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第44話 無限収納(アイテムボックス)スゲー

前回のあらすじ

小屋が作られてた

もしかしたらネット配信してる事に期待しよう

 立派な小屋が完成したがそのせいで昼飯時を逃してしまった。

「なぁ姫姉、昼飯食べたいんだけど」

「あれもうそんな時間だっけ?」

 姫姉は空を見上げて太陽の位置を確認した。

「あっ、ホントだ。それじゃあせっかくだしこの小屋でランチにしよっか」

 そう言って姫姉は小屋の中に入って行き、俺もそれに続き小屋の中に入った。

 小屋の中はまだ何も置かれておらず、がらんとしていた。

「ちょっと待ってね優君、今テーブルと椅子出すから」

 姫姉はそう言いながら無限収納アイテムボックスの中から大きめの丸テーブルと椅子を二脚取り出し、街で買って無限収納アイテムボックスに仕舞っていた肉串やパン、果実水を取り出した。

 俺も無限収納アイテムボックスから街で買い溜めしていた串焼きや、日本で買っておいたお茶やおにぎりを取り出して椅子に座った。

「えっ、ちょっとまって。なんで無限収納アイテムボックスからおにぎりが出てくるの? いつの間にそんなの買ってたの?」

 俺が無限収納アイテムボックスからおにぎりやお茶を出してきたことに驚き姫姉が問い詰めて来た。

「あはは、これはその向こうに帰った時に無限収納アイテムボックスの実験がてら色々買いこんでそのままにしてたやつだよ」

「ねぇ優君、もしかしてだけど他にも色々持ってきてるんじゃないかな、ねえ」

「ソウダネ、他にもスナック菓子やアイスなんかもはいってるかな……」

 あまりにもの威圧感に俺は無限収納アイテムボックスに入れっぱなしで忘れかけていたケーキ(姫姉のご機嫌取り用)を取り出して差し出した。

「久しぶりのケーキ……。優君、他にも何かないの?」

「えーと、他には饅頭とか大福の和菓子系と、いつでもパフェが食べられるようにコーンフレークと業務用アイスとチョコソース、生クリームなんかは無限収納アイテムボックスに入れてあります。はい」

 俺は無限収納アイテムボックスの中を調べながら姫姉の質問に答えた。

 質問に答え終えたところで無限収納アイテムボックスの中身がごちゃごちゃになっていることに気付き後で整理しておこうと思った。

「そっかぁ、そんだけデザートがあるならなんでもっと早くに言ってくれなかったのかな?」

「いやぁ、実は俺もさっきまで無限収納アイテムボックスにこんなに突っ込んでいたこと忘れてたんだよね。あはは」

 それから俺は姫姉にジト目で見つめられ続け、泣く泣く甘味を姫姉に奉げ遅い昼食をとった。


「さてそれじゃあ小屋も完成してお昼も食べたし街に戻ろっか」

「はい、そうですね」

 無限収納アイテムボックス内の甘味類を殆ど姫姉に奉納した俺は気のない返事を返しつつ、出てきた小屋を無限収納アイテムボックスに収納した。

「ちょ、ちょっと待って優君! 今なにしたの! 私の力作の小屋をどこにやったの!」

 姫姉がおれの肩を掴み、揺らしながら問い詰めてきた。

「何って、普通に無限収納アイテムボックスの中に入れただけだけど」

「嘘、そんなことまでできるの……」

 姫姉は驚きながらも、おかしいものを見る目で俺を見てきた。

 おかしいのは俺じゃなくて無限収納アイテムボックスのほうだと思うんだが……。

「できるみたいだな。なんだったら小屋出してみようか?」

「いや、いい。その小屋は優君が持ってて」

「そう、ならいいけど」

 その後も姫姉は何か考え事をしながら俺たちは街まで戻った。


「それじゃあ俺はギルドに行って今日の換金してくるけど、どうする?」

「今日は私もついていくわ。これ以上問題を起こされても面倒だし」

「ははっ、そんなこと言ってるとまた何か起きそうだな」

 まあ今のでフラグがビンビンに立ってるだろうし、何が起きてもいいようにしておこう。

 俺は身構えながらギルドの中に入って行った。

 ギルド内はお通夜を通り越して回避不能の世界滅亡五分前と知らされたくらいまで空気が沈んでいた。

「ねぇ優君、昨日より雰囲気悪くなってる気がするんだけど……」

「それは俺も感じてる。でも今はそんな事よりひじょーに嫌な予感がする。今日は換金するの諦めて宿に戻った方がいい気が……」

 俺はそう言って姫姉の手を取り回れ右をしてギルドから出ようとした。だが、そんな俺たちの前に苦笑を浮かべたアリシアさんが立ちはだかった。

「二人ともちょっとだけ良いかな?」

 アリシアさんはそう言いながら俺たちの肩を掴んで力を込めて来た。

「いや~今日は疲れたので早く宿に帰って休もうかと思ってたんで……はい、ついて行きます」

 逃げようとしたがアリシアさんの肩を掴む力と無言の圧力に屈し、俺はしぶしぶついて行くことにした。

 さすがに夕刻前に帰って来て宿で休むのは怪しすぎたか。

「そうかそうか、聞き分けが良くて助かるよ。それじゃあ二階の応接室に行こうか」

 俺たちはアリシアさんに背中を押され階段を上った。

「優君。私、本気でキレそうなんだけど」

 俺は横と後ろからのプレッシャーで心が折れそうです。


忙しくて遅れました。

だが私は謝らない。

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