#039「終劇幕」
#039「終劇幕」
※エンドロール
・東海林
真剣な顔でネーム作りに没頭。
「エッ! 今の、録画してたんですか?」
・シュエット
煙草の火を消し、照れる。
「これは、お恥ずかしいところをお見せしました」
・フィッシャー
バケツアイスを食べる手を止める。
「ちょっと、もう! 撮るなら演奏中にしてくれよ」
・ビッキー
メイクする手を止め、カメラを掴もうとズカズカ歩み寄る。
「変身中は、撮影エヌジーだ!」
・フィッシャー三姉妹(アレクサンドラ・アマンダ・アンジェリカ)
ヒソヒソと耳打ちしつつ、算段する三人。
「アリーです」「アミーです」「アンジーです」
「「「三人合わせてクローバーズマート看板娘です」」」
・サンテンゴ
フードを軽く持ち上げ、営業スマイル。
「ようこそ、マドマーゼル。オヤ、マダムでしたか。これは失礼」
・春麗
フラスコに駒込ピペットで試験管の液体を注ぐ。
♪ボンという破裂音。
咳き込みながら手の平で黒いガスを払う。
「ヤレヤレ。また失敗かな」
・石黒
黒板に漢詩の一節を書く。
「漢字というものは、実に興味深い」
・チャーリーとルチア
腕を組み、安楽椅子に踏ん反り返る。
「我が名はチャールズ・フレデリック・パーシバルだ。気安くチャーリーなどと呼ぶな、この無礼者め」
『チャーリー。特製ディナーが出来たわよ』
「ヒイッ。また紫色のビシソワーズを飲まされては堪らない。失礼させてもらおう」
・雪梅と蕾々
蕾々を抱きかかえ、ゆらゆらと左右に揺れる。
♪ヒックヒックという子供の泣き声。
「アラアラ、どうしましたか?」
♪エーンという子供の泣き声。
「我もシーヘイみたいに、気持ちを読み取れれば楽なんだけどなぁ」
・七海
包丁でリズム良く葱を刻み、俎板を持ち上げ、包丁で鍋に入れる。
「すっかり糠味噌臭くなったものよね。中学時代の自分には考えられない未来だわ」
・東海林の両親と叔父(東海林修)
父、林檎を一口齧る。
「ウム。やはり林檎は、我が家の取れたてに限る」
「無理すると外れますよ、部分入れ歯」
「言っても無駄だよ、義姉さん。兄さんはジョッパリだから」
*
・著者
はにかんだ様子で頬を掻きつつ、深々と一礼。
「最後まで読んでいただき、ありがとうございました」




