表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/267

第47話 待ち時間って長いと眠くなりません?

前回のあらすじ

天井裏に襲撃者がいた。

ネット配信って数日しか公開してない事が多い



「センパイ、そろそろ一時間経ちますぜ」

 暗がりの中、一人の人間が隣のいる人間にしか聞こえない声で話しかけた。

「準備しろ」

 もう一人の人間は一言それだけ言うとナイフを構え、いつでも俺たちに襲撃を掛けられる体勢をとった。

「こっちもいつでも行けますぜ」

 ベラベラ喋る人間も同じように体勢を整えもう一人の人間の指示を待った。

「スリーカウントだ……、3・2・1・GO‼︎」

 口数の少ない人間が出したGOの合図と共に二人の人間が天井の一部を外して部屋の中に音も無く入り、俺たちの寝ているベッドにそれぞれ向かった。



 やっと仕掛けてくるのか……、待ってるだけだと意外に退屈だったな。

 さてと、先ずは襲撃者が手に持っている毒ナイフをスティール……よし、没収成功。

 次は身体中に隠し持っている毒薬やらを奪っていくか。


 手に持っていたナイフが光って消えた襲撃者の二人は一瞬動揺したが流石は暗殺者、直ぐに新しい暗器を取り出して構えた。

 しかし次から次へと身体中が光って、その度に軽くなっていく体に動揺が隠せていなかった。


(姫姉、二人から服以外全部、没シュートしたからヤっていいよ)

「フフフ、今日はものすごーくイライラしてるから覚悟してね」

 襲撃者の後ろに写る影から姫姉がにょきにょきと生えてきてその辺に落ちていそうな木の枝を中段に構えながらそう言った。

 二人の襲撃者は背後から聞こえた声に驚き振り返ったが姫姉はその隙を見逃さず、襲撃者の喉元に突きを放った。

 喉元を突かれ満足に呼吸が出来なくなった襲撃者を木の枝の打撃が襲った。


 そこからは哀しきかな、姫姉の一方的なリンチが行われた。

 二人の襲撃者は両手両足は骨を折られ動けなくなったところで、ボールを蹴るかの如く顔面を蹴り続けられた。

 今となっては元の顔の面影は何処にも無く、歯も所々折れて無くなりマヌケなことになっていた。


「ふぅ、少しスッキリしたわ。さてとコイツらどうしよっかな」

 あれだけボコっておきながら少しスッキリした程度なのか、あまり姫姉を怒らせないように気を付けないと……。


「ねぇ優君、コイツらが持ってた毒で致死性の無いものってある?」

 姫姉に質問され、俺は奪った毒物を一個ずつ鑑定していった。

「うーんどれも致死性の高い物しか無いっぽい」

 どれも殺意の塊の様な物ばかりだった。

「ッチ、まぁいいわ……。仕方ない、持ってるのでどうにかするわ」

 舌打ちをした後、姫姉は無限収納アイテムボックスから複数の草と液体の入った小瓶を数個取り出した。

 それらを襲撃者に見せつけた後、液体の入った小瓶に草を入れて創造クリエイトを使った。

 襲撃者は見せつけられた草を見て動揺し、創造クリエイトで毒薬になった小瓶を見て逃げようとした。

 それもそのはず、俺が鑑定出来たのは三個だけだがどれもエグい物ばかりだった。


 一個目は壊死薬。

 この液体は即効性こそ無いものの、付着してから洗わずに一時間ほど放置するだけで皮膚が壊死していく劇薬だ。


 これだけでも普通に拷問だと思うけど二個目もそこそこに酷い。


 二個目は敏感薬。

 その名の通り、感覚が研ぎ澄まされて敏感になる麻薬の一種だ。


 なんで姫姉がこれの原料を持っているのかが気になるが本人に聞く勇気は俺には無かった。


 三個目は栄養薬β。

 これは普通に売っている栄養薬の強化版みたい物で、これ一本で三日分の栄養が摂れる優れものだ。


 こんな物を見せられたらそりゃ逃げたくもなるわな。

 だって長期間拷問しますって言ってるようなもんだし。


 姫姉は襲撃者のペラペラ喋る方の頭を掴んで口を上向きにした後、栄養薬βを蓋を開けた瓶ごと口に突っ込み鼻を摘んで飲ませた。

 もう一人の襲撃者にも同じ様に栄養薬βを飲ませた。

 二人とも中身が栄養薬βなのでそれ程抵抗せずに中身を飲み干した。


「さてと二人には知ってる事を洗いざらい吐いて貰います。まぁ二人もいるし最悪片方には死ぬ程苦しんで貰うかも知れないけど……」

 そう言った後、姫姉は振り返り俺に手招きをしてきた。

 呼ばれるまま近くに行くと姫姉が耳打ちしてきた。

「五月蝿い方からやるから、あっちの逃げない様に見張っててね」

 姫姉はそれだけ言うと口の軽そうな方を蹴って移動させた後、手慣れた手つきで敏感薬を無理矢理飲ませた。


「聞きたい事は沢山あるけど先ずは誰の依頼で襲ったのか、教えてくれる?」

 姫姉は頰をペチペチ叩きながら襲撃者に話しかけた。

「……。」

 まぁ襲撃者は喋るわけもなく、姫姉の頰を叩く手が平手から拳に切り替わった。

「これくらいじゃ言うわけ無いよね。それじゃ次は髪の毛でも抜いていってみよっか」

 姫姉は髪を適当に掴み、一気に引っ張り髪の毛を毟った。

 それは襲撃者の頭頂部が禿げるまで続いた。


 河童みたいだなって思いながら、俺はもう一人の襲撃者に話しかけていた。

「やっぱりエグいよね、アレ。アンタもあんな風になりたく無かったら依頼人の事、吐いた方が良いと思うよ」

「……。」

 さっきからやんわりと脅しを交えながら話しかけているが一言も喋ってくれない。

 そろそろ話してくれないとこっちも手持ち無沙汰気味で眠くなってきた。




 

のんびりと書いてますので遅いですが大目に見て下さい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ