~幸薄美丈夫ベストセラー作家の秘密と涙の行方~
はじめての作品です。
恋って本当に難しいですよね。
そんな恋を幸薄美丈夫と平凡男子が描いていきます。苦しい秘密を抱えながら生きる・・・でもそれだけではない楽しさも盛り込んでいく予定です。
誤字脱字たぶんあります笑
『あぁ。。。人ってこんな風に涙を流すんだなぁ。』
桜の花がひらひらと舞う美しい場所で僕はなんてこと考えてるんだろう。
でもその涙が綺麗すぎて・・・あああぁぁぁこの衝動が堪えられない。
僕の名前は桜日遥、教育学部3年に通う学生である。特技は家事全般かな。小学5年の時両親が事故で亡くなり、
親戚にたらい回しにされるというありがちな道を通り、父の友達の友達にお世話になるという本当に申し訳ない感じで毎日過ごしています。
その父の友達の友達である彼は、なんていうか幸が薄い感じで本当に頼りない。いや、僕をここまで育ててくれたとても大切な人なんだけどさ。肌は透き通った白い絹肌で、慎重も高くモデル体型。目なんて光を当てればグレー色に水色が混じった日本人から見れは本当にきれいな色なんだよね。髪の色は白に近いグレー。
でも彼は外は苦手なんだ。いやというか、外に出たくても無理というかね・・・
「おおおおーーーーぃ聞いてるかい望くん。もう締め切りぎりぎりで寝る間もおしいっていってたのあなたでしょうよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。あと・・・・いっぷん・・にじゅうさんびょう・・・・・・。」
もう何年も思ってるんだけど、何その中途半端な秒数。
普通はそんな半端な秒数までつけないよね?寝起きがいい僕が言っても説得力皆無だけどさ。
僕は彼に拾われてから、毎日5時起きでご飯をセットし、その後ジョギングが日課になっている。さすがに拾ってもらってなにもしないほど図太い性格ではないからね。
うちの亡くなった両親は仕事では有能、家事何それ状態なアンバランスな人達だったから僕が小学生に上がると率先して家事をするようになった。
両親とも一生懸命頑張ってくれてるのは知ってたんだけどね。いかんせん料理が壊滅的に不味くて。どうしたらそんな味になるんだろうって子どもながらに自問自答してたよ。口には出さなかったけどさ。
まぁ、そのおかげで家事スキルが上がったからよしとしましょう。最近では大豆から味噌を作ったり、庭になっている梅で梅干しを作ったりしていつでもお嫁に貰って下さい状態です。
まぁ、男だから嫁ではないな。
ってまてまて、こんな回想してる暇はなかった。早く望君起こさないとやつが来てしまう。
がちゃ・・・がちゃがちゃ・・・
ドドドド。ドドドドドドドド。ばりっ・・・・・
すみません。毎度うちの障子やぶるの本当に止めて。張り替えるの僕なんですけど。
「おい。起きてんのか望。死んでる暇はお前にはねぇぞ。死ぬなら向こう何十年分書いてからシネ。」
あーこの人、本当に血も涙もなんもない。死ねなんてそんな言葉使ったらダメじゃないか。教育上よくないでしょ。
せっかく綺麗で女の子にモテモテな羨ましい顔なのに。あーどうせならこの平凡な顔を交換してくれないかな。
愛想というものはこの家には持ち込まない主義だそうだから、眉間にシワのない外面はなかなか拝めない。
にしても・・・・・・まだ起きないんだ望くん。
「後にじゅうきゅうびょう・・・・・・。」
はい、きましたこの変な数字。もう言うくらいなら起きたらいいのにね。諦めないところがすばらしいね。
げし・・・げしげし・・・げしげしげしげし。
「あっ止めてあげて、彼の唯一・・・いやもう一つの取り柄の顔が変形しちゃうよ。恭ちゃん。」
「あぁん?お前はまだ俺のこと恭ちゃん呼びか。いい加減『恭お兄様』と呼べ。この平凡。」
ひどいなー相変わらず。僕まだぴっちぴっちの二十代前半だよ。確かに癖のある黒髪丸顔、二重だけどなんか眠そうっていわれる瞳。
身長も高くもなく低くもない172センチ。目があんまり良くないからかけてる眼鏡。
うん平凡だねごめんなさい。
「あーふぁ・・・・・うるさいよ君達。朝はもっと静にしてっていってるでしょ。ご近所さんに迷惑だよ。これだから最近の若者は・・・って言われちゃうじゃない。俺そんなのいやだな常識人だから。」
・・・・・・・・・・・。
起きたら起きたで面倒な。確かにご近所さんには申し訳ありません。だけど今は夕方だからね。コケコッコーって鳴いてないでしょ鶏さん。
「いや望君、毎日言うけど今は午後五時だから。」
と頭をガシガシしながら僕が言うと
「あー冷たいなー朝から塩対応でお兄さんの心は錆び付いた歯車のようにガッチガチに冷たくなっちゃうなー。」
ほぼ閉じてるその目で言われても心にはひびかないよ。
ばぁったーーーーーーーん。
あっ机壊れちゃう。
「おい。望。俺は時間がないのにわざわざわざわざおまえを見に来てやってるんだよ。起きたなら早くデータ送るか俺にデータ渡せっ。」
「まだ書いてないから送れるわけないじゃん。恭ちゃんおバカさんだね。」
ぷちーーーーーーーーーーーーん。
あっ切れた・・・早く避難しないと。
「張った押すぞっお前の仕事だろうがっ働かないもの食うべからずって言葉先生に教わらなかったのか、お前の先生御一行様呼んでこいっっっ。」
「あはははははははっ何いってんの、幼稚園から大学まで全員俺と同じ先生だから。自分で聞いてきなよ~久々に会えて皆喜ぶんじゃない?」
ちっっ・・・あー盛大な舌打ち入りました。僕は夏でもないのに汗が止まんないよ。
「あーわかった。俺はいい大人だからな。いいから早く書け。大先生様の本待ってる人もいるんだからな。俺はどうでもいいけど。」
そうこの桜日望こと、『桜日鈴』は僕が引き取られる少し前からミステリー小説、恋愛小説、絵本などなど・・・要は作家さんなのである。
家事全般は出来ないが文章や絵に関してはものすごい才能を有している。僕は幼稚園の先生になろうと思ってるので、望君の絵本を読ませて貰うのだか、子どもから大人まで何度も読み返したくなる作品になっている。
特に年齢に合わせた色の使い方や文章の繰り返しが癖になる。
あーなんでこんな天才がこんなに変な人なんだろう。
あっ天才だから変なのかな?いや天才に失礼だ。望君だからだね。
それにしてもまだ僕っていってるなーおれおれおれおれ~俺。
そうこれはちょっと抜けてる?平凡な僕・・・・いや俺と、幸薄だが美丈夫、でも少し?口の悪い大先生の話である。
最後までありがとうございます。
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