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第50話 公権力には腐ってる奴が殆ど

前回のあらすじ

奴隷暗殺者の首輪を無理矢理外した

身代わりの指輪が無ければ奴隷暗殺者は死んでた


「朝が来てしまった……」

 俺は窓から差し込む黄色い光に目をやりながら、徹夜明けの欠伸あくびを噛み締めた。

「それじゃ私この娘と寝るから。優君そっちの男、衛兵に突き出して来て」

 俺に言いたい事だけ言って姫姉は、返事も聞かずに元奴隷の少女と一言二言話し、それから元奴隷の少女と共にベッドにダイブした。

 呆れていると規則正しい寝息が聞こえてきて、俺は姫姉が寝てしまったと理解した。

「仕方ない、コイツ連れて行くか……。あっそうそう、これは独り言だけど少しでも殺気を当てたら姫姉起きるから気をつけて」

 俺はそう独り言を元奴隷の少女に聞こえるよう言ってから、未だにぶつぶつ呟いている男の襟を掴んで引きずりながら部屋を出た。


 部屋を出て食堂に行くとまだ朝早いのにそれなりに人が座っていた。

 俺は男を引きずりながら空いている席に座った。

 そんな俺の姿を見てアリスちゃんがすっ飛んできた。

「ちょっ、ちょっとお兄さんっ! 何やったんですかっ!」

 アリスちゃんは足元で俺に踏まれている男と俺を交互に見て聞いてきた。

「何やったって、それはコッチのセリフだよ。とりあえずアリシアさん呼んできて貰えないかな?」

 俺はアリスちゃんにそう伝えるとアリスちゃんはどこか走って行った。


 それからのんびり待っていると外から多数の走る足音が聞こえ、その足音は食堂に入ってきて俺を取り囲んだ。

「通報にあった男はお前だなっ! 逮捕する!」

 食堂に入ってきた衛兵の一人がそう言って俺の腕を掴んできた。

「あの〜勘違いですよ。腕、離して貰えませんかね。それに捕まえるならコッチの俺が踏んでる方にして欲しいんですけど」

 俺は極めて冷静に話しかけたが俺の腕を掴んだ衛兵は聞く耳を持たず、俺を無理矢理組み敷いてきた。

 そして組み敷いてきた衛兵は何をトチ狂ったのか腰に携えている剣を抜き、俺の首を狙って突き刺そうとしてきた。

 流石にここで刺されるのは嫌なので無限収納アイテムボックスに入っていた金属製の縦長の物を俺の首元に出して、スキル形状変化で首と頭を守る様に形よ変われと思いながらスキルを使った。

 ガキンッ‼︎ と金属同士がぶつかり合う音が響き、衛兵が持っていた剣は根元から折れ刃はカランっと音を立てて床に落ちた。

 なんとかスキルが発動して俺の頭と首を覆う様に形が変わっていた。

 まぁ変わらなくても大丈夫な様に首と頭が隠れるように出したんだが。

 それにしても俺は何を形状変化させたのか気になって鑑定した。

 結果はミスリルゴーレムの腕で出来た盾と出ていた。

 訳が分からなかったので説明文を読んだ。


《ミスリルゴーレムの腕で出来た盾》

ミスリルゴーレムの腕で出来た盾っぽい物

製作者がミスリルゴーレムの腕を装備品と思いながらスキル形状変化を使った結果、形が変化した盾

スキル形状変化の間違った使い方のため盾としては三流

重すぎて普通は装備出来ない


 なんかよく分からないがスキル形状変化でそういう事出来るということだけは分かった。

「くそッ! 誰でもいいコイツを殺せ!」

 俺がミスリルゴーレム製の盾を調べていると、剣を失った衛兵が周りの衛兵に怒鳴りつけた。

 怒鳴りつけられた衛兵たちは逡巡しながらも言われるがまま抜剣し俺に斬りかかってきた。

 仕方がないので俺は無限収納アイテムボックスからミスリルゴーレムを俺の周りに出して、スキル形状変化で俺を取り囲むドーム型にした。

 

「とりあえずこれで良しっと。それじゃそろそろ離して貰えませんかね」

 俺は未だに俺を組み敷いている衛兵に話しかけた。

「黙れッ! 貴様みたいな犯罪者は殺してやる!」

 怒り心頭の衛兵は組み敷いた状態から馬乗りになり殴りかかってきた。

 俺はミスリルゴーレムで作った盾をスキル形状変化で殴られる場所に動かしてガードした。

 ゴンッ‼︎ と思いっきり金属を殴った音がして、殴った衛兵はミスリルを殴ってしまった拳を押さえてのたうち回っていた。

「ガァ、イテェ‼︎ 俺の手がァ!」

 痛みに苦しんでいる衛兵はとりあえず行動不能にできたので俺はドーム型に形成したミスリルを一度無限収納アイテムボックスに戻してから周りの衛兵に話しかけた。


「俺は被害者だっ! さっき踏み付けていた男に襲われて返り討ちにしたのちにこの宿の娘に衛兵を呼ぶ様に頼んだ。それなのにこの仕打ちはどう言う事だ。それに無抵抗の俺を殺そうとまでしてきた。これ以上は俺も抵抗させて貰う。それでも掛かって来るならコッチも容赦はしないからな」

 俺はつい殺気を放ちながら俺を取り囲む衛兵たちを睨みつけた。

「わ、わかった。剣は収める。事情も聞くから落ち着いてくれ」

 俺から一番近いところに立っていた衛兵がそう言い剣を鞘に収めた。

「ほら、お前たちも仕舞え」

 俺に話しかけてきた衛兵は他の衛兵にも武器を仕舞うように命じた。


 衛兵たち全員が武器を仕舞ったところで俺の方から話しかけた。

「さて、やっとゴブリンよりはまともな話し合いが出来るって事かな」

 俺は戯けた感じで話しかけると数人の衛兵が気分を害したのか、俺を睨みつけ怒鳴りつけてきた。

「貴様ッ! 口の利き方がなってないぞ!」

「無抵抗だった俺に斬り掛かって来るような理性のない獣風情には言われたく無いですね」

 俺は飄々とした態度で睨みつけてきた衛兵に言葉を返した。

「このッ糞ガキがァ! ぶっ殺すッ!」

「良いんですか? ここで剣を抜けばあなた方は自分で「我々は理性のない獣です」って言っているようなものですよ」

 俺は抜剣しようとしていた衛兵に向かって分かりやすく挑発をしてみた。

すると剣を抜こうとしていた衛兵は言葉の意味を理解できたのかつかから手を離し、屈辱に歪んだ顔で俺を睨みつけるに留まった。

「最低限言葉は理解できるようですね。それじゃ今度こそ話し合いを始めましょうか」

 俺は組み敷かれた時倒れた椅子を戻して座った。

「立ち話もなんですし、座って話しましょう」

 俺は近くにいる衛兵に椅子に座るように提案し、衛兵はそれに従い椅子に座った。

時間の合間を縫って書いてますので遅いですが続きます。

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