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第41話 禿とのお話

前回のあらすじ

禿げたおっさんに異世界人だとバレたわ。

よくよく考えたら探して予約にしてたからたぶん録画できてるだろ。

「私と一緒に来てくれないか」

 悩ましいな。行っても地獄、逃げても地獄か。それに姫姉が待ってるし早く帰りたいんだけどなぁ。

「分かった、あんたに五分だけ付き合ってやる。ただし五分過ぎたら問答無用で帰らせて貰う。じゃあ今から五分スタート」

 禿げたおっさんは俺の発言に戸惑いながらも数秒間何か思案し口を開いた。

「聞きたいことは山ほどあるがまず初めにどこの国に召喚された?」

 どうやらおっさんは俺を何が何でも今すぐに捕まえたりする気はなさそうだな。

「その質問の答えは簡単この国だよ」

 その言葉を聞いた瞬間この場にいた意識のある者は全員驚きを隠せなかった。

「そうか、ならもう一つ質問だこの国が召喚した勇者は前回の勇者によって連れ帰られたと聞いたがなぜこんな辺境に?」

 おっさんは驚きながらも次の質問をしてきた。

「それはちょっと俺にも分からないが、元の世界で急に空間に穴が開いたと思ったら吸い込まれて気が付いたらここに来ていた。原因は俺にも分からない」

 神隠しがあることは知っていたがそれがどういう原理かは知らなかったしな。

「そういう事か。君がこちらに来たのはたぶん次元の裂け目だ。詳しくは知らないが別の世界に繋がっていてそこから稀に物や人が流れ着くことがある」

 おっさんから重要な情報が聞けたがここで時間切れだ。そろそろ本当に早く戻らないと姫姉がキレて襲撃をかけてきそうだ。

「タイムオーバー、時間切れだ。じゃあ俺はもう行かせて貰うよ。続きは明日また来るからその時にでも」

「わかった」

 おっさんはそう一言だけ言い道を開けてくれた。不意打ちでも仕掛けてくるかと思ったが特に何もなくギルドを出ることができた。



「ギルドマスターなんで捕まえないんですか!ギルドマスターならあんなDランク簡単に捻り潰せるじゃないですか元Aランクなんですから」

「お前は馬鹿か。あいつは召喚された勇者だ、冒険者ランクなんか当てにならん。それにここに居る全員を相手に一人で手加減をして倒している。特にそこに倒れているのはBランクパーティーだ。俺なら敵対したくないな。それに噂ではSランク冒険者で英雄のオーマ様の孫もこの国に召喚されて、オーマ様が直接王城に来たらしい」

「勇者召喚の事は噂で知ってましたがあのオーマ様のお孫さんがいたんですか」

「ああ、王城に乗り込んで早々国王になったアウリア様に斬りかかったらしいからな。お供の人が止めなかったらこの国の貴族連中は皆殺しにしそうなくらいには荒れてたみたいだ」

「それでそのお孫さんの名前とかって分かるんですか?」

「ああ冒険者登録してたみたいで名前もパーティー名も一応覚えてるぞ、確か名前がヒメナで登録されてて

パーティーは”暁”になってるな。ん、どうしたそんなに汗を掻いて」

「さっきの人パーティー名がその、”暁”になってたんですが……」

「そうか……骨は拾ってお墓に埋めてやるよ……残ってたらな」

「嫌ですよぉまだ死にたくないですぅ」

「泣いてもどうにもならんぞ。やってしまった以上どうにもならん。それに罪を着せるようなことをした以上このギルドも終わりだな。俺は実行犯でも共犯でもないから責任とって辞めるだけで済むだろうけどお前はやっちまったからよくて犯罪奴隷最悪死罪だな。さて俺は王都のギルド本部に辞職願でも出して余生を畑でも耕して過ごそうかな」

「ちょっと待って下さいよギルドマスターこの惨状どうするんですかぁ」

「そいつらは適当にその辺にでも転がしとけそのうち衛兵の応援が来るからお前も含めて全員犯罪者として引き渡しとけ。衛兵共が一人でも逃がしたらそれはそれでいい材料になるしな」

「えっ、私もですか?」

「当たり前だろ、助けて貰った何の罪もない奴に他の奴らと一緒になって犯罪者扱いしてあんな事まで言ったんだ。言い逃れは出来ないし俺も庇えないしな」



 ふうやっと宿屋に戻って来れた。宿屋に入ると看板娘のアリスちゃんがこっちに気付き駆けてきた。

「お帰りなさい、お連れのお二人は先に帰って来て部屋にいるみたいですよ」

「そっか、教えてくれてありがとうアリスちゃん。これはご褒美だ」

 俺は無限収納(アイテムボックス)からクッキーを出してアリスちゃんにプレゼントした。

「ありがとうお兄ちゃん」

 アリスちゃんはそう言ってお客さんの接客を再開した。

 とりあえず部屋に戻ってさっきの事姫姉に報告しないとな。そんな事を考えながら俺は自分たちの部屋のドアをノックした。

「姫姉帰ったよ」

 そう言った途端ドアが開かれ思いっきり鳩尾目掛けて殴りかかって来た。

「遅い!」

 とりあえず避けて事情を説明するために姫姉から少し距離を取った。

「遅れたのは俺のせいじゃない。ギルドでちょっと絡まれてそれの相手をしてたから遅くなったんだそれに良い情報も聞いてきたから殴り続けるのやめて」

 何とか殴りかかって来るのを辞めさせることに成功した。

「なんだナンパしてたんじゃないんだ」

「おいおい俺をなんだと思ってんだよ」

「スケベ変態厨二病だけど。それより良い情報って何?」

 俺はおっさんから聞いた次元の裂け目について話した。




色々あって遅れてますが何があろうと続きます。

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