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第64話 普段使ってない物って必要な時に同じの買ってダブらせる

前回のあらすじ

ハングベアのおやっさんに初めて会う

報酬の受け取りは明日の昼過ぎ

ご飯の後はすぐに寝た


「それで今日はどうするの?」

 昨日あの後速攻で爆睡して目が覚めたら昼前で、先に起きていた姫姉から寝起き一番にそう聞かれ返答に困った。

「え〜と、どうしよっか」

 困った挙句、俺は姫姉に質問に質問で返した。

「はぁ、予定は何も無いの?」

 姫姉にそう聞かれ、何か予定がないか寝起きの回りが悪い頭で考え思い出した。

「ああ、それなら昼過ぎにギルドに報酬を受け取りに行く用事があった」

「そう、ならこれから外で昼食を食べてギルドに行きましょう。その後はこの子の服とか見繕いに行くわ」

 姫姉は自分の後ろに立っている暗殺者の女の子に視線を向けながら今日の予定を立てた。

 俺はそれに頷いて素早く着替えを済ませる為に昨日覚えた無限収納アイテムボックス式早着替えを行った。

 姫姉と暗殺者の女の子が唖然とした顔で俺を見ていた。

「どうしたの? 早く食べに行こうよ」

 俺はあえて早着替えの事には触れず、二人を外に連れ出して誤魔化した。


「それでさっきのは何だったの?」

 昼食を食べる店を探しながら歩いていると姫姉から早着替えについて聞かれ、俺は仕方なく全部ゲロった。

「という訳でして」

「はぁ、まあいいわ。というか優くんって早着替えのアイテム、カジノで当ててなかったけ」

「そうだっけ?」

 俺は姫姉に言われ無限収納アイテムボックスの中を探してみると早着替えのペンダントがあった。

「ほら、やっぱりあったじゃない。ふふん、教えてあげたんだから昼食は優くんのオゴリで」

「はい」

 昼食は俺持ちになった。

「それじゃ、昼食はこのお店で食べましょう」

 姫姉は一目で分かるくらい高級そうな店を目指して俺たちの手を引いていった。


 店内に入るとピシッとしたウェイターが話しかけてきた。

「お客様、失礼ですが当店は貴族や商人向けの高級店です。お手持ちの方は大丈夫でしょうか?」

 ウェイターは開口一番に金を持っているか質問してきた。

 まぁ俺たちの格好は普通の服装だし歳も若いから聞かれたかも知れないので俺は姫姉が食ってかかりそうなのを止めて、無限収納アイテムボックスから飛龍討伐勲章を取り出してウェイターに見せてみた。

「これで良いですか?」

「これは何ですか? 当店はこのような玩具でお食事頂けるほど安くはありません! お引き取りください!」

 ウェイターは俺が自信満々に出したものを見て玩具と言い放ち、俺たちを追い返そうとしてきた。

 勲章を突き返されたことで俺は赤っ恥を掻いたが、姫姉たちの前なので何でも無い様に振る舞い俺は無限収納アイテムボックスから大金貨を一枚取り出してウェイターに渡そうとした時、横から誰かが声を掛けてきた。


「ちょっと待ちたまえ、この店はいつから国家反逆者を雇うようになったんだ」

 話しかけてきたのはおとなし目でありながらも質の高い服を着た白髪のご老人だった。

「お客様、失礼ですがそれはどういう事でしょうか」

 ウェイターは声に怒りを乗せながら老人に聞き返した。

「どういう事も何も、事実を言っている。私はこの店の料理が気に入っていたのだが、彼が見せた物の価値も分からないとはな」

 老人は俺が見せた物について理解したからこそ声を掛けてきたみたいだった。

「あんな物そこらの土産屋に売っている玩具でしょう!」

 ウェイターがそう言った途端、老人は何処からともなく剣を取り出してウェイターの喉元に突きつけた。

「もう良い、その口を閉じろ。貴様は国家反逆罪で処罰する。誰か衛兵を呼んでこい!」

 老人は怒気の篭った声でそう発し、他のウェイターやウェイトレスがやって来てこの状況を見て奥に戻って行き、偉そうな人を連れて戻って来た。


「これは……一体」

「久しいな支配人。なに、此奴が国家反逆者だったのでなこの私自ら捕まえたまでのこと」

 老人はやって来た男にウェイターへ剣を突きつけた状態で話しかけた。

「そ、そんなはずは……。彼は至って真面目なウェイターでそんな素振りは」

 支配人と呼ばれた男は狼狽えながら老人にそう返した。

「この私の言葉が信じられぬのなら本人に直接聞くが良い」

 老人はそう言って支配人の男にウェイター

と話すように促した。

 支配人の男はウェイターから話聞き終えた後俺の方を向いて話しかけて来た。

「失礼ですが彼に見せた物をこの私にも見せて貰えないでしょうか?」

 俺は支配人の男に飛龍討伐勲章を手渡した。

「失礼します。コレは……まさか、飛龍討伐勲章ですか!」

 支配人の男は全体をじっくりと眺めた後、龍眼の所を見てコレが何なのか理解して声に出した。

「支配人、コレで私の言った事が理解出来たな。それでは衛兵を呼んでもらえるな」

 支配人は老人にそう言われて俺に勲章を返したのち、ウェイターの一人に衛兵を呼ぶように言付けた。


 言付けを受けたウェイターが店を出て数分もしないうちに、衛兵を連れてウェイターが戻って来た。

「通報を聞いて来たが、またか」

 やって来た衛兵の中にアリシアさんがいて、アリシアさんは俺がいるのを見てため息を吐いていた。

「またとは失礼だなぁ。俺はアリシアさんに教わった通りに勲章を身分証がわりに使ったのに玩具扱いされたんだから」

 俺がアリシアさんに今回の事を要約して伝えるとアリシアさんは頭を抱えてしまった。





まだ続けそう

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