奥にひっそりと立っている山小屋に住んでいた。
彼と彼女は本当の親子のように過ごした。
ただし彼が彼女の事を『お母さん』と呼ぶととても嬉しいような悲しいような顔をして『お姉ちゃん』と呼びなさいと言っていたが。
そんなこんなで仲睦まじく暮らしていた。
そして彼が7歳になった時、年を取っていないかの様に全く容姿が変わらない彼女は珍しく真面目な顔をして
「すっかり忘れていたわ、あなたを学校に通わすのを。どうしようかしら?多分、失踪届けが有るから普通に通うのは無理だろうから私が勉強を教えようかしら?」
「学校なんか良いから、お姉ちゃんの仕事を手伝いたい。」
彼がそう言うととても彼女は驚いた顔をした。
「あ、あなた。お、お姉ちゃんが仕事をしてる事をし、知ってるの?」
「え?いや、だって良く僕が寝た後に銃を背負って何処かに行くじゃん!それって仕事をしに行ってるんでしょう? ・・・・って言うか仕事して無かったらただの引きこもりだよ。僕達。」
「まぁ、そうだけどね。じゃあ仕事の内容は知ってる?知ってて言ってたらお姉ちゃんはあなたと話し合わなきゃいけないんだけど。」
そう真面目な顔して彼女は言った。
「うーん、仕事の内容は銃持って行ってるから殺し屋か狩猟?」
「仕事の内容までは詳しく知らないのね?」
7歳の彼が殺し屋を知ってるのはスルー。
それと最初に殺し屋が出て来るのもスルー。
「うん、知らない。」
「そう、知らないのね、私はわた・・・異世界人専用の殺し屋よ。」
すると彼はキョトンとした顔をした。
「それって殺し屋じゃないの?」
「ええ、殺し屋よ。ただし異世界人専用のね。」
「異世界人って何?」
彼は全く分からなかったが山小屋にある書庫にある本に異世界の事が書いてあるフィクションの本が有った為、何となくだが予想出来た。
(ライトノベルです。)
「異世界人って言うのはね。まぁ本に出て来る様な物よ。例えば有名どころでエルフとかドラゴンね。あの良く勇者のお仲間で出て来る奴よ。」
「え?本当にいるの⁉︎空想上の物かと思ってた。」
彼はかなり驚いた顔をする。そりぁそうだろう。例えば君達が急に男の友達だと思っていたのが女の子だったぐらいの驚き。え?そんな例えは分かりづらい?
「ええ、いるわよ。なんかねぇ、200年ぐらい前だったかしら?そんぐらいに地球からロギリスって言う異世界に召喚された人がいるのよ。そしてあのバカが地球とロギリスを簡単に行き来出来るようにしちゃったのよ。そしたら、あら大変。魔法を使えるロギリスのエルフだとかは行き来出来るけど、地球の人達はほとんどの人達が魔法を知らないからロギリスと行き来が出来ないから、大変な事が起こったのよ。って言うか何であいつは地球の人達が魔法使え無いのに使え無いと行き来出来無い様にしたのかしら?バカでしょ。
まぁ、それでエルフ達だとかがやって来て地球の人達が魔法を使え無い事を良い事に世界征服をしようとしたのよ。ま、それでそれを防ぐ為に私達異世界人専用の殺し屋が出来た訳。」
どんな大変な事が起こったのかは分からなかったが彼は
・・・・どうでも良かった。
彼には彼女が全てで有った為、そんな異世界だとか地球が世界征服されようが大変な事になろうが彼女が無事で有れば後は別にどうでも良かった。
だから説明が適当だったのも気にならなかった。って言うか途中から聞いてなかった。
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それから彼は彼女の仕事を手伝えるように訓練をした。
彼女はとても反対していた。
彼女の仕事を彼が手伝うのを。それはそうだろう。自分が育てて来た子供が殺し屋になろうとしているのだ。誰だって反対するだろう。しかし、そんな訓練をする生活が五年続き彼女が折れた。
一つの条件付きで、それは中学校に行く事。幸い彼女が彼に勉強を教えていた為どうにでもなった。彼女は中学校に彼が行って世界を学んで欲しいと思った。それと、彼には彼女以外の親しい人がいないので友達と言う物を作って欲しかったから。
彼は彼女といられる時間が減ると思い全く嬉しく無かったがこれも彼女と仕事をする為にと思い我慢した。
そうして彼は彼女が何処からか取り出した偽の住所などを覚え小森小学校何て言う行った事も無い小学校の卒業証書をもらい中学校に入学した。
そしてそれからは彼は彼女に銃の使い方、撃ち方の技術などなどを学んだ。
そして、彼が13歳になった時。彼女は彼に自分の正体を教え彼はそれを受け入れた。と言うかどうでも良かった。彼は彼女が彼女で有れば彼女の正体が何で有ろうとどうでも良かった。
そしてこの時、ある事をした為に彼の目は紅色の目になり、背が伸びなくなった。彼はちょっと落ち込んだがこれでより長く彼女といられると思い落ち込む事は無くなった。
そして彼はこの時から異世界人専用の殺し屋となった。
そして、物語は冒頭へ。
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彼はちょっとイラついていた。それは高校受験が迫って来たからでは無い。さっき、女の子に間違えられたからでは無い。いや、女の子に間違えられた時はイラっとしたが。
別に彼は女顔な訳ではない。
中性的な顔立ちで腰ぐらいまで髪を伸ばしているから間違えられるのだ。
何故イラついているかと言うと彼女と一緒に仕事が出来ないからだ。だから口笛を吹いて気を紛らわせていた。
そして彼はビルの屋上についた。そして彼は周りの高いビルからこちらを見ている者がいないかを確認し、前のホテルを見る。
あぁ、いたいた。チッ、タダでさえお姉ちゃんと一緒に仕事出来なかったのにメンドくさい事をしやがって。これじゃあ狙いづらいじゃ無いか。
彼がそう思うぐらいにはメンドくさかった。
何故ならホテルの四階の角部屋の一室で白いローブを着た太ったエルフが攫ったのか縄で手を縛った女の子を押し倒していた。
はぁ、ナニをするのか知らないけどエルフを撃ったら女の子にも当たる。メンドくさい事をしやがってもうちょっと右に行けばあのエルフだけを撃てるのに。ん?って言うかあの女の子。・・・・どっかで見た事が有るなぁ。あ!昨日テレビ出てたアイドルだぁ!うわぁ、メンド!え?何?絶対あの女の子に当てたらダメじゃ無いか!ヤァバい。
確かにヤバい。
どうしよう?間違って撃ったりでもすればマスコミがウザいだろうしなぁ。ま、当てないように撃つかぁ。
そうして彼は腰を少々落とし、背負っていた銃を持ち肩と頰に銃をつけ、構える。そして右目でスコープを覗き、倍率を12倍ぐらいにし、太ったエルフの頭だけを撃つように照準を合わせた。そして彼はそのまま撃つと頭に当たってもエルフの頭の方が硬いので弾き返されるので彼女に教えてもらったやり方で確実に殺せる様に準備をする。
そして彼はトリガーに指を添えた。
トリガーを引く。
パァン!
とサイレンサーを付けている為、多少音は小さくなったが乾いた音が響いた。
そして
パリィン!
と窓ガラスが割れる事は無く
すり抜けた。
そして着弾。
ドパァン!
そんな音を立ててエルフの顔が弾け飛ぶ。
周りにはエルフの血が弾け飛び、部屋と女の子とベットが赤く染まる。
そしてエルフの身体の首の断面からは赤いシャワーが飛び出る。
そして血だらけになった女の子は悲鳴をあげる事は無く、目を見開き、声にならない声を出し、顔を真っ青にし倒れる。
そして、それを見ていた彼は
「まぁ、そりぁそうだよね。いきなり人が死んだらそうなるよ。後始末はもう頼んで有るからどうでもいいけどね。」
そう言って彼はそこから立ち去った。
彼にはどうでも良かった。あの女の子がこれからどうなろうと。
そしてその次の日から何事もなかったかのよに彼は中学校に行く。
展開が早くてすいません。
好評だったら連載版したいと思います。
詳しく説明だとかしたいですし、もっとちゃんと書きたいですしね。
彼女の正体とか彼と彼女の名前だとか。何でガラスをすり抜けたのか?とかね。
それと彼を異世界転移させたいです。僕が異世界転移物が好きなので。
まぁ連載版しなきゃこんな事言っても仕方ないんですけどね。